第135話 ラストシーンははじまりの地で
「半流体・・・テーセン・・・これってやっぱり――」
「ええ、以前王都に現れて時空間魔法師を襲った・・・」
「うん、そしてヨツツメの海岸で戦ったテーギガ、あれの『進化前』って事だろうねぇ」
じゃあ、ここにその資料があるって事はつまり・・・
「テーギガ、いやテーセンはこの研究所で作られた、って事?」
僕の呟きにモリスさんは暫く考え、首を振った。
「多分、違うんじゃないかな」
「え? でも――」
「考えてごらんよ。綺麗に装丁されたマニュアルがあるって事はさ、ある程度の規模で製造され、しかも実用段階もしくはそれに近い状態にあるって事だろ? そしてそのマニュアルがここに残されているって事は――」
「ええ。この研究所の主がテーセンとそのマニュアルをどこからか入手した、という事でしょうね」
そうか・・・
でもそれってつまり、あのテーセンがどこかにたくさんあるって事・・・だよね。
「そんな・・・」
「ええ、恐るべき事態です。ですが、今はまずこの研究所の調査を進めましょう。そしてこの研究所の主を確実に捕縛する準備を整えるんです。詳しい話はその者に訊けばいいのですから」
そしてまた、部屋の調査を続行。
「ああっ、これだよ! 聖樹の魔力の受信側。へぇ、受信側は結構大掛かりな装置だねぇ。いやぁ興味深いなぁ・・・ねえラーバル君、これ持って帰っちゃ――」
「ダメです」
「・・・だよねぇ。ああもう、今すぐ分解して確認したいのに・・・ってあれ? 後ろにケーブルが繋がって・・・お? そうか、この装置に魔力を供給してたのかぁ」
モリスさんが覗き込んだのは、最初に見つけた中央の『転送装置っぽい何か』。
「つまりこの装置には結構な量の魔力が必要って事、なんだろうね。ラーバル君、後でさっきの君の考察を聞かせてくれよ」
「ええ、もちろんです」
「よぉし、そうと決まれば急いで調査の続きをっと」
ふふ、モリスさんって――
っ魔力の揺らぎが!? これまさか・・・
「誰か転移して――!?」
「「なっ!?」」
シュンッ
「まったく、せっかく我が出向いてやったというのに、まさかダンジョン内があれ程変化していようとは――むっ、貴様等何者だ!?」
ここに転移してきたって事はつまり、このひとが・・・
「聖樹の魔力を横取りした犯人?」
「何だと!?」
おっと、思わず口に出しちゃった。
「モリスさん!」
「ああ!」
一瞬で冷静さを取り戻した校長先生とモリスさんが共同で結界を展開――多分これがテーギガと戦った時に張ったっていう結界なんだろうな。
「ほほう、二人掛かりとはいえまあまあの結界を張るではないか。誉めてやろう」
「強がりを。こうなってはもう逃げられませんよ。・・・さて、あなたにはこれから我々の質問に応えていただきます」
「ふむ、我への質問か。いいだろう、多少興が乗った事だし答えてやらん事も無いぞ」
何だろう、このひと物凄く余裕があるみたいだけど、まさかこの結界を壊す自信があるとか?
心配になってふたりを見ると、
「ええ、油断はしません」
「うんうん、ここは僕達に任せといて。でも万が一の時は手伝ってくれよ」
よかった、じゃあ僕もあのひとの動きに集中!
「さて、あなたはエルフですね。お名前を聞かせていただきましょう」
「ふむ、我の名はサイ。神の魔法である時空間魔法を極めんとするものよ」
「サイ・・・エルフの里は一通り訪問しましたが、その名は聞いた事がありませんね。ならば――」
言葉を止めて姿勢を正し、胸に手を当て――
「我が名はラーバル・リービル・ルーブル。引き継ぎし名にて応えよ」
「ふん、エルフの名乗りか・・・よかろう、付き合ってやる。我が名はサイ・アーク・ノワールよ」
・・・えっ、その名前って
「アーク・・・ノワール・・・? アークという名は何名か聞いたことがあるがノワール・・・っそうか!
