第7話
と、そんな中突然誰かが私の肩を叩いてきたので何事かと思ってそちらの方を見てみるとそこにいたのはリーダーを務めるあの冒険者の男であった!(……あ、貴方は一体どちら様でしょうか?それにいつの間にこの場に現れたのでしょうか……? もしかして私のことを驚かそうとしたりなんかしたりしてます……?だとしたら全然上手くいっていないですよ〜……?何せ今貴方の方がよっぽど驚いているように見えますから……うん。)そう考えながら相手のことを観察していたのだがどうやらそうではないみたいで、何やら伝えたいことがあるとのことだったので早速その内容を聞いてみようとしたところ、彼が口にした言葉がまさに今の私が一番求めていた内容だったのである!つまり彼はこう言ったのだ!『俺は一度見たものならば何でも再現することができるスキルを持っているんだ!』と!……それを聞いた私は最初その言葉を素直に信じられなかったが、よくよく考えてみたらそれも当然のことだった!なぜなら彼の話が本当だとすれば、あの時の戦いで私が苦戦を強いられていたのは全て彼の掌の上で踊らされていたに過ぎないということに繋がってしまうからである……!なので正直信じたくはない気持ちで一杯だったのだが一応事実確認のため彼に直接聞いてもらうためにその時の様子をもう一度最初から見てもらうことにして検証してみることになったのだ! すると驚くべきことが次々と発覚していき、なんと彼はあの時の戦いの中で起きた全ての出来事を完全に記憶していた上に、その場にいた者の声や武器が放つ音なども正確に再現することができてしまったのだ!またそれに加えてその時の状況を事細かに説明することができるだけではなく、他にも様々な情報を引き出すことに成功していたのである!!しかもそれだけではなくその知識量は尋常ではない量になっていて恐らく女神様が与えた特別なスキルのおかげなのだろうと結論づける他なかったのであった……!……こうして、この日を境に私たちの関係は劇的に変化していくことになるのだが、それについては後々詳しく説明していくことにするとしてここではひとまず話を先に進めることにしようと思う! その後私たちは互いの持っている情報を共有した上でそれぞれの立場を明確にすることにし、その結果『勇者パーティ』はそのままにしておくことに決まった上でそれ以外の仲間たちについては解散するということが決まったのである!理由は簡単で彼らはあくまでも女神様の計らいによって選ばれた人材であって私たちの仲間ではなかったからだ!なので今後も共に行動するのは自由だとのことだったのだが、もし私たちと共に行動したい場合はそれなりの覚悟をするようにと言われてしまったのである!何故ならそれは私たちを害しようとする者に対しては容赦なく攻撃することを容認することと同意であったので当然彼らの答えは決まっていた。それから今後の方針が決まったところで早速各自のやるべきことを決めていくことになりそれぞれが自身の役割を果たす為にこの場を後にした後、残された私と男は今後どうしていくかについての話し合いを行ったのである!その際に判明したことなのだがこの男は意外にも料理の腕が非常に高かったことが判明してしかもお菓子作りまでできることが分かったため、それを使って是非とも協力して欲しいことがあると言われたことで私も快くその話を受けることにしたのだった!ちなみにその際はお互いに敬語を止めて普段通りの口調で話すこととなったわけだが……その理由を尋ねたところ、「いやぁ〜実は俺も堅苦しいのが苦手でね!だからお互い仲良くやっていこうってことでこれからはこんな感じでいこうと思ってるんだがどうだろう?……って、おい!!そんな嫌そうな顔するなよ!?確かに急に口調を変えられたら驚くかもしれんがな……?だがしかし、それが俺の素だしこれが本来の俺なんだ……!それで、改めてになるがこれからよろしく頼むよッ!!」と言ってくれたお陰で私はすぐに打ち解けることができたという訳だ。
---
そうして現在に戻るわけであるが、とりあえず現状について整理してみようと思っているところだ。まぁとは言っても私の中では既に決まっていることではあるのだがそれでも一応確認の為にも振り返ってみることとする!まず始めに、私たちはそれぞれ自分の得意な分野を担当することに決めた訳で、その振り分けはこのような形となっていた!
