第8話 鬼神
「かわいい」
不意に頬を指で突付かれて目を覚ました。見たことのない女が、嬉しそうに自分の顔を覗き込んでいる。
「おはよう。坊や」
頭の中に『母』と思い浮かんだ。女がにこにこして抱え上げる。赤ん坊は無邪気に笑った。
温かい母の温もりに包まれて安心する。けれどもその安心はそれこそ束の間の夢に過ぎなかった。
母は三つの時に亡くなってしまった。
雪の降る寒い日に、自分を抱えたまま、庭先で息絶えた。
「坊やは温かいねぇ……大好きよ……」
それが母の最期の言葉だった。
母の死体は主人が何処かへ捨ててしまった。自分は首輪を付けられ、庭の隅に鎖で繋がれる。餌はくれなかった。ただ何か気に入らない事がある度に叩いたり蹴ったりされた。松明の火を背中に押し付けられた事もあったし、刀の試し斬りとして体を切り刻まれたこともあった。それでも、死ねなかった。
ふと、何かに額を舐められて目を覚ますと、黒い犬が行儀よく座っていた。目の前に木の実を差し出されたが、動く気力が無い。
「腹が減っただろう?」
犬が問い質してきたが、応える気力も無かった。お腹が空いたとか、喉が渇いたとか、生きる上で普通の事が解らなくなっていた。それでも、犬は竹筒に水を汲んできたり、体に涌いた蛆を取ったりと甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。
「もういいよ」
犬が来るようになって三日目にやっと声を出した。こんな自分に良くしてくれる犬が何だか不憫だった。
「もう構わないでおくれ」
犬はそれでも餌を運びに来ていた。
「おい、犬」
主人の声で、重たい体を引き摺った。正座して地面に額をつけると、頭を踏めつけられる。その頃はそれが普通で、地獄だなどと考えた事さえ無かった。ただ、主人が自分を気にかけてくれるのが嬉しいくらいだった。決して愛されてなど居なくても……
「俺、これがいい。ねえ、これ頂戴!」
聞き慣れない無邪気な子供の声に顔を上げようとしたが、再び頭を踏みつけられた。
「真盛、お前にはもっと良いものをやる。こんなボロ雑巾の様な犬なんぞ相手にするな」
「え〜ヤダ! これがいい! これじゃなきゃ嫌だ! これくれないならもうここには来ない!」
子供に強請られた主人が、渋々了承した。子供が嬉しそうに歓喜の声を上げる。
「こいつ、名前なんて言うんだ?」
自分の代わりに父が応えた。
「こいつは犬だ」
呪詛避けの為に母は名前をつけなかった。これ以上、呪詛を受けない様にという母の配慮だったのだが、それがなんとも恨めしく思う事があった。
子供が帰ると、主人はこう言った。
「息子に何かしてみろ、お前の手足をもいで磔にしてやる」
息子……主人は真盛の事を自分の息子だと言った。
それから、真盛は自分が着なくなった服だと言って着物を持って来た。鎖を外し、川で体を洗うように言った。言われた通りにすると、まるで新しい玩具を与えられた子供の様に、嬉しそうに髪を櫛でといてくれた。
「あいつさ、俺の母ちゃんとこに夜這いに行って出来たのが俺なんだってさ。俺には橘家があるのに、こっちに来いって言うんだぜ? 勝手だよな」
ぶつぶつと、独り言の様に話していた。そのつもりだったと思う。
「父上の事をそのように言ってはなりません」
思わず言葉が零れていた。真盛が不思議そうに見つめ、首を傾げた。
「ええ? お前、喋れるの?」
何を思ったのか、驚いた真盛がまじまじと見つめる。飼い主が主人から真盛に代わったのだから、肯定すべきだっただろうかと自分を諫めた。
「出過ぎた事を申しました」
「お前、名前は?」
真盛の言葉に少し口籠った。
「母は名をつけてくれませんでした。父は犬と……」
それから何を思ったのかしれない。どうやら自分の事を主人に問い質したようだった。
「お前は俺の腹違いの弟だ」
真盛からそれを聞かされた時、愕然とした。同じ兄弟でありながら、見た目が違うと言うだけでなんという扱いの差だろう。今まで感じたことのない不満と憤りと、嫉妬に似た感情があった。
真盛が帰って行くと、主人の書斎へ回った。濡縁の先に御簾が降りているが、人影は解った。
「父上」
どうしても呼んでみたかった。自分も、真盛の様に頭を撫でてほしかった。本当に兄弟だと言うのなら、それくらい許されてもいいじゃないかと……傲慢な考えだった。
怒った主人は御簾から出ると刀を振り上げていた。白銀の刃が、夕日の光を反射して紅く燃えている。その切っ先がこめかみを抉り、その後体のあちこちを貫いて肉を削いだ。
「真盛が何を言ったのか見当はつくが、要らぬことを言うな! お前の様な犬に父などと呼ばれる筋合いはないわ!」
主人の怒号が、まだ七歳だった自分の体に響いた。
真盛が元服を迎えると、主人は一層真盛に執着していた。真盛は橘家があったし、何より許嫁も居て祝言を迎えるからと、何かとのらりくらりと主人の申し出を断っていた。
痺れを切らせた主人がある日、こう言った。
「おい、犬。真盛の母を殺してこい」
自分でしたのでは、息子から反感を買うと思ったのだろう。けれども、自分にとっては機会であると思った。主人の言う通りにちゃんと出来たら、きっと認めて貰える。褒めて貰える。そう思うが、真盛の母の姿を見た時に後ろめたさがあった。自分の母も、生きていたなら同じくらいの年齢なのだろうか?