「うむ、我の母よ」
・・・あのひとの名前、サイ・アーク・ノワール
「母は優れた時空間魔法師であった。だがある日、『行った事の無い場所への転移』に挑戦して失敗し、見知らぬ人間共の集落に転移してしまったのだ。しかも不幸な事に、自らに関する記憶まで失っていたそうだ」
「何と」
・・・繋げて読むと
「我を身籠っていた母は、数か月後にその集落で我を産み落とした。だがな、その閉ざされた集落での我らの扱いは、まさしく『厄介者』へのそれであった。やがて身体が丈夫ではなかった母は衰弱してゆき、記憶を取り戻した頃には――」
・・・「最悪のワル」じゃん! ぶふっ!!
「ちょっカルア君!?」
「貴様、我と母をバカにするか!? いや待て、今確か『カルア』と――」
「うわ、ヤバっ」
「そうか・・・そうか! 貴様がカルアか!! やはりエルフではないではないか! というか少女ですらないではないか!! 種族に加え性別まで詐称するとは・・・」
「すっ、すみません・・・でもちょっと、待って・・・だって名前・・・『最悪のワル』って・・・」
「なっ!?」
「「ぶふぅーーーーっ!!」」
あ、モリスさんと校長先生も気付いた。
「きっ貴様等もかぁーーーっ!!」
ああ、真っ赤な顔で怒って・・・でも・・・っくくく、ツボにはまって・・・
「カルア、貴様許さん・・・はぁっ!!!」
え? 結界を張って・・・飛ばしてきた!?
「わわっ!?」
「「カルア君っ!!」」
飛んできた結界に撥ね飛ばされて・・・
思わず掴んだこれって、さっきの『転送装置』?
え? 何!? 僕の魔力に反応して・・・
そして・・・誰も・・・いなく・・・
「「カルア君ーーーっ!!」」
突如として転送装置が輝きだした次の瞬間、転送装置の上にいたカルアの姿はその場から消え失せた。
「ちょっカルア君どこへ――」
「サイ・アーク・ノワール! この転送装置はどこに繋がっている!?」
突然の出来事に驚いた一同であったが、フリーズしている場合ではない。
モリスは転送装置に駆け寄り、そしてラーバルはサイに詰め寄り・・・
「ふん、あれこそ我の時空間魔法の結晶『時間超越転送装置』。驚くがいい、あれは未来の我が研究所と繋がっておるのだ」
「くっ・・・やはりそうだったか」
「ほう、まさかとは思ったが感付いておったのか。だがあの装置は受け取りモードに設定しておる。故にこちらから送る事は出来んはずなのだ。なのに一体何が・・・」
「もうカルア君・・・こんな想定外はやめてくれよぉーーーーっ!!」
「あれ? モリスさんも校長先生も消えちゃった・・・それにサイ悪の――ぷふっ」
っといけない、笑ってる場合じゃないよ。
何が起きたのか分からないんだから気を引き締めなきゃ。
ええっと? 見た感じここはさっきの研究所だけど、何か違和感が・・・あれ? 置いてあるものとかちょっと違う、っていうか片付いてる?
それからちょっと・・・何だか全体的にボロくなってない?
キィ・・・
っ!? 入口の扉から誰か入って・・・
ええっ嘘!?