-主人公- ↓ 〈魔王〉担当:男
(※勇者を補佐する)
← 《魔法・魔術》 《戦闘》 -その他- ← 《家事全般》 -女神陣営+魔族陣営--
→
《食料調達》 :ベルゼブブ(→):女神様 ---……以上のような構成になっているのだが、これについては単に適材適所だと考えてのことでもあるがそれ以上に私にはある一つの考えが頭に浮かんだことからこうすることになったわけである!それはズバリ『この力をうまく利用すればきっといつかあの女神様のところまで辿り着けるかもしれない……』といったもので、その為にもまずは『女神の使徒』としての実績を積んでおかなければならないと考えており、それと同時にこの世界における地位を確立しておけばもしもの時に役立つだろうと考えた末にこういった結果に行き着いたわけなのである。……さて、そろそろ話の続きに戻ろうと思うのだが、次に私たちが行う予定の計画について簡単に説明しておこう!まずは最初に言った『食料調達係』の仕事についてなのだがこれは単純に各地に赴き食料の確保を行うという非常に簡単なものであり、その方法はいたってシンプルで魔物を倒すことによってドロップした食材を片っ端から回収するといったものである! そしてこれと同時に行うこととなっているもう一つの仕事である『偵察係』というのはその名の通り周囲の様子を確認しに行くだけの単純な仕事でしかなく、ただ単純に他の勢力の動きなどを調べるだけなので特に何か危険なことが起こるといったこともなければ、それほど難しいことでもないといった具合なので基本的には楽なものとなるだろう! ちなみに、『偵察係』についてはリーダーである男がその役を引き受けてくれたおかげで私が自由に動けるように取り計らってくれたおかげもあり本当に助かったという感じなのだ……!それに彼はとても気さくな性格の持ち主であり一緒に仕事をしてみると分かることだが人付き合いも良く社交性もあるようでまさに理想の上司といった感じの人物だったこともあって、私はすっかり彼のことが好きになってしまったというわけなのだ……♪ -男目線-
(……はぁ、それにしてもまさかこんなに美人なおねぇさんと旅ができるなんて夢のようだなぁ〜!今までの人生にこんなことが起きるだなんて思いもしなかったぞぉ〜っ!あぁ、もういっそのこと今すぐここで押し倒したいぐらいなんだが……
さすがにそれをやってしまうと命に関わるからやめておこう……。それよりも今は彼女のことに集中しようではないか!!何せこんな絶世の美女と二人きりになれることなんてそうそうあることではないんだからな……!!)……と、このように私に対する態度や反応を見ていると彼も私のことを少なからず好いてくれていたようだ!いや、それどころかもしかしたらそれ以上かもしれない……と、そんなふうに思えるほど私の目には彼が恋焦がれている様子が手に取るように伝わってきていたのだから間違いないであろう!だからこそ私は彼の為であればどんなことでもしてあげたいと思い始めていたのである!!(ふふふっ♪ こんなにも私を想ってくれる人がいるなんて本当に幸せですねぇ〜♪)
というわけで、ここからは私が彼をどのように手懐けていくのかを考えてみたいと思います……!では早速最初のターゲットを決めたいと思いますので皆様方どうぞ最後までお付き合いの程よろしくお願い致します!それでは早速、『主人公の心を掴む方法とは一体何なのか!?』という議題について議論していきたいところなんですが果たして皆さんの意見はいかがなものか……? -意見発表- 1、【とにかく優しく接する】
2、【褒めまくる!そして隙を見て口説く!そうすればイチコロ間違いなし!!!】
3、【とにかく焦らせまくって自分からおねだりさせろッ!!!!(鬼畜)】
4、【取り敢えず既成事実を作ってしまえばいいと思うよ?】
5、【そのまま一気に押し倒せばこっちのもんだ!!!!!!】
「……え?えっと、すみません!少し聞きたいんですけど、これって結局何を決める会議なんですかぁ〜?」
そう尋ねてみたのだが誰も答えてくれなかった!というか皆んな一斉に目を逸らしたのだが一体どういうことなのだろうか……。
まぁ、分からないことは仕方がないということでここは諦めて本題の方を進めていくことにしようかと思いますがいかがでしょうか?ちなみに今回の議題に関してですが、
・とにかく褒めまくればいい……3票
・とにかく攻め続けろ……4票
・焦らしプレイで落とせ……2票 と、いうような内容でしたので今回は5番の『攻め続ける』ということを念頭に置きつつ話を進めていきたいと思うので、その点についてもどうかご理解の方をよろしくお願いします……!……よし、これでやっと話の方向性が見えてきた感じになったところで早速始めていきたいと思うのですが宜しいでしょうか?……うん。
じゃあそういうことなんで始めさせてもらいますね〜♪………………………………ん??ちょっと待ってくださいよぉ〜!まだ準備が全然終わってないんですよねぇ〜?!だから少しだけ待ってもらえるとありがたいんですけれどもぉ〜……あっ!もしかして待たせ過ぎて怒ってるんですかぁ〜!?だったらごめんなさい!!ちゃんと真面目にやりますので許してくださいぃぃぃ〜!!!……っと、危ない危ない危うく忘れてしまうところだったよ……あはは……☆……あ〜、はい。
そ、そんなわけで改めましてこれより会議を再開しますんでよろしくお願いします……ッ!!……で、ではまず初めに今回話し合いたいことについてなんですが、それはズバリ!!主人公ちゃんの攻略法についての作戦を話し合う場にしたいと考えているんですが、どうだろうか……?
