第3話 ラテンの魅惑

こんなにも語学が重要とは

こんなこともあろうかと数時間も早くホテルをチェックアウトした。

そう、俺は今、とんでもなく乗る電車を間違い続けている。

目的地や乗り換えを告げる車内アナウンスが全てドイツ語で、

英語がなく、かなりテンパリ中である。

途中何度も駅員に目的地を示し、乗る電車を修正した。

そしてようやく着いた。目的の駅に。

だが最後にまた失敗した。バスで降りる駅を間違えたのだ。

終点で別のバスに乗り換え、再度来た道を戻り、運転手さんにここだと言われて降りた。そいして着いた。死ぬ思いだった。

目的地は、片田舎の中央体育館で、集合時間は12時。

本当なら10時に到着もありえた出発時間だったが、実際は、11時50分。

ある意味素晴らしい到着時間だった。


エマ「ようこそ、颯。ここまで無事にたどり着けてよかったわ。」

ハンナ「まだ5人ほど到着してないわ笑」

颯「リーダーの方々、初めまして、今日から二週間よろしくお願いします」

エマ「ええ、こちらこそよろしくね。会えて嬉しいわ。私が現地リーダーで、ハンナが副リーダー、何かあればいつでも声をかけてね」

ハンナ「遠慮は全くいらないからね。荷物は中に入って好きなところに置いといてね。みんなが集まったら、また置き場所を話し合って決めましょう。」

颯「はい!ではまた後で」


現地リーダーが二人とも女性とは、思いもしなかった。

そしてとっても綺麗だ。瞳が美しいブラウンでまるでひまわりだった。

歯も真っ白で清潔感ありまくりだ。

大学三年生かな?


そんなことを思い体育館の中に入るともう10人くらいの大学生がいた。

一目でわかった。日本人はいない。

アジア系は、いたが日本ではない。


シュファ「あら、日本人?」

颯「うん、そうだよ。どこから?」

シュファ「台湾人よ。今日からよろしくね。」

颯「うん、よろしくね。お手洗いってどこに?」

シュファ「あ、こっちこっち」

颯「あ、ここね。ありがと!」


トイレを済ませて荷物を簡単に整理しているといつの間にか全員集まったようで、エマとハンナが集まってと声を出していた。

急いで準備を済ませて入り口へと向かう。


そして僕は、息を飲んだ。

なんて魅力的な人なんだ。

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