だってこんな所に何故・・・
「父・・・さん?」
「そうだよカルア、ああ・・・久しぶりだね」
「父さん・・・やっぱり父さんだ」
「ああ、本当に久しぶりだ・・・あれからもう10数年、大きく・・・なっていない? ・・・いや、少し大きくなってるね。まあそれはそうか、カルアにとってはまだ2年くらいしか経っていないんだから」
そしてゆっくり近寄ってきた父さんは、そっと僕を抱き寄せてくれた。
ああ、懐かしいこの感じ・・・やっぱり父さんだ。
「父さん・・・なぜ父さんがここに? ・・・それにモリスさんと校長先生は? ・・・部屋の様子だってさっきまでと違うし・・・それにそれに・・・」
「混乱するのも無理はない。聞いてカルア。今からちゃんと説明するから」
父さんに連れられて隣の居住スペースに場所を移した僕達。
そこで父さんはいろんな事を説明してくれた。
「カルア、君はもうリアベル――母さんに会っただろう。そして君の身に振り掛かる事態の説明を受けたよね」
「うん」
「君がリアベルから受けた説明は、彼女の『未来視』によるもの。そして今から僕がする説明は、僕の『過去視』によるものだ」
「『過去視』?」
「ああそうだ。今僕とカルアがいるここはね、さっきまで君がいたところから10年後の世界なんだ」
10年後・・・じゃあここって――
「・・・未来、って事?」
父さんはそっと頷いて、話を続ける。
「僕はねカルア、リアベルが視た君の災難から君を守るため、僕自身を司る『存在』の半分を君に渡したんだ。僕達が君の前から姿を消す時に」
「・・・『存在』、って?」
「僕はねカルア、『精霊祖』という種族なんだ。・・・『精霊祖』については?」
「うん、エルフの里で聞いたよ。エルフとドワーフと精霊の共通の祖だって」
「その通りだ。それでね、精霊に近い性質も持っている僕は、自分自身を司る『存在』として顕現し続けている。その半分を君に分けた事で僕は存在が不安定となり、再び安定するまで眠りにつく必要があった」
「眠りに・・・じゃあ父さんはずっと眠ってたって事?」
「ああそうだよ。最近になってやっと目覚める事が出来た僕は、枕元にあったこの手紙を見てこの時代で僕がすべき事を知ったんだ」
そう言って父さんは一通の封筒を取り出した。
あの中にこの時代で父さんがすべき事が・・・
「そしてこの研究所にやってきた僕は、『過去視』によってカルアを視ていたんだ。その『過去視』も実は、特定の君達しか視る事が出来なかったんだけどね。多分だけど、僕の『過去視』は君に渡した僕の『存在の半分』を感知していたんだと思う。つまりね、今の僕に直接繋がるただひとつの過去である僕だけが、君に『存在の半分』を渡していたんじゃないか、って事なんだ」
ええと、何て言うか・・・
物凄くややこしいよ、父さん!
その僕の感情が表に出ていたのか、
「まあその辺りは難しく考えることはないよ。実際のところ僕にもあまりよく分かってないんだし」
って柔らかい笑顔を見せ、「それよりも」と言葉を続けた。
「あのサイが取り寄せた『テーセン』と『魔力転送装置』なんだけど・・・そこにある『時間超越転送装置』からそれらをあいつに送っていたのは、実は僕なんだ」
「ええっ!? 父さんが!?」
だって、アレのせいでピノさんが・・・それに僕だって・・・
「うん。実はあの装置、試作段階から数回の転送が行われているんだ。その時にね、手紙を無視して何も送らなかった事があるんだ。もしかしたら君を守る助けになるかもと思ってね。だけど、僕が送らない場合はどこからか『調整』が入るみたいで、別のところからサイのところに届いてしまったんだ。それも、僕が送る予定だった物よりも悪い結果をもたらす物が・・・」
ええ、それじゃあどうやったって・・・
「だからね、理由は分からないんだけど、この手紙の指示通りに物を送るのが最も穏便にすむみたいなんだ」
「そうだったんだ・・・」
「ちなみにだけど、『テーセン』はミレアさんの研究所で開発された魔道具でね、彼女から調達したんだ。『魔力転送装置』はモリスさんからだよ。ふたりには僕の事もカルアの事情も話してあるんだ」
10年後のミレアさんとモリスさんかぁ・・・
ふふ、ふたりともどんな感じなんだろうな。
「それでカルア、どうやら君の災難は今回の転送事故が最後らしいんだ。だからカルア、帰ったらもう母さんに会っても大丈夫だよ」
「ホント!? やった!!」
「うん、今までよく頑張ったね。これまで君の身に振り掛かった『フィラストの転送トラップ』『森の進化ゴブリン』『セカンケイブ最下層』『テーセン襲撃』・・・それらすべて、自分の力と周りの人たちの協力で跳ね退ける事が出来たから」
ええっ!? アレって全部そうだったの!?