-反対意見- :特になし -全員一致にて可決-……えっ!?ちょっ、待っ、今の流れはどう考えても『待った!!』って流れだったような気がするんだが気のせいか?……まぁいっか、別に気にしてても仕方なさそうだしな!だからこの話はここまでにして話を戻させてもらうことにするとして、 先ほども言ったように私はこの会議の議題に対して既に一つ決めていたものがあったのだ!その内容については次のようになる!……つまり結論から言うと私は最初から彼女にデレさせる気満々でいたのだが何故かその思惑に気がついている者は誰一人いなかったためそのことに驚いたというのが率直な感想である。しかしよくよく考えてみればそれも当たり前のことなのかもしれないと思った私は、 それならばどうやってそのことを証明していこうかと悩んだ末に考え付いた答えがこれだ!! -主人公視点-
「ふぅ〜、何とか食料調達の仕事を終えて帰って来ることができましたね。……まぁ正直なところ、そこまで大変な仕事ではなかったんですけどね♪」
などと独り言を呟きつつも、無事に拠点に戻ってこれたことを素直に喜んでいる私は早速、今日の成果をみんなに報告することにした。ちなみにだが、私たちの食料は倒した敵から得られるものが大半を占めていたのだが、その中には稀にではあるがレアアイテムなども紛れ込んでいたりすることがあったためにそういったものはしっかりと全て回収して保管していたのだった!そのため今日はいつもよりも多くの食材を手に入れることができた上にドロップした食材の中でも最高級ランクのものを手に入れたことで嬉しさも一入だったのである!なので私としてはこの調子でどんどん仲間を増やしていければいずれは私の望みであるあの計画を実行することも可能になるかもしれないと考えていたところでちょうど良く仲間たちが集まってきたようである。
そこで早速みんなの様子を確認すると何やら難しい顔をしており何やら神妙な面持ちで話し合っている様子だったので私も参加してみることにした。
「何かあったのですか?」と尋ねてみると、どうやら彼らはこれからについて悩んでいる様子だったので話を聞いてみることにした!すると彼ら曰く『今後の方針について相談していたのだ』ということだったのだが、 それに対して私は思ったままに正直な気持ちを伝えてみた!すると、それを聞いた仲間たちはお互いに顔を見合わせた後、まるで示し合わせたかのように揃って私に話しかけてきたのである!
「……ねぇ、ちょっといいかな……?」と、まずは女剣士ちゃんの方から声をかけてきた。そして、そんな彼女の言葉に続いて今度は武闘家ちゃんが口を開いた。その二人は共に同じ村出身で仲が良かったらしく昔からずっと一緒にいたそうだ。そして今では二人とも冒険者として活動しているそうなのだが実はそれ以外にも別の仕事をしておりその関係で二人一緒に行動をしているとのことだったのだ。……なので最初はその仕事の話をしていたのだが途中からは自分たちの昔話ばかりをするようになってしまっていたことから私は二人が私のことを信頼してくれているのだと改めて感じたのだった! そうして二人の話を聞いていたところで今度は魔女さんが会話に入ってきた。彼女は私とあまり変わらないくらいの年齢の女性で、元々はとある町で暮らしていたそうなのだがある日突然勇者によって無理矢理連れ去られてしまったという経歴の持ち主であることが分かった!ちなみに彼女が言うにはその時の光景はまるで悪夢のような光景だったらしいとのことで今でもはっきりと覚えているほどの恐怖を感じたと言っていたのだが、それに関しては私にも身に覚えがあったので同情することができた……。しかもその後の出来事がより彼女を怯えさせていたようだったのでその理由を尋ねるとなんと勇者たちは町の人たちに一切手を出すことなく彼女だけを連れ去ったと言うではないか!さらにその後も奴隷のように扱うでもなく大切に扱っていたそうなのでますます疑問に思うことが増えていく一方だったがそれでも一つだけ確かなことは、彼らの態度からして本気で私のことを愛そうとしていたことである……。……だが、それと同時にそんな愛情を注がれ続けた私の心境は徐々に変わっていってしまった。……何故、こんなにも私を大切にしてくれるのだろうか……?と、そう考えるようになった頃にはすでに私は彼のことが好きになってしまっており、自分でも気が付かないうちに彼らに依存に近い形で執着するようになっていったのである……!だからこそ私は彼らが望むのであればどんなことでもしてあげたいと思うようになっていたのである!!(……だって、あの時の私には何もなかったのだから……。でも今は違う……今の私には守るべき大切な仲間がいるのだからきっと何だってできるはずだわ……!!)
