第24話

「君は何者なんだ!?」という質問に対し、僕ではなく彼がこう答えたからだ。それは予想もしていなかった名前だったこともあり、余計に混乱する羽目になったわけだけど、それを説明する前にまずは今の状況を整理してみようと考えたわけなのである。なぜならそうしなければ話が一向に進まなさそうだったからである――。

【注意】

1.本シナリオは、神話生物および呪文への独自の解釈を含みます。ご了承ください。

2.動画投稿・リプレイ小説や配信などに使用される場合は必ずシナリオ製作者のTwitterアカウントか、シナリオ概要欄などに使用目的を記載してください。また、ネタバレを含む内容となりますので、読む方はその点留意の上でご覧下さい。

3.この物語はフィクションです。実在する人物、団体、地名、施設等には一切関係ありません。

4.特定の個人、集団、思想等を誹謗中傷する目的は一切ありません。

5.公序良俗に反する目的で本シナリオを利用することは固く禁じております。

6.この物語は、「Chaosium Project」の二次創作物となります。

7.当シナリオの利用に際して生じたあらゆる損害について、当方は一切責任を負いません。

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【目次】

1章:あらすじ/はじめに

2章:NPCデータ

3章:導入/目覚め

4章:悪夢の中の夢/探索開始~1日目終了時

5章:夢の出口~エンディング

(以下ネタバレ)

◆プロローグ『あの日の記憶』

ある日あなたは、ある人の死を見届ける事になる。その人の名前は……探索者自身だった。そう。その人の死因は自殺であったのだ……。そしてあなたは、その光景を見続ける事となるのだった……。

●描写例:死……あなたの脳裏に、今まで体験した事のない感覚が過った。

◆第一節『あの夏の日の幻視』……ふと気づくと、あなたは白い部屋に立っていた。壁も床も白く塗りつぶされた部屋で、窓もない、ただ白いだけの部屋だ。そして、あなたがいる所を中心に、赤い液体が広がっていた。

「あーあ、もう飽きちゃったな。なんか違うことでもして遊ぶ?」

突然、背後から声が聞こえる。それは幼い少女の声だが、妙に機械的でもあった。後ろを振り向くと、そこにはあなたそっくりの少女が立っている。ただしその少女は血塗れであり、その手には包丁のような刃物を持っていた。そして……あなたを睨みつけているかのように見えたが、その瞳に光は灯っていなかった。SANc 0/1d3 少女「何してんのさ?早く行こうよ」

そういうと少女は部屋の奥に消えていく。その後を追おうと足を一歩踏み出した瞬間、世界が闇に包まれた……。

*ここで目を覚ます *二日目以降は上記に加え以下の文を追加する。

また、初日はKP側から探索者へ「今日は何の日だったか」を聞く事。もし返答がなければ適当な日付を設定する。

*三日目の夕方以降に上記の質問をすれば、回答が得られる。ただし「昨日が誕生日」と答えた場合にはSANチェックが入るため、注意が必要である。

→失敗→何もわからない恐怖でSANc 1d3/1d6 成功→その質問に答えると、自分は四年前に死んでいる事を悟る。SANc 1d3+1/1d10※ここからは自由行動 探索場所としては以下のようなものがある。

(1)図書館(PCが知っているものならば提示)

(2)自宅

(3)学校(PLの宣言によって変更あり)

(4)街中の雑踏

(5)公園

(6)河川敷 《図書館》……本棚には様々な本が入っているが、ジャンル分けされている様子もない為、探し物をするにはかなり時間がかかりそうである。また調べられる場所は限られているので、手当たり次第に探す必要があるだろう。

(知識ロール)……<目星>に成功する事で好きな本が見つかるかもしれない。失敗する度に時間経過が発生するが、同じ箇所を調べる際には技能値を-20しても問題ない。

なお、本を調べた結果については、得られる情報がバラバラである事が予想される。例えば「世界地図」を調べた際には、日本から見た海外の様子と、アメリカから見た日本の様子が分かるかもしれない。あるいは「歴史」について調べるなら、世界の偉人や事件について知る事ができるかもしれない。ただし全ての情報を得た後にもう一度技能ロールが必要であり、失敗する毎に制限時間が減るものとする。