驚く僕を見た父さんは優しく微笑んで、
「さあカルア、そろそろ帰る時間がきたみたいだ。これからもみんなと仲良く、元気に過ごすんだよ」
「父さん・・・」
「ああそうだ、この手紙なんだけど、君の時代の僕に渡しておいてくれるかい」
「うん分かったよ。でも父さん、父さんって一体どこで眠ってるの?」
「ふふ、僕が寝てるのは――」
あれ? もう転送が始まってる!?
周りが白い光に包まれて――
「フィラストダンジョンの最下層だよ。ダンジョンに行けばフィラストが案内してくれるからね」
「父さ――」
そしてカルアは元の時代へと帰って行った。
「カルア・・・また会おう」
万感の思いでそう呟いたカルアの父クアルトは、部屋を出るため扉に手を掛けた。
そう、彼がこの研究所ですべき事はこれで全て終わった。
もう二度とクアルトがここに来る事は無いだろう。
カチャッ・・・キィ・・・
扉を開けると、
「ああ父さん、俺は無事元の世界に戻ったようだね」
「え? カル・・・ア?」
「何変な顔してるのさ。あ、もしかしてさっきまで子供の頃の俺に会ってたから、今の俺に違和感感じちゃったとか?」
「いや・・・」
クアルトは混乱し、そして考えていた。
何しろ今目の前にいる『大人のカルア』には、今初めて出会ったのだから。
ならばこのカルアは今まで一体どこにいた・・・?
そして何故このタイミングで突然現れた・・・?
そしてひとつの仮説に思い至り、不思議とそれが事実なのだろうと腹に落ちた。
「そうか・・・さっきの最後のすべき事、あれでカルアの全てが確定した。それでその後10年間の歴史を積み重ねたカルアがここに出現した、という事なんだね」
「ははは、父さんってばまた難しい事言いだしたよ。さあ、母さんがご馳走を用意して待ってるよ。今日は記念日だって喜んでたから、待たせてまた怒られても知らないよ」
クアルトの脳裏に、彼が経験してこなかったカルアのいるこの数年間の記憶が統合されて行き、
「そうだねカルア、早く帰ろう。君の大切な――も待ってるだろうしね」
「もうっ父さん!!」
「ははははは・・・」
父と子は幸せそうに談笑しながら、家族が待つ家へと帰っていくのであった。
ああ、光がだんだん収まって・・・
「んっ!! あっモリスさん、それに校長先生も・・・ただいま」
「ああっカルア君!! よかった、無事に帰って来れたんだ! ああ、本当によかったぁ・・・」
全身の力が抜けたみたいなモリスさん。
ご心配お掛けしました。
「カルア君、君は未来に転送されていたのか?」
校長先生は僕の行った先に気付いてたみたい。
「ええ、そうなんです。さっきまで今から10年後のこの部屋に行っていました」
「そうか、では詳しく聞かせて――」
「おいカルアよ、それはつまり10年後の我に会って来たという事か? 10年後の我は何を言っていた? 最高の時空間魔法師として世界に君臨していたのであろう?」
ああ、そう言えばこんなひともいたんだっけ。
「ふふ、10年後のこの部屋はもうあなたのものではなかったようですよ」
「なっ!?」
「という事だから、あなたはこれからしっかりと罪を償って下さいね。・・・校長先生、この『最悪のワル』さんはこれからどうなるんですか?」
「エルフの里で長期間の強制労働となるだろうな。絶対に解除できない結界牢の中でね」
校長先生のその言葉にサイはニヤリと笑みを浮かべ、
「ふんっ、そんなものに付き合っていられるか。ではそろそろ我はここを去る事としよう。さらばだ! 『転――』」
「『把握』。逃がす訳ないじゃん」
「なっ!? 『転移』が発動しないだと? 一体何が・・・」
「僕があなたの魔力を『把握』したから。あなたがテーセンを取り寄せたおかげで会得する事が出来た、僕の魔法技術だよ」
