第20話 予期せぬ告白

仲良くなりすぎて、返って言えない言葉もある。


学生の頃は、一喜一憂する綾の恋話を良く聞いていた。その度に心の中で、“俺じゃ駄目なのか”と言う想いに駆られた。


二人はいい感じで酔いが回っていた。


”そう言えばさぁ、あたしの恋話は良く話していたけど、文明の恋話って言聞いた事なかったね。“

“俺には大したこと恋話もないし、綾の話を聞いているのが楽しんだよ。”


”今、いないの意中の人とか?“

“いない事もないけど・・・”


”えっ、誰、誰、あたしの知ってる人かな?“


藤原は酔った勢いもあって付いて口にしてしまった。


“それは、綾だよ。”

”何それっ、もう意外な冗談だわ。“


“ハハハ、そうだよな。”

”そうよ。ホント真面目な顔して言うんだから、ビックリしたよ。“


“でも、ホントだよ。”

”えっ、嫌だ~、冗談キツいよ。“


“学生の頃からずっと好きで、その気持ちは今も変わらない。”


一瞬、二人の会話が止まった。

綾は藤原の真顔の告白に、どうしていいか分からなくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星空を探して JunStyle @jstyle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