第1話

 オレの名前は有賀来夢。他の人とはちょっと違う。

 今日から中学二年生だ。昨日で春休みは終わり、新学期が始まる。学校に行くのがだるくてしょうがないのだが、仕方なく学校に行くとしよう。


  ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 


 まずはクラス替えだ。オレの学校は毎年クラス替えをしている。


 クラス表を見る。オレの名前がない。もう一度、今度はじっくり1から最後の38まで見た。オレの名前がない。どのクラスにもない。まわりの視線が刺さる。こそこそ話し声が聞こえる。なんでだろう。みんなオレを見ているような気がする。先生が来た。みんなは新しい自分のクラスに入っていく。


 いつまでも教室に入らないオレに先生が近づいてきた。腫れ物を見ているような目で、オレを見た。

「今日からお前は7組だ。」

 7組……。別名、個別支援級。勉強についていけない人や、障害を持った人たちのクラス。でもオレは、勉強にもついていけてるし、障害者でもない。なのになんで……。

「お前の親と話し合って決まったことなんだ。親から聞いてないか?」

 知らない。聞いてない。オレは誰からもそんな話を受けてない。そもそも、オレには聞いてこなかったくせに、親には相談してた、この大人達が憎い。

「まぁ、ショックなのもわかるけどさ、決まったことだから……って、おい!!」

 オレは走った。途中、何人かの先生に捕まりかけだが、走った。とにかくここから離れたかった。行くあてもないけど、走った。息が切れてきた。それでも走った。

 この日、オレは初めて学校をサボった。

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