そう思いながら自身の拳を強く握りしめるとともに決意を固めると、それを見た仲間たちが一斉に私の方を見つめてきた。……その視線からは強い意志のようなものが感じられたので私もそれに負けないように強く見つめ返すことにしてから最後にこう言った!「……分かりました。それではこれから私たちの目的は魔王様を倒すことに変わりはありませんが、その上で今後はより多くの人助けをしていくことにしましょう!」……と、私がそう言うと皆んなの表情が一瞬にして笑顔になったかと思えば全員がその場で拍手をしながら喜び始めた!そしてそれが落ち着いた頃に今度は武闘家ちゃんが口を開いた。ちなみに彼女もまた過去に酷い経験をしていたそうでそれを克服するためにこうして冒険者となったらしいのだが、やはり当時のことは忘れられずに未だに苦しんでいたらしい……。
それを聞いて私も辛い気持ちになってしまったのだが、すぐに気を取り直すと皆んなに向かって話しかけた!「……ですが皆さんの話を聞く限りですと恐らくこれから先の戦いはもっと激しいものになるでしょうし油断をしている暇など全くないでしょう。だからこそ私たちは常に万全な状態で戦えるようにしておかなければなりません!そのためにはまずしっかりとした休養をとる必要があると思うのですがどうですか?……」と、そう伝えると彼女たちは少し考えるような仕草をした後でお互いの顔を見合って何かを確認するかのように頷くとそのまま私の方を見てきたので、それについて尋ねてみたところ「もちろん休むことには賛成だけどその前に先に一つお願いがあるんだけどいいかしら?」と、そう言われたので何だろうかと思いつつも承諾した。……だがしかし、その次に彼女たちの口から出てきた言葉を聞いた瞬間に私の体に衝撃が走った……!なぜならその内容とはこうだった……。
-主人公を皆で力を合わせて犯す!!-
(次回へ続く)…………はい??い、いや、ちょっと待って欲しいんだけれども一体何を言っているんですかぁ〜?!そ、そもそも何でそんな話が出てくるのかと言いたいんですがそれって普通にセクハラだと思うんですよね!?(←急に素に戻る主人公)……ってなわけでですね!そういう話はもう少し場所を選んでから言ってもらいたいんですがどうでしょうか……?……えっ?『なら今ここでやれば問題ないだろう』ですって?……いやいや!そう言う問題じゃないでしょぉ!!確かにそれもそうですけどそれはまた別の話でしてぇ〜……っと!あ、あれれぇぇ〜っ!?ど、どうして逃げるんですかぁぁ〜〜!!! 【前回のあらすじ】
:主人公、拠点へと帰還を果たすも仲間に誘われてしまうのであった……!
:その後、仲間の話を聞き入れることになった主人公は早速話し合いを始めることにしたが何故か話の流れがおかしくなり始めてしまい……?! ------
〜少し前〜
「さて、それじゃさっそく本題に入りましょうか♪」と言って話を仕切り始めたのは女僧侶さんでした!そしてそれに続くように魔法使いちゃんと武闘家ちゃんが次々に話し始めたのですがその話というのがあまりにも突拍子もない内容だったものでしたので、思わず面食らってしまった私は一瞬の間だけ言葉を失ってしまったもののすぐに我に返ることができたのでひとまずホッと胸を撫で下ろすことができたのであった……。
というのも、どうやら皆んなは私に内緒でこっそりと今後について考えていたらしくその内容がまさに先ほどの会話の内容であるということを聞いた瞬間、私は心の中で密かに感動を覚えていた。……何故なら私はいつも皆んなから頼られてばかりだったのでまさかこんな風に思われる時が来るとは思っていなかったからである。そのため私は、そんな仲間たちのことを心の底から誇りに思うと同時により一層頑張ろうという気持ちになれたのである……! --しかし、この時の私はまだ気が付いていなかった……。自分が想像していた以上にとんでもない状況になっているということに……! --
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。