第8話 アイツやべえ。

「なあ、七不思議の7つ目はなんなんだ?」

七不思議とか、学校のロマンなんだからちゃんとしたやつが一つくらい欲しいものだ。

「それはですね…。わからないんですよ。」

文庫は残念そうな顔をして答える。

「ええ、あれ?なんか全てを知ってしまった者は消えちゃうとかそういうこと?」

「えー、そんなことないと思うけど…。あ。スミくん。そう言えば理科が研究してるの、学校の七不思議なんだよ!聞きに行ってみればなんかわかるかもよ。」

Englishは行こう行こうと俺を引っ張ってくる。

でも、あの先輩のところに行くことを本能が拒絶しているんだ…!なんか、体が重い!

「Let'sGo‼︎」

俺のことはお構いなしで、Englishは俺を引っ張って歩いていく。

なんだか文庫が心配そうな顔をしてるが、見てないで助けてほしい。






理科室の前まできたが、超入りたくない。


「ヒャッホウ!コイツはいい色してんじゃねーか!あれ、BTB溶液いれちゃおー!っしゃ!アルカリ性じゃん!人体に悪いっ♪人体に悪いっ♪」


中から不穏な声が聞こえるし、なんかグツグツ音するし。



「あの、Englishさん。中から紫色の空気出てきたんですけど…。」

「あ、それは大丈夫!昨日は緑だったよ!」

多分人体に影響は無いと思うー、とかEnglishは文庫と話している。

でも、絶対悪影響だと思うんだが?本人そう言ってるし。


「あーあ、いい実験台いないかなー。ちょっと血を抜かせてもらうだけだから…。」

また中から物騒な単語が聞こえる。


「English、ちょっと、違う人に聞いた方が…。」

「御邪魔しまーす!」

「English〜ーー!?!?」

なんかこっち見てニヤニヤしてるとこを見ると、アイツ、わざとだっ!


「あ、実験d…Englishじゃん!ヤッホー。」

「すみません、間違えました!」

俺だって命は惜しいし、Englishは俺の親友だ。死なせない!

Englishの手を掴んで、理科室を出た。


「え。あ、すすっすスミくん⁉︎手、手!」

なんか、めっちゃ顔赤いけど、多分変な空気吸っただろ…。


「ほら、水やるから飲めよ。」

「え、スミくん、これって間接キス…⁉︎」

「いや、男同士なんだから普通だろ…。」


俺がそういうと、むっとした表情で水を飲み始めた。なんなんだ、コイツは。


睚眥之怨がいさいのうらみ

文庫がなんか言った。意味はわからないけどなんか怒ってるな…。

やっぱり、急にEnglishが理科室に入るから…。


てか、理科先輩怪しすぎるでしょ…こりゃ犯人にも疑われるわ…。


「ねね、もしかして七不思議の子達じゃない?よかった!実験付き合ってよ!」

ドーンと理科室の扉が開くと、理科先輩が出てきてそう言った。


多分、生きて帰れないわ。さよなら、俺の青春…。

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