第7話

 巨大なムーン・スペースが倒れた御宮下市でぼくはかぐやを探した。

 みんなが乗っていたはずのたくさんの大きなゴンドラも、御宮下市の至る所に落ち散乱している。


 ムーン・スペースの銀色のパネルも地面に散らばっている。

 でも、怪我人もいない。

 人もいない。


 みんな竣工式の賑わいから月に行ってしまったようだった。


 もう地球へと戻れることのない月へ。

 大勢の笑顔はもう帰ってこない。


 どんよりとした曇り空を見上げる。

 ぼくは月とみんなに向かって「さよなら」と手を振っていた。

 

 涙が突然零れ落ちる。

 ここ御宮下市でぼくは独りぼっちになったような錯覚を抱いて……。 

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