第8話

 曇り空の隙間から虹が覗いた。

 御宮下商店街まで無人の大通りを歩いた。

 その一角にあるケーキ屋さんは、空から降ったゴンドラによって倒壊していた。


「ひかり!」

「え?!」


 ケーキ屋さんの傍でかぐやがぼくを待ってくれていたようだ。

 ぼくはもう独りぼっちじゃないんだね。


「よかったー。君を探してよかった」

「ほんとよね。また会えたわね」

「ケーキ屋さん。店員さんもいないんだね」

「そうね。ここへ来た時はまだ開店もしていなかったわ。明日開店する予定に変更していたみたい」

「ムーン・スペースの竣工式?」

「そうかもね」

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