連続殺人犯からの卒業

僕は連続殺人犯。

今日は5回も殺した。

ただ、勘違いをして欲しくないのは僕は好きで殺しているわけではない。

できれば殺したくはないのだ。

しかし、この世界は殺さないと生きていけない世界なのである。

こんな世界に怒りと悲しみ、憎悪さえも持っている。





僕は今日殺された。

今日殺されたのは5人らしい。

ここには32524112人の僕がいる。

ここの僕は全て僕に殺された僕だ。


「君は明日、何人殺されるか知ってる?」


と、いつか殺された僕が僕に話しかけてきた。

当然僕は今日ここに来たばかりだし、1日に殺される平均人数どころか昨日何人殺されたかも知らない。


「2人くらいかな?」


テキトーにそう返した。

すると彼は


「はずれ。明日死ぬのは1人だよ。」


と言った。


次の日、この世界に来た僕は2人だった。

昨日の彼は数を外した。

あんな自信満々に言ってたのに数を外し、僕が正解したと思うと笑えてくる。




その日から、もう何年経つのだろう。

その日以降、僕はこの世界に来ていない。

僕を殺した僕は、幸せに生きているんだろう。と少し嬉しくなった。

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