第2章
キーンコーンカーンコーン
僕はチャイムの音で目を覚ました。周りには同じような服を身に纏う知らない人たち。僕の目にはそう映る。前の席に座っている奴が声をかけてきた。
「俺、
無愛想な奴だと思った。まあ僕も同じようなものなのかもしれない。教壇には担任と思わしき若い男の先生が立っていた。
「このクラスの担任をします、
緊張からか声がうわずっていた。初めてクラスを持ったのだろうか。その先生の合図で生徒たちは体育館へと向かう。僕の嫌いな時間が始まるようだ。
「新入生の入場です」
全員が順番に入り、綺麗に並べられた椅子に座る。僕のクラスが呼ばれるのは最後だ。
僕は彼女のことを考える。やはり夢だったのだろうか。しかしそれにしてはリアルだった。教室の場所、机の位置、カーテンの色までもが一致している。
僕はなぜか彼女を見たことがあるような気がした。あの艶のある黒髪、あの姿勢の良さ、そして彼女が手に持つ本―
彼女が座っていた席を思い出す。1番窓側の前から2番目―そう、僕の席だ。何かがおかしい。そう思ったとき僕は自分の意識が遠のいていくのを感じた。
ドサッ
僕はその場に倒れた。
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