第5話

 そんなある日のことだった。


「ねえ、今日よね」

「何が?」

「御宮下商店街の角のケーキ屋さん」

「ああ、今日開店だったっけ」


 いつものこの時間に二人で話した。今日は星空が空を覆っていた。

 窓際のハンモックに寝ているかぐやは、ぼくの家の窓から会話が筒抜けだった。ぼくは窓を開ければかぐやと話せるんだ。


「ふーん。じゃあ、明日日曜だし。一緒に行こうよ」

「駄目よ。明日は塾」

「そっか……ぼくは休みさ……」

「来週の日曜なら」

「じゃあ、その日で決まりだね」 


 笑ったかぐやの顔を見た。

 ぼくは来週が早くも待ち遠しくなっていた。

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