【わし編】殴る?殴らない?カオスな耐久戦

 大学生って、色々とはめを外しすぎてる面がありますよね。

 なおかつ、お酒にまつわる黒歴史を量産する時期でもあるのでは?

 これは、そんな時のお話……



 当時わしは、学園祭実行委員会の委員長を務めておりました。

 合宿二日目の飲み会。

 広い部屋で、わしは副委員長二人と共に、上座に据えられたテーブルに着席。

 今思うと、せっかくの飲み会なんだから、席なんて自由でよかったと思うんだけどなぁ……



 まあ、そんなこんなで、わしは酒を入れにきてくれる同期や後輩たちとも話しつつ、基本的には両脇の副委員長たちと話すという感じでした。



 ただな……副委員長の一人が、とんでもなく厄介なんだわ。

 こいつ、普段からもわしに変なことをやらせたがる。

 某漫才のネタのセリフをわしに言ってほしくて、ネタの前振りを言いながらすり寄ってきては、わしに「とりあえず、その口閉じて仕事しろや。」と、ばっさり切り捨てられておりました。



 この日も当然絶好調。

 お酒も入り、いつも以上にテンションが高い。

 テキトーに受け流すのも限界で、とある時にとうとう爆発。



「お前なぁ! そろそろぶん殴られたいか!?」

「むしろ殴られたい!」



 ああ言われた瞬間の、なんともいえない気持ちをどう表現したものか……



 いや、分かってんだよ?

 殴られたいも何も、もう取り返しがつかないくらい殴ったり蹴っ飛ばしたりしてるからな。(三年も同じ委員会にいりゃ、こうなる。)

 お前がそれで喜んでるドMだってことも、嫌ってほど知っとるわ。

 だけど、わしにそんな趣味はねえぇぇぇっ!!



 かくしてそこから、〝どうにかして殴られたいドM〟VS〝殴ってたまるかと拳を止めるわし〟の、なんともカオスな耐久戦が始まるのでした。



 周りはある意味飲み会恒例(おい)の光景に、笑いながら見物してましたよ。



 だああぁぁぁっ!

 うぜぇっ!!

 ドM仲間連れてくんな!

 その期待の眼差しと猫なで声をやめろ!

 せっかく自分と話しにきてくれた後輩が、そっちばかり気になってるだろうが!!



「おじょう! ストップ!! 殴る一歩手前になってる!!」



 定期的にわしを止めてくれるもう一人の副委員長や、他の役員面々。

 ほんとにありがとなぁ……(泣)



 結局、この耐久戦はわしの敗けです。

 気づいたら、あいつの背中に強烈な張り手をぶちかましておりました。



「あざーっす!!」

「あーっ!! やっちまったあぁっ!! キモいキモいキモいキモい!!」



 ハッと我に返って絶叫&後悔するわしに、周りはどっと大爆笑でございました。



 まあね……

 こんな奴でも委員会を支えてくれる仲間だしね、本気できらっちゃいねぇけどよ。

 殴るっていったって、別に鈍器を持ち出すわけでもないし、女子の力なんてたかが知れてるって話じゃろ?



 でもよぉ……

 あんなカオスな飲み会、もう遠慮したいぜ。



 皆さんは、こんな変なノリに出会ったことあります…?


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わしが見た愉快(?)な人々 時雨青葉 @mocafe1783

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