第14話 警戒心

元は野良猫だったカナタも、すっかり僕らに心を許して、腹を出して仰向けで寝ている事もあった。


動物が腹を出して仰向けに寝るのは、警戒心が無くなった証拠だ。


ついこの間まで、ひとり暮らしだったのに随分と賑やかになった。


誰かと空間を共有するのは苦手だったけれど、それが僕自身の警戒心かも知れないと思った。


今となっては、僕は一体何を警戒していたのかとさえ思う。


何時の間にか僕は、こんな日がずっと続く事を願っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る