第11話 ドイツ=恋

みんなで一緒に過ごす最後の日、二度目の日曜日

いや、リサと過ごせる人生最後の日と言っていい。


みんな朝からいつもと異なる雰囲気を醸し出していた。

今日がみんな一緒に過ごせる最後の時間。

午前中は、二週間活動の舞台であり、世界中からこの町に集うきっかけとなったボランティア活動場所で記念写真や簡単な思い出巡りをした。

お昼になると、体育館に戻っていつものビールとハリボーとサンドイッチの組み合わせを腹に入れる。

食後は、仲良しの友人と買い物に出掛けたりして、夜のお疲れ様会の準備をした。


俺にとってのお疲れ様会は、全員とお疲れ様を言い合う時間も大切なものだったが、なによりどれだけリサと笑い合い、ふざけあうかが重要だった。



ドイツ南部の片田舎。

そこの体育館を暖かい夜空が見守り、涼しい風が肌をめぐる。

若者が大好きなミュージックを快適な大音量で流しながら、

仲良し組でふざけあいながら最後の非日常の時を過ごす。


俺とリサは、終始行動を共にした。

振り返りざまにほっぺたに指を突っ込むからかい。

ハリボーを口に放り投げ合う謎のゲーム。

一息つこうと椅子に座れば、すぐさま膝に乗ってくるリサ。

ヘンテコな変顔をしてただただ笑い合うひと時。

会の終盤、

日付が変わりかけた頃にリサから不意打ちで頬にキスをもらった。

とっても照れ臭かったが、とっても幸せだった。

そして気がつけば、体育館は静けさに包まれていた。

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