【遠隔操作】
あれから僕はノエル達と別れ、ゴブリンの巣で手に入れたレア度の高そうなアイテムをチープに渡して別れ、宿でエトナ達とその日あったことについて話し合ってから眠りについた。
そして今日、闘技大会までは残り二日と来ている。というわけで、良い感じに人の気配がしない森の中に僕たちはやってきていた。
「僕は一つ、重要なことを忘れていたんだ」
僕の目の前にはロア、アース、グランの三体が立っている。
「SPを振るのを……忘れてたんだ」
呆れたような表情の三匹を無視し、僕はロアのステータス開いた。
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Race:オーガ・ゾンビ Lv.54
Job:
Name:ロア
HP:305
MP:142
STR:328
VIT:235
INT:132
MND:149
AGI:182
SP:40
■スキル
□パッシブ
【HP自動回復:SLv.8】
【MP自動回復:SLv.6】
【光属性耐性:SLv.3】
【悪食:SLv.4】
【気配察知:SLv.5】
□アクティブ
【斧術:SLv.7】
【跳躍:SLv.4】
【
【体術:SLv.4】
【投擲:SLv.4】
【咆哮:SLv.3】
■状態
【従魔:ネクロ】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おー、ステータスは軒並み上がってるね。SPの余りは40かぁ……まぁ、40なら貯めといてもいいかもね。50SPのスキルで強力なのは多いし。
「ロアはまだ貯めとこうかな。次は……」
僕はアースを指差し、ステータスを開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Race:
Job:──
Name:アース
HP:483
MP:435
STR:263
VIT:597
INT:434
MND:538
AGI:202
SP:40
■スキル
□パッシブ
【HP自動回復:SLv.6】
【MP自動回復:SLv.5】
【麻痺毒生成:SLv.3】
【光属性耐性:SLv.2】
【高速再生:SLv.2】
【悪食:SLv.2】
□アクティブ
【土魔術:SLv.9】
【死霊術:SLv.5】
【爪術:SLv.4】
【視覚強化:SLv.3】
【
【
□特殊スキル
【
■状態
【従魔:ネクロ】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うーん……こっちも40かぁ。ステータスは結構上がってるみたいだけどね。だけど、
「あー、うん。アースもパスかな。あと、
「キュウ!? キュッ、キュキュ────(はっ!? いえ、そんなことは決して────)」
アースが焦ったように否定し始めるが、僕はそれを無視してグランのステータスを開いた。
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Race:
Job:──
Name:グラン
HP:565
MP:315
STR:455
VIT:652
INT:118
MND:484
AGI:164
SP:50
■スキル
□パッシブ
【HP自動回復:SLv.7】
【MP自動回復:SLv.5】
【高速再生:SLv.4】
【炎属性耐性:SLv.3】
【斬撃耐性:SLv.3】
【打撃耐性:SLv.3】
【悪食:SLv.2】
【結晶化:SLv.2】
□アクティブ
【投擲:SLv.5】
【咆哮:SLv.4】
【拳術:SLv.3】
【跳躍:SLv.3】
□特殊スキル
【
■状態
【従魔:ネクロ】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お、この子は50SP残ってたね。どうしようかなぁ、といつもなら迷う所だが、今日はもう決まっている。
「良し、グラン。君は50SPあるから……このスキルを上げるよ」
僕が取得したのは【遠隔操作】だ。このスキルは自分が魔力を込めたものを動かせる……文字通り、遠隔操作できるスキルだ。
例えば、自分の持っている剣に魔力を込めれば、剣を握らずとも動かせる。他にも、魔力を込めて石を投げれば少し狙いがズレても途中で軌道修正できる。
このように割と使いやすそうなスキルに見えるが、実際の評価は低い。何故なら、遠隔操作で動かしても大した速度が出ないからだ。
宙に浮かせた剣を敵に突撃させたところで簡単に回避されるので、普通に握って斬った方が速い。
じゃあ、何故このスキルを取得したのか? それは、グランとこのスキルの相性が良いからだ。どんな風に良いのか? それはまぁ、見ていれば分かる。
「グラン、いつもの君の必殺技に……このスキルを使ってみてよ」
「グォ」
グランは頷き、自分の鱗を一枚だけ結晶化させて剥ぎ取り、こちらの様子を伺っていた
赤熱し、膨張し、今すぐにでも限界を迎えて爆発しそうなその結晶が自分に飛来してくるのを見た熊は、即座にその巨大な腕を近くの木に叩きつけ、その反動を利用してその場から離れた。
「……グォ」
だが、今日のグランはそれだけでは終わらない。熊の目の前にもう一度結晶を発射し、前への逃げ道を潰した。当然、後ろを振り向いてまた逃れようとする熊だが……
「グ、グァ。グァッ!?」
後ろからは巨大な結晶が宙に浮かび、猛然と迫ってきていた。
「グ、グァ!」
混乱しながらも横に逃れようとした時にはもう遅く、熊を挟み込んでいる二つの結晶はひび割れ、中から炎が噴き出し……爆発した。
「うんうん、良い感じだね」
グランの結晶化爆弾は強力な威力を持つ反面、一つの弱点を抱えていた。それは、避けられやすいことである。
予備動作が分かりやすく、ロアの投石などよりもずっと大きいその結晶はこっちに飛んできているのを見てから避けることはそう難しく無かった。
グラン曰く、敵が複数いる時は当たりやすいが、一対一の時なんかは相手が強いと狩るのに十分以上かかったり、稀に逃してしまうこともあるそうだ。
そんなグランの結晶化爆弾を更に強力にするのがこの【遠隔操作】だ。これならば自身の投擲と、遠隔操作とで、同時に二つの結晶を相手に向かわせることができる。予め相手が逃げようとする方向に結晶を動かしておき、こっそり退路を塞いでおくのも良いかもしれない。
ただ、SLv.1の今はまだ一つしか同時に物を動かせないのと、魔力消費も結晶化したグランの鱗ほど重くて大きいものを動かすとなるとかなり激しくなるので、どんどんスキルレベルを上げていって欲しいところではある。
因みに、グランの結晶化した鱗は元々自分の体なので魔力を込める必要は無く、そのまま動かせるらしい。
「……良し。じゃあ、まぁ、後は適当にみんなで連携して敵を倒す練習でもしといてよ」
その間、僕は新しく取得したSLv.9とSLv.10の闇魔術の技と、暗黒魔術の技を試すとしよう。
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