第8話 ニコの実力 ①
少女に【ニコ】と名付けられてから一週間が過ぎた。
ニコはマリの専属メイドになるためにミノたちメイドから仕事を教えられている。
ただニコは前の世界から普段からメイドのようなことをさせられていたため覚えることはそれほどなかった。
そしてメイドの仕事をした後はマリと一緒に勉強である。
ニコは前の世界では勉強はもちろん字を書くことさえできなかった。
しかしもともと頭は良いし常識もそれなりに持っているので教えてもらうのはこの国の歴史など少しだった。
そんな問題なさそうなニコの生活だったが当然問題はある。
いくら王様や姫の命令だったとしてもいきなり現れた少女を専属メイドにするのはどうなのかと、会議でも抗議の声が上がっているそうだ。
王様 「どうにかできないものか。ニコの働きはおそらくみなわかっているはずなだ。」
そういいながら王様は頭をかいた。
専属メイドとは常に護衛対象と一緒にいてその身を守らなければならない。
おそらくニコは片腕、片足がないのだから仕方ないがそれで姫を守れるのかという意見も出るのは当然のことである。
王様とマリが頭を抱えて悩んでいるとミノが手をたたいて思い出したかのように言った。
ミノ 「適任者がいるではありませんか。うちで保護している迷い人を使ったらどうですか?あの人たち最近兵士でも相手にならないそうですよ。強くなっているそうです。」
その発言にニコ以外の全員がうなずいた。
王様 「ニコよ。今からでも大丈夫なら準備を始めてくれ。全員で行くからな。」
ニコ 「今からでも構いません。準備も必要ありません。」
その言葉を聞いて全員がその場から立ち上がった。
兵士の訓練場に集まるように指示を受けたのは全部で4人ニコが来るひと月前にこの世界に来たという。
全員が黒目黒髪の不思議な人たちだ。
タクヤ、リュウヤ、ミサキ、アヤカというらしい。
タクヤ 「俺たちだけ訓練場に入ってくれってどういうことなんだろうな。王様や皆来てるし。」
リュウヤ 「さあな。最近だと俺たち強いから兵士も相手にならなくなってきたし実力でも直に見に来たんじゃねぇの?」
ミサキ 「でも姫様までいるのは珍しいよね。最近忙しいって聞いてたし。」
アヤカ 「姫様最近専属メイドつけたって聞いたよ。」
そんなどうでもよい会話をしていると訓練場の入り口から一人のメイドがピョンピョンと上下に動きながら入ってきた。
ニコside
訓練場に入ると中央に4人がいるのが見えた。
あの人たちと戦えばいいのだろう。
ニコは気配を探り4人の魔力を見た。
確かにこちらの世界に来てからあれほどの魔力を持っている人はいなかった。
元居た世界には結構いましたが。
ニコはどうするかと迷っていた。
ニコ (どうしましょうか。そうです。最近姫様に教えてもらった悪戯を試してみましょう。)
ニコは痛くないくらいに調整して魔力の塊を気づかれないように作り、4人にわざと見えるように大きく振りかぶりながら魔力の塊を飛ばした。
タクヤ 「みんな伏せろ!!」
そう言って全員が伏せて魔力の塊が通過したところでニコは塊を霧散させた。
ニコ 「今のは躱せないと思ったのですが手加減しすぎましたかね。さて皆さんには私と戦っていただきます。全力で来てください。」
そう言ってニコは全員にわかるように少しだけ魔力を解放した。
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どうも作者です。
次は戦闘回です。
うまく表現できるかわかりませんが頑張ってみます。
いままでの話でもこれからの話でも分からない描写や矛盾、誤字脱字などがあると思いますが、コメントで指摘していただけると嬉しいです。
良ければ評価やコメントなどよろしくお願いします。
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