第2話 プロローグ2
コツコツと足音が地下に響いている。
この地下には沢山の牢屋が並んでいるが一番奥のもの以外は使われていない。
人間の男が一番奥の牢屋の前で立ち止まった。
牢屋の中には子供が無気力に足を伸ばして、ただ一点を見つめて動くことはない。
「今から出るぞ。」
男はそう言って扉の鍵を開けた。
すると少女はゆらゆらと立ち上がった。
少女の身長はかなり小さい。
一緒にいる男でさえ人間の身長の平均より少し小さいのだが、少女は男の身長の半分しかない。
「魔王城に行って敵を全滅させろ。」
男はそう言って去っていった。
少女は去っていく男を見つめて
「わかりました。」
と、首につけられているものを触りながら返事をし、ゆらゆらと歩き出した。
〜魔王城サイド〜
「来たか…。皆のもの準備はいいか!!」
そう言ったのは魔王城の玉座に座っている魔王だ。
魔王の言葉に周りの種族たちはコクリと頷いた。
「チャンスは一度きりだ!!ここを逃せば次の機会などないぞ!!絶対に成功させるのだ!!」
そう言って魔王は先頭に立ち進軍を開始した。
〜魔王城前〜
今ここでは魔王とその他の種族の王たちが首輪をつけた人間と戦っていた。
人間一人に対し圧倒的に戦力の多いはずの魔族側が押されていた。
しかし人間も無傷とはいかず右腕と左足がなくなっていた。
「さすがだな勇者よ。我々を相手にここまでとは…。」
魔王はそう言いながら笑みをこぼした。
その笑みに少女はわからないというような顔をしながら首を傾げた。
「どうして笑う?」
「貴様は強い。我々が束になっても勝てないほどにな。」
「私も痛みはないけどここまでボロボロになったことはない。」
少女のその言葉を聞くと魔王は悔しそうに言った。
「だからこんな方法を使うことを許してほしい。」
その言葉を聞いた少女はハッとして後ろを振り返るとそこには
「「えーい」」
とこの場に似つかわしくない明るい声と共に空間が切り裂かれた。
少女は空間を切り裂いたものの死型を見て初めてその存在を知った。
「妖精」
存在しているかどうかわからないと言われていた妖精たちが今目の前に存在している。
少女は驚き硬直した。
その瞬間を魔王は見逃さずに飛び込み少女を掴み空間に向けて思いっきり投げ飛ばした。
少女は空間に飲み込まれる直前に妖精たちから言葉をかけられた。
「私たちは見ていた。」
「あなたはずっと頑張っていた」
「自分が何をされようとも」
「今度は自分のために生きて」
「この中のことは私たちもわからない」
「どこか別の世界に行くかもしれない」
「生まれ変わるかもしれない」
「でも頑張って!!」
「私たちはあなたを応援するから」
「今は何を言っているかわからなくてもいい」
「でもわかるように頑張って!!」
「それじゃあバイバイ」
そうして少女の視界は真っ白になった。
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どうも作者です。
結構時間がかかってしまいました。
文章って難しいですね。
よければコメントなどしていただければ嬉しいです。
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