また、<オカルト>や<考古学>等の調査技能でも情報は取得可能である。その場合、指定した分野の本を見つける為に+30した値の技能判定に成功しなければならない。

■「死者からのメッセージ」(2回目以降は省略可)

「私は死んだ、だから今ここにいるのは、私じゃない誰かなんじゃないかなって思うんだ。だって私が死んだのは六年前の話だよ?それなのに、今の私と同い年くらいになって、友達になってくれて、遊んでくれるんだよ?」

「それに、今日がどんな日かなんてどうでも良いじゃない?こうしてみんなで遊べてるんだもん。ね?」

(心理学:嘘ではないが本当でもない気がする)

「あ!ねぇ見て!あそこに大きな木があるよ!あそこに行ってみようよ!」

「わぁ、すごい!空まで届きそうな高さ!きっとみんなここに登れば会えるよね!」

そう言うと少女は木の幹を駆け上がっていく。しかし途中、枝で手を引っ掛けてしまったのか転んでしまったようだ。

*助けに行く あなたは咄嗟に駆け出すと、少女を助け起こす。どうやら怪我はなさそうだ。

「ありがとう!」

*放っておく しばらくすると、少女は何事もなかったかのように戻ってくる。

「楽しかった!また明日も遊べるかなぁ?」

そう笑顔で話しかけてくる。

(RPがあればここでさせてもよい)

☆イベント一覧表

・探索場所に『病院』『商店街』『学校』を追加

・探索箇所『自宅』を削除し、探索場所をランダムに変更

・一日目で探索できる場所を二か所に減らす

(KP裁量で増減させる事も可とする)

◆第二節『悪夢の始まり』……再び視界が闇に閉ざされる。そして次に目を開けた時、あなたの目の前に広がっていたのは見覚えのない光景だった。辺りを見渡すと、どこか広い部屋の中だということが分かる。天井は高いようだが、薄暗いせいもあって部屋の全貌を把握する事はできなかった。そして、その部屋の真ん中には大きな円卓が置かれているのが分かる。その上には燭台が置かれており、火が灯っていたのだが、炎は既に消えていたようで、部屋は薄暗くなっていた。部屋の隅にある棚や、壁や床には赤い液体が飛び散っており、それが血である事にあなたは気づくだろう……SANc 0/1d3そしてあなたは気がつく。先程まで共にいたはずの人物がいないという事に……

※KP向け情報 この部屋では少女が探索中に受けた精神的苦痛を体験する事になる。具体的には、幻覚や幻聴、頭痛等である。この症状が出た際にPOW対抗を行う必要はない。これは少女の肉体が感じている苦痛だからだ。少女はこの部屋にはいないが、隣の部屋でこの光景を眺めているはずである。

【目次】

2章:目覚め

3章:脱出

4章:戦闘 4章以降について シナリオ解説 【目次】

1P…….シナリオ背景について 2P…….シナリオ本文について 3P…….シナリオの進行手順について

4P…….シナリオチャートについて 5P…….アイテムリスト 6P…….シナリオ補足説明 7P…….付録:参考書籍について 8P…….参考文献 9P…….クリア報酬について 10P.最後に

11.その他

12.シナリオ利用規約

13.Q&A

14.更新履歴

15.おわりに

16.後書き(敬称略)

2ページ..真相 21ページ..NPCデータ 3ページ..NPC作成方法 4ページ..NPC立ち絵テンプレート 5ページ..NPC動作サンプル 22ページ..テストプレイ報告会レポート 7ページ..ネタバレ注意 8ページ..資料画像

9.裏設定

10.関連動画 17ページ……シナリオ背景について ******シナリオ概要****

***

まず最初に、このシナリオを読んでくれたあなたに謝罪しなければならない事がある……それは「タイトルの読み間違い」だ。正確には「きぼうのみこもり」と読むのが正しい読み方なのだ(笑)つまり、探索者は夢の世界に囚われた犠牲者という事になるのである。

