連続殺人犯からの卒業
僕は連続殺人犯。
今日は5回も殺した。
ただ、勘違いをして欲しくないのは僕は好きで殺しているわけではない。
できれば殺したくはないのだ。
しかし、この世界は殺さないと生きていけない世界なのである。
こんな世界に怒りと悲しみ、憎悪さえも持っている。
僕は今日殺された。
今日殺されたのは5人らしい。
ここには32524112人の僕がいる。
ここの僕は全て僕に殺された僕だ。
「君は明日、何人殺されるか知ってる?」
と、いつか殺された僕が僕に話しかけてきた。
当然僕は今日ここに来たばかりだし、1日に殺される平均人数どころか昨日何人殺されたかも知らない。
「2人くらいかな?」
テキトーにそう返した。
すると彼は
「はずれ。明日死ぬのは1人だよ。」
と言った。
次の日、この世界に来た僕は2人だった。
昨日の彼は数を外した。
あんな自信満々に言ってたのに数を外し、僕が正解したと思うと笑えてくる。
その日から、もう何年経つのだろう。
その日以降、僕はこの世界に来ていない。
僕を殺した僕は、幸せに生きているんだろう。と少し嬉しくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます