第3話

「ねえ、地球はどこ? 道端で寝てたら道に迷っちゃって……」

 振り向くと、綺麗な人だった。

 今まで見たことのない綺麗な女の人。

 ぼくは辺りを見回し、首を振った。

「いや、ぼくも知らないんだ……君と同じく道に迷ってしまったよ」

「あら、そうなの……困ったわねえ」

「ところで、宇宙服はどうしたの?! 普段着のようだけど?」

「ここなら息もできるのよ。地球とあまり変わりないわね」

「ふーん……」

 

 ぼくも宇宙服を脱いでみた。

 途端に、寒くて仕方がなかった。

  

「ずっと、一人? もしかしてここに住んでるの?」

「やあねえ、家族と一緒よ。今ははぐれたけれど……」

「ふーん」

「ねえ、私と一緒に地球を探さない?」

「うん。いいよ……」

「私の名前は……月ノ下 かぐや」

「ぼくは星野 ひかり」


「少し歩こう」

「ええ。このまま月の最果てまで……」

                                  

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