******あらすじ***

***

舞台は探索者が暮らす街「夏海市」だ。ある日探索者は偶然にも、街の図書館にある一冊の奇妙な本を見つけてしまう。そして興味を持った探索者は「夏海市の七不思議」という記事を発見する事になるのだ。そこには「夏の夜空の下で見る花火」や「夜になると聞こえてくる笛の音」など、噂程度の話ではあるが不思議な現象の目撃証言が多数書かれていた。そしてその中には探索者の友人、新藤真白の名があったのだ……

それから数日後の夜の事、探索者がいつものように寝ようとしていると、急に強烈な眠気に襲われて意識を失ってしまう。そして気がついた時には見知らぬ部屋に立っていたのだ。さらにその部屋にいた人物こそが今回の主人公であり、そしてもう一人の登場人物でもある、あの少女の幽霊だったのだ。

******

***

ここから先はプレイヤーに見せる部分になります。その為ゲームブックとして読んでください。

******PL情報** *KP情報* →次の頁からKP用情報になります。

■PLへの事前情報 【KP情報】

この物語は探索者自身の記憶を辿る物語である。よって登場する場所は全て実在する場所だが、地名に関しては現実の地名とは異なっている可能性がある事を説明する事。また、神話生物、アーティファクトについては基本的に記載しない事を伝える事。

また、マップ等は別ページにて公開する為、そちらを参照する事を伝えておく事。

***

***

*シナリオ進行について このシナリオは基本的に一本道なので、特に難しくはないと思います。しかし途中で分岐点があるので、その点だけ注意してください。

******導入*

***

【1日目(導入終了後、すぐに1日目の探索パートが始まるので要注意)】

***

***

その日も貴方はいつも通りに目を覚ましたはずだ。窓から差し込む陽の光を浴びながら、伸びをすることだろう。ふと時計を見ると、まだ朝の8時半であった(スマホを見るなら9時と表記されている)

******探索開始前(2日目の描写は後述)

***


***

*図書館orコンピューター(図書館ロールに成功した場合、「都市伝説」の項目を調べていた事にして下さい)* 【図書館成功時の追加情報】

以下の文章を見つける事ができるだろう ●「悪夢の中の悪夢」という怪談が書いてある本を見つけた(図書館ロールに失敗した場合は再度ロールしてもらう事)

・内容:ある男性が「自分が死んだ」と思い込み自殺を図るが失敗に終わる 男性は死の直前、「暗い部屋の中にいた」と言うが、周囲の人間はそれを信じない しかしその日から男性の周りで奇妙な出来事が起こり始める ある者は階段から落ち、別の者は謎の病にかかったり、またあるものは突然行方不明になったりした そんな最中、とある男が交通事故により死亡したが、その男は何故か死亡しておらず、事故にあった男の記憶を持っていたというのだ それ以降、似たような事例が続出しているらしく、「これは本当に自分の死に際なのだろうか?」と思う者が増え始めたのだという

「もし自分が死んでいるとしたら、これからどうすればいいのか」と考えた者たちは、死を受け入れるために、「自分は死んだ」と口にするようになったらしい *アイデアorオカルト→その本の内容を聞いてからアイディアに成功すると、この本の内容が『まるで呪いのような力だな』と感じる事だろう またこの内容をどこかで聞いた覚えがあるような気がする

(ここで思い出す事はないので、これ以上調べても時間だけが過ぎていくだけだという事を教える事)

*KPメモ→この後から各部屋を移動するたびに、必ず少女の姿が見えるようになっている。この時点でのSANcはない。ただ少女は毎回同じ場所でじっとしているだけで何かアクションを起こすわけでもない。

*もし探索者たちが『少女が見えていて当然ではないか?』と思っているようなら、少女が見えるかどうかを確認するためのイベントを入れてもいいかもしれない。ただしその確認の方法は事前に聞いておく事

(少女の姿が見えないと言われた場合は、探索者が少女の存在を忘れているような描写を入れるといいかもしれない)

******イベント集(例文)*

(少女がいる事が前提のイベントばかりなので注意する事)

1食事(空腹感を覚える描写を入れる事)

2探索(イベント1と同じです)

3寝る(SAN値減少があります)

