第7話 学校の七不思議

「なあ、English。」

「ん?なに?」

コテンと、首をかしげるEnglish。

「なんか…変な名前のやつ多すぎない?」

今まで、この名前でどれだけ悩まされたというか…。

それは、俺たち幼馴染兼親友であるからこそ共有されてきた悩みで。

だから、高校でこんなに俺たちみたいな名前のやつがいると、違和感がすごい。


「え?あれ、スミくん学校の七不思議知らない感じ?」

「あ…たしかにスミスさんは入学2日目みたいなものですし、知らないのも無理はないかもですね。」

Englishと、文庫は思うことが一緒のようでお互いに見合わせた。


「ここは私から、お話しします。」


そういうと、文庫は口を開いた。

「この学校には七不思議がある。そのうちの6つは、生徒にまつわる話。ある六人の生徒は、学校の七不思議そのものということよ!…なんです。」


さっきまで強気だったのに、俺と目があった瞬間弱気になったな…。


「…生きる都市伝説ってわけか。」

うちの学校の七不思議面白いな。


「で、ですね。その選ばれし六人なんですが…。」

「あーね。えへへ…。」

Englishと文庫は苦笑いで見合わせた。息ぴったりだな。


「「全員、変な名前なんだ」です」


つまり、変な名前すぎてもはや七不思議、ということか。


「もしかして、その中に俺達入ってる?」

「はい!」「勿論!」


二人とも、息ぴったりでいいお返事だった。


「じゃ、もしかして残りのメンツって…。」

「はい!地歴子ウミン、サイエンス理科とあともう一人です!」

褒めて褒めてと言わんばかりに目を輝かして俺の方を見る文庫。

なんでこの娘俺の前だと緊張してるんだろ…。なに、俺のこと好きなの?


「ねね、もう一人がどんな子か、スミくんならわかるでしょ?」

なんか、クイズみたいになってしまったな。でも、もうこの法則は読めてる!


「次は、数学っぽい名前のやつだろ?」

「おおっ!その心は?」

ワクワクした表情で、文庫は俺を見てくる。


「俺以外のやつ全員、5教科の名前もじってるからな!」

渾身のドヤ顔で決めてみた。まあ、俺もケアレスミスだから、勉強系で固まってるの面白いよな。まるで、誰かが裏で操っているかのような…。


「正解!さっすがスミくんだね!」

嬉しそうに、俺を見あげてくるEnglish。…見上げる?あれ、コイツ男にしては身長女子みたいだな。


まあ、それにしてももう一つの謎が解けたかもしれない。


「な、文庫って国語が得意科目だろ?」

「は、はいっ?そうです、けど…。」

どうしてわかったんだろう、と不思議そうな顔をしているが…。


Englishは、英語がうまいし、理科先輩も絶対理科得意そうだし…。


名前の教科別に、得意教科も分かれてたんだな。

学年主席の俺が、教科別では一位を取れない理由がようやくわかった。

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