第5話 何もしない少女

アクル 「なんだよこれ!!子供じゃねぇか!!」


取り乱しているアクルが叫んだ。

すると慌ててミファリが駆け寄り少女が生きているか確かめ始めた。


ミファリ 「まだこの子は生きています!!私が回復魔法をかけますので皆さんは周囲の警戒をお願いします!!」


その言葉に皆は頷いて周囲を警戒し始めた。

緊張した空気が流れる中姫とメイドは少女をずっと見つめていた。

そしてミノが声をかけた。


ミノ 「姫様、何があるかわかりません。私から絶対に!!ぜーったいに離れないでくださいね!!」


すると姫はさすがにこの状況はまずいと思ったのか溜息をついた後静かに少女を見つめている。

するとミファリが焦ったように声を上げた。


ミファリ 「どうして!!回復魔法が聞かない!!」


その言葉を聞いてレオルが駆け寄ってきた。


レオル 「どうしたんだ。ミファリだったら腕や足の回復もできるはずだろ?」


ミファリ 「そうね。魔力にも余裕があるから治るはずなんですけど。」


レオル 「効かないんじゃしょうがない。一応声をかけてみよう。」


レオルが少女に近寄り声をかけた。


レオル 「キミ意識はあるかい?あるなら返事をしてくれ。」


許可が下りたので少女は話し始めた。


少女 「問題ありません。」


普通に話し始めたことにレオル、ミファリ、姫、ミノは驚いていた。

レオルは続けて話しかけてきた。


レオル 「動けるかい?片足がないようだから無理はしなくてもいいけど無理なら僕たちが背負っていくから。」


少女 「問題ありません。」


そういうと少女は自然と立ち上がった。

その光景を見てミノは少女に対してさらに警戒心を高めた。

ミノは少女の意識があることは見つけた時からわかっていたが得体が知れなかったため姫のことを優先して守っていた。

先ほどの立ち上がるのもそうだがミノは少女の強さが全く分からない。

ただ12歳くらいの子供が腕と足を失い、声をかけられるまで黙っていること、片足であるにもかかわらず平然と立ち上がることなどできるわけがない。


ミノ 「とりあえず事情など聴く必要がありますからいったん皆さん一緒に城に戻りませんか?」


その言葉に皆が同意するようにうなずいた。

少女もゆっくりとうなずいた。

皆の反応を見てレオルは頷き自分が先頭になりゆっくりと歩き出した。

その後ろをぴょんぴょんと飛び跳ねながら少女はついていった。

ここにいる全員を観察しながら。


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どうも作者です。

少し時間が空いてしまいました。

投稿が不定期になりがちですがなるべく早くできるように頑張りたいと思います。

良ければ評価やコメントなどよろしくお願いします。

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