テーギガを『把握』して倒した時の感じ、やっと思い出せた。
あ、そうだ。せっかっくだからここにある部材と魔石で――
「『錬成』『付与』・・・よし、出来た。校長先生、これを使ってください」
「これは何だい?」
「『魔力枷』みたいな感じの魔道具です。対象者の魔力を『把握』して動かせないようにする事が出来ます」
「なっ・・・それは凄い。ぜひ使わせてもらうよ・・・軍事的脅威レベルだが」
「あははは・・・やっぱり」
そして校長先生は、
「話はまた今度じっくり訊かせてもらうよ。今はこの男を結界牢に収監するのが最優先だからね」
そう言って、『魔力枷』で魔法を使えなくなったサイを結界から出し、一緒に転移で去っていった。
それから僕は、
「カルア君はこれからどうするんだい?」
「ちょっと『約束』があるので、ここで帰ります」
「そうか・・・その『約束』ってやっぱり未来での、って事なんだろうね。じゃあさ、そのあたりの話はまた今度詳しく聞かせてくれるかい?」
「ええ、もちろんです」
「よし約束だよ。じゃあ僕もそろそろ戻ろうかな、色々面白そうなものをお土産に持ってね」
「はは・・・根こそぎはやめてくださいね。未来が変わっちゃうから」
「りょーかい。じゃあね、カルア君」
こうしてモリスさんと別れ、フィラストダンジョンへ転移した。
「フィラストさん、父さんの所に案内してもらえますか?」
「あらぁ? 何の事かしら?」
「ふふ・・・未来で父さんに頼まれたんです。この手紙をこの時代の父さんに届けて欲しいって。フィラストさんが案内してくれるからって」
フィラストさんは少し考え、
「そっか・・・じゃあもう誤魔化す必要はないのね。よし、じゃあお姉ちゃんについてきて。フィラストダンジョンの本当の最下層に連れて行ってあげる」
と、僕を連れて転移してくれた。
そして転移した先は最下層の・・・あれ? コアの間?
「びっくりした? 内緒の話なんだけどね、私のダンジョンって実はふたつのダンジョンから出来てるの。小さな小さなファーストダンジョンと、世界最大のラストダンジョン。『ファーストダンジョン』と『ラストダンジョン』だから『フィラストダンジョン』なの。でもまあラストダンジョンの方はまだまだ発展途上なんだけどね」
何と、そんな秘密が・・・
「でね、今いるここはラストダンジョン側の最下層ダンジョンコアの間なの。そしてこのダンジョンコアの中に――」
そう言ってフィラストさんがコアに手をかざすと、
「あっ」
ダンジョンコアの中から天蓋付きの大きなベッドが現れた。
そしてそこに寝ていたのはもちろん――
「父さん・・・」
さっきまでいた未来では元気に話してた父さん。
でも今は動く気配もなく、見るからに元気が無さそう。
それは僕に『存在の半分』を分けてくれたから。
「父さん。頼まれた手紙・・・ここに置くよ。起きたら読んでね」
父さんの枕元に手紙を置き、
「ありがとうフィラストさん。これからも父さんの事、よろしくお願いします」
フィラストさんに頭を下げた。
そしたらフィラストさんはにっこり笑って、
「ええ、任されました。クアルト様からも頼まれてたし、セージュからも散々念を押されてるし、そのうえ今度はカルア君からも頼まれちゃったんだもの。お姉ちゃん、これまで以上に張り切っちゃうんだから!」
と、小さなこぶしを握り締めた。
さぁ、これで父さんとの約束は果たせた。
明日は父さんの事、みんなに伝えなきゃ。
それに僕の災難がすべて終わったって事も。
あと母さんにも、父さんの事を・・・
▽▽▽▽▽▽
もうちょっとだけ続くんじゃ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます