第3話 一般常識とは?

「チュウソウヤム…?」

体育の間、ずっと考えていたがなんのことだかさっぱりわからない。

なにこれ、四字熟語かなんか?でも、学年首席のこの俺が知らなくて他の奴が知ってるなんてことあるか…?いや、ないないない。ないな!!


「えっ、ウミンちゃん大丈夫?」

「痛そう…。」


教室に帰ってきた女子達がザワザワしている。

なにかと思えば、ウミンが松葉杖をついて歩いてきた…?


「あー、やっちゃったね…えへへ。」

苦笑いをするウミンが見える。なんだ、アイツ運動神経悪かったのか?


「あ、スミスくん!心配してくれてるの?」

なんだかニヤニヤしながらこっちにやってくるウミン。

まだ出会って一時間くらいなのに距離感バグってるな。


「体育で松葉杖とかどんだけ鈍臭いんだよ。」

俺は今まで勉強しかしてこなかったから、勿論女子と喋る機会もなかった。急に話しかけられて、照れてしまい、キツイ言葉が出てしまう。


「もー!私だって運動神経抜群なんだから!今回もなんとか致命傷避けられたからね!」

すごくない?と言わんばかりにドヤ顔してくるウミン。


「…致命傷?」

でも、俺の人生でニュース以外で聞いたことのない単語が出てきた。


「え、ほら!恋愛関係のもつれでよく刺されそうになるじゃん?刑法204条に規定されている傷害罪って感じかなー。」

「…マジですか、ウミンさん?」


あれ、これ一般常識?俺が勉強のしすぎで知らないだけ?


「じゃ、スミスくんも監禁されないように気をつけてねー!監禁罪の刑事罰は、3月以上7年以下の懲役だよー!」


そういうと、ウミンが友達のところに戻っていった。


「え、なにそれ怖い…。」


おじいちゃん、恋愛って怖いんですね…。


おじいちゃんの遺言を思い出しながら、そう考えた。

俺のおじいちゃんは、ウルトラスーパーモテなかったらしい。

彼女は一人もいたことは無かったし、結婚した相手は思いっきり遺産目当てだった。その女の子供は知らん男の子供だったし、それが俺のお父さんらしいし…。


で、もうこんな人生嫌だーって言って悪魔と魂の契約をしたらしい。

…急に悪魔の契約とか言われても意味わからんのだが、とにかく悪魔と契約をしたらしい。


「モテますように!」と…。

そして、悪魔は言った。「え、流石に今世じゃ無理じゃね?www」と。

で、おじいちゃんはヤケクソでこう言った。

「じゃ、もう子孫でいい!わしの子孫に彼女が出来るようにしてくれ!」

おじいちゃんは、この学校の創始者だったらしい。それで、悪魔にこの学校に入る自分の息子に彼女ができるよう願って死んだ。


ここで二つのケアレスミスをおじいちゃんはしたのだ。

一、自分の息子()はもう30代

ニ、願った。一人からだけ愛されるなんて言ってない。


つまり…!俺はモテモテになるってことだ!

ありがとう、おじいちゃん!愛してる‼︎


悪魔は、学校の七不思議を作っていったとも聞いたけど…。

あれは、まあいいか。

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