第12話 おじいちゃん…。
「高校に裏口入学してきたんだけど…。いかんせん、全く勉強についていけなくてね!アハハ…。」
やばい、なんかいまサラッとやばい単語聞こえた気がする。
「で、そこで黒くてちっちゃい神様が出てきて、アタシにいうわけよ。『お前に誰にも負けないほどの、理科の才能をあげよう。そのかわり、お前の大切なものを奪うがな!』って。それで、その話に乗ったってわけ!みんなもそうだよね?」
他の二人がうんうんと頷く。多分、その神様黒とか絶対悪魔だよ。とか言ってはいけない。
「それで、交換条件の大切なものって、なんだったんですか?」
意外と面白そうな話になってきて、思わず食いつく俺。
「あ、スミスくんって目が青いんだね!血は何色なのかなぁ…?」
「ねえ、理科先輩今それ?!続きは?」
いや、たしかに純日本人で目が青いのは珍しいかもだけど…。
なんか、昔おじいちゃんが亡くなった頃に青くなったんだよな。
「んー、でもその大切なものがわからなくて…。それで、アタシが研究してるの。理科担当だから。」
パフェを俺に乗ってきたカエルに食べさせながらそういう理科先輩。
カエルって、パフェ食べていいものなのだろうか。
「そのあと、急に自分の教科の知識が溢れてきて…。
それで、高校入ってからキャラの変わっちゃいました。」
文庫は、メガネの位置を直しながら照れたようにわらう。
「…でも、English性格変わってないよな。」
コイツは昔っからこんな感じだ。まあ、見た目は変わったけど…男だけどなぁ。
「んー?だって私は昔神様に会ったし!ほら、スミくんのおじいちゃん!」
「ゴホッゴホッ…。お、おじいちゃん?」
Englishからこの単語を聞くなんて…。なんだか嫌な予感がする。
「いやー、僕だけみんなと違うから研究には関係ないんだけどさ?
僕、幼稚園児の頃両親アメリカ人なのに英語喋れなかったじゃん。その時言われたんだよ。『英語喋れるようになりたくない?』って。」
「…なあ、English。他に何か言われなかったか?」
おじいちゃんとか、怖いんだけど…。だって、悪魔に魂売るような人だぞ?
俺の親友に何かしたんじゃ…。
「あ、そういえば!『幼馴染とか、ラブコメには絶対必要だよな!ヒャッホウ、負けヒロイン属性最高だぜー!』って言ってた!」
「……。じいちゃんっ!何言ってるの⁉︎」
待って、今なんか繋がったわ。
あれだ。みんなのところに行った悪魔って俺のおじいちゃんと魂の契約したやつだ、確実に。
と、言うことは。
みんなが学力と引き換えに交換した大切なものって、恋心のことなんじゃないか?
それで、おじいちゃんの願いを叶えるためには俺に彼女を作らないといけないと言うこと…。
つまり、この5教科の女の子(うち、一人はEnglishなので男)の誰かと俺が付き合うってことなんじゃないか⁉︎
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