第4話 その頃のマートン 1
パパに言い付けてファイの野郎を追放の刑に処してやったぞ。これでニアは僕のものだ。昔から顔の良い女だとは思っていたが、あんな体に成長してくれるとは思わなかった。
パパによればニアの両親も、僕と彼女の婚約に賛成してくれたらしい。これでもう既にニアは僕の腕のなかにあるも同然だ。そもそもニアの両親からすれば、婚約を断る理由がない。僕と彼女が結婚すれば、当人たちの将来も保証される。何せ僕は領主の息子なのだ。
ファイは惨めだな。唯一仲の良い女が最も嫌いな男に奪われるのだから。あいつのことは昔から嫌いだった。生理的に受け付けないのだ。今にして思えば、あいつとニアの仲の良さに対する嫉妬もあったのだろう。おお、我が愛しのニアよ、もう少し待っていてくれ。準備が整えば、来月中にも式をあげたいところだ。子供も3人は欲しいな。全員女が良い。
僕は今、テラスから村を眺めている。この村の隅から隅まで、我が手中にあるのだ。全ては思い通り。
太陽は沈みつつあり、もう1時間もすれば夜となる。村の外へ出るには危険な時間帯だ。ファイの野郎は村を出て行っただろうか。いや、あいつのことなどこれからの人生、僕は考えなくて良いのだ。この先、関わることなどないからな。
さて、パパに隠れてこっそり取り寄せた、夜の技本の続きでも読むか。スキップでもしたいような気分だ。るんるんるん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。