4少女との会話(内容は何でも良いが、探索者が少女に質問をすればそれに答える形でRPを行う)

5風呂に入る(探索者は少女の存在を忘れているので、服を脱ぐ事が出来ます)

6着替える(これも探索者が女性の場合はスカートになるなど、少し変えると良いかもしれません)

7ベッドの中(一緒に寝る事ができます)

◆第一節『夢の世界へ……』……あなたは深い眠りにつくことになる(ここで睡眠を取らなければ、以降のシーンでは技能に-10%の補正をかけること)。しかしあなたの意識は再び覚醒することになる。あなたはベッドの上で眠っていたはずだったのだが、いつの間にかその床が無くなっていたのだ。そして気がつくとあなたは、何もない暗闇の中をゆっくりと落ちていた……。そして不意に視界が開けると、あなたはその目に飛び込んできた光景に驚く事になる。そこはどこかの一室のようで、あなたはそこに横たわっていた。だが問題はそこではない……なんと部屋の天井には無数の死体が吊られているのである!そしてあなたのすぐ隣にも誰かが横たわっており、あなたの隣で同じように天井を見ている事だろう……それはあなたの知っている顔だった……そう……それは紛れもなく新藤真白の姿だった!SANc 0/1d3

・部屋の様子その部屋を見渡す限り、天井以外は一面壁に覆われているようだ。その壁に吊るされた数多くの人の死体を見て、ここが異常な空間であるという事だけは理解できるだろう(SANc 0/1d3)。なお、真白以外に人の気配はなく、部屋にあるのはあなた自身と真白だけであるようだ。

・真白の様子真白自身は驚いた様子ではあるが、恐怖を感じているわけではないようだ。真白自身もこの状況に驚いているようではあるものの、特に怖がっている様子はないようだ。真白に話しかけても返事はなく、真白からの返答もないようだ。ただ呆然と宙を見上げており、その瞳には生気を感じられなかった……

******KP情報(探索箇所)* *部屋全体<目星>成功orクリティカルで一枚の紙を発見する事ができる。以下内容

「この部屋から出る事は出来ない ここに入った瞬間から君たちはもう夢の中なのだから……」

*天井<目星>or上を見る等の宣言があった場合に発生させて下さい ******KP情報終了* *机<目星>or机の上に何かあるか確認すると言った場合 *机の引き出しの中に一冊のノートを発見する。そこには次のような内容が書いてあった。

【内容抜粋】

最近おかしな夢を見る……夢の内容はいつも決まっており、夢の中では必ずあの少女と遭遇する。少女はいつも私の近くにいる。最初はそれが当たり前だと思っていたけれど、最近はなんだかおかしい気がするのだ。私は夢の事を覚えていないはずなのに、夢の中にいる間はずっとあの少女の事を考えているような気がしてならないのだ……そんな毎日を送っているうちに段々と、夢の中の記憶が鮮明になっている事に気が付いたのだ……そして夢で見たものを少しずつ思い出せるようになったのだ……例えば、あの子は私以外の誰にも見えないようだったり、あるいは他の人間には見えないはずのものまで見えていたりしたのだ……そして極めつけは、その夢を見た翌日は必ずと言ってよいほど体調を崩しているのだ……しかもそれは日に日に悪化しているように思う……一体あの夢の先に何があるのか……

【KP情報】

このシナリオに登場する真白は本物ではなく、あくまでNPCの偽物である。そのため、このシナリオ中は心理学を振っても真白が何を考えているのか理解することは出来ないし、どんな行動をとるにしても探索者の行動に同調して行動する。その為、探索者に真白の好感度を上げてもらうように誘導すること。なお、シナリオ開始前に真白の好感度を上げていない場合は強制的に上げて貰う必要があるので注意する事。また、もし探索者が真白に危害を加えようとするなら全力で止めに入り、説得ロールを成功させなければならない。ちなみに、探索者が眠っている間に何かをしても特に問題はない(基本的に探索者の望む通りに協力してくれる為)ので、あまり警戒する必要はないだろう(好感度を上げた後に何らかの要因によって探索者を裏切る事はあるが、これはこのシナリオに関係ない為割愛させてもらう)

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