光輝絢爛
♦︎……ネクロ視点
あれから数時間後、結局閉会式は後日改めて行われることになった。まぁ、死者も数人は出ちゃってるようなのでしょうがないだろう。
因みに、さっきステータスを見たら【異界の魔王】とか言う二つ名が付いていた。魔王って程大層な力を持った覚えは無いけど、体力が半分を切ると配下のステータスが上がる効果があるらしいので、文句は言わないでおこう。
それと、賞品や賞金はトラブル回避の為に先んじて貰えることになった。というわけで、無事に賞品を持って帰ってきた僕たちは宿屋にて戦利品の確認を行っていた。
「先ずは緋珠玉・中を一つに蒼珠玉・中を五つ」
「うひゃぁ……これだけで何十万サクになるんでしょうか」
僕がアイテムボックスから6つの玉を取り出して机の上に並べると、エトナは気持ちの悪い声を漏らしながら、大事そうに青い珠玉を持ち上げた。
「そして……
続けて、内側が暗い青色に光る神秘的で高級そうな漆黒のローブを取り出した。良く見ると、内側の青い光は小さな小さな米粒大の宝石によって放たれていることが分かる。
「おぉ……すっごい高そうですけど、どんな能力なんですか?」
あ、忘れてた。そういえば能力を確かめて無かったね。
「ちょっと待ってね……
僕は目の前の外套に向けてスキルを発動した。
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『
【VIT:110-MND:220】
夜の闇のような漆黒の外套の内側には星々のような光が暗青色に煌めいている。
数々の職人によって何世代も跨ぎ、百年以上の時をかけて作られた。
また、強い闇への親和性と魔力を貯めておける能力を持っている。敵の魔力を含む攻撃によって魔力を吸収できる能力もあり、かなり持久戦に優れている。
[魔力嵌留:SLv.5、闇属性親和:SLv.5、
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まぁ、凄まじい量の能力だね。
「えっとね……上から順に説明するよ。先ず、大量の魔力をストックしておける能力と、闇属性親和、
「うわぁ……能力盛り盛りじゃないですか。スキルレベルにもよりますけど、結構な値段になりそうですよ」
色々能力はあるけど、一番嬉しいのは単純に防御力が高いことかな。この軽さと動きやすさでここまで防御性能が高い防具は少し探したところで見つかることはないだろう。これで僕の紙性能問題が結構解決したね。
あと、エトナ。さっきから値段で考えすぎだから。言っとくけど、別にどれも売る気ないからね?
「そして最後が……これだよ」
僕はインベントリから大会優勝賞品を取り出した。
「……凄い、綺麗です」
それは、ルビーのような紅い大きな宝石があしらわれた黄金の首飾りだった。
見るもの全てを魅了するような黄金色の輝きを放つ首飾り。そして、それに嵌め込まれた赤い宝石は、中で炎が燃え盛っているかのように中身が流動している。
「うーん、見れば見るほど綺麗だね。芸術品としての価値だけでも凄そうだけど……僕が知りたいのは、その力だ」
僕は自分の手に握られた首飾りに
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『
黄金と炎を司る神が創りし至高の一品。
絢爛たる首飾りの輝きは持ち主の栄光を示す。
[
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『加護:
黄金と炎を司る神、アムナルフの与えし加護。この加護を持ちし者はある門を開く為の鍵となる。
[炎属性親和:SLv.7、取得経験値増加:SLv.4、バフ増強:SLv.4、
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「えっとね、経験値取得量五倍で、バフで強化される量も五倍、あと炎属性親和と神の力……かな」
……え、何このチート。
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