第8章
翌日、僕は数学のテキストの前に座っていた。数学の課題が終わらない。僕はやる気になれず、1学期の成績表を眺めていた。明らかに数学が低い。まあ他が高いわけではないが。
僕はこの表を眺めていて違和感に気づいた。1年14組3番。何かすごく違和感に気がついた。
確かに僕は入学式の日、前から2番目の席に座った。しかし朝見たリアルすぎる夢…あの時は僕の席には浅沼が座っていた。もちろん授業中も僕の前は浅沼だった。しかしうちのクラスの1番は青木だったはずだ。入学式の日の朝、前の席から後ろを向いて声をかけてきたのも…青木だ。
浅沼は…?
僕はものすごく混乱していた。どれが現実なのかわからなくなった。これがパラレルワールドなのか…?
僕はスマホのトーク履歴を確認した。1番上には浅沼、その下には青木がいた。2人とも存在している…。
僕は浅沼に連絡した。そして今から会う約束をした。本人に確認したくなったのだ。浅沼は一体何者なのか。僕の心の中はその感情に埋め尽くされていた。
それと同時に入学式の日の朝見た夢で、僕の席に座っていた女の子の正体を知りたいと学校まで走った、あの日のことを思い出した。
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