不意に、優しく抱きしめられた記憶が蘇った。もう顔も思い出せない。声も忘れてしまった。だから自分の母の記憶を探すようにそっと屋敷に忍び込んで御簾を開けた。物音に気付いた真盛の母が、衝立の後ろから顔を出す。
脳裏で自分の母がにこりと笑って「かわいい」と言った。
「化け物!」
醜悪な物を見るその目を、思わず潰していた。屋敷に悲鳴が響く。人が来る前に逃げようとすると、真盛の母が再び口を開いた。
「鬼……!」
気付くと女の首をへし折っていた。足音が近付いて来るのに気付いて屋敷から逃げ出す。きっと自分は鬼なのだろう。
明くる日、真盛は屋敷に来るなり主人に詰め寄った。
「母上には関係無いだろ! なんで母上を……!」
「何のことか全く分からんが……」
「こいつ……!」
真盛が食って掛かろうとすると、声をかけた。自分は屋敷の中へ入ることを許されていない。だから庭から、屋敷の中に居る二人に声をかけた。
「真盛様、真盛様の母君を殺したのは私です」
真盛の体が小刻みに震え、こっちを睨んだ。
「ほう、それは災難じゃったのう。まさか飼い犬が真盛の母を殺すなどと儂も思い至らなかった。これを機にその犬を処分したらどうじゃ?」
「黙れ!」
真盛は主人に言うと、そのまま真っ直ぐ庭に出た。庭先で跪いている自分に近付くと、大きく手を振り上げた。叩かれると思っていたのに、震える手がそっと頬を撫でた。
「なんで……そうまでしてこんなやつのご機嫌を取ろうとするんだよっ」
真盛に気持ちを見透かされて居心地が悪かった。
「真盛様の父君とは何の関係もありません。私が勝手に……」
「何でお前がそんな事をする必要があるんだよ!」
兄に言葉を遮られ、体が震えた。
「羨ましかったのです」
頬を叩かれたが、涙が降ってくるのを見て唇を噛み締めた。真盛は泣いていたのだ。自分が不甲斐ないばかりに母を守れなかった自分を責めていたのだ。
喪が明けて暫く経つのに真盛は屋敷に一切来なくなっていた。等々愛想を尽かしたのだろう。それが父にとっては気に入らなかったらしい。
「今度は真盛の嫁を殺してこい」
主人に命令されるまま、真盛の嫁の屋敷へ忍び込んだ。
けれどもやはり、このままで良いのかと悩んだ。あの子の未来を奪うのかと……きっと彼女は兄の子供を二人産むだろう。女として、母として立派に子供を育てることだろう。辛いことや悲しいことがあっても、真盛と一緒に幸せな人生を送るのだろう。自分にはどれだけ手を伸ばして求めても手に入れることの出来ない幸せを彼らは享受するだろう。他人の幸せと自己満足とを両天秤に乗せても、自己満足が勝つことが無かった。かと言って、自分がやらなければ主人が自ら手を汚すだろう。そうなると、真盛と主人の関係はもっと悪化してしまう。
御簾を開けて局に上がると、長い黒髪に黒色の瞳をした少女が驚いた様にこっちを見ている。赤い菊結びの髪飾りが耳元で揺れていた。
「鬼……?」
怯えた彼女の言葉が、自分の理性を潰した。彼女には鬼に見えたのだ。この白い髪も、碧い瞳も……だからあの長い黒髪と黒い瞳が羨ましくてつい、彼女の両目を潰していた。
それからは二日と開けずに屋敷へ帰って来るようになった。主人はそれで取り敢えずは満足したらしい。
ある日、真盛は依頼の手紙を渡して来た。
「お前がやれ」
真盛の手から手紙を受け取ろうとすると、真盛が強く手紙を握り締めた。それが、断ってもいいと言う真盛の優しさである事に気付いていた。けれども、ここでお前が断って、もしも嫁に何かあったら許さないと言う気持ちも伝わった。
「了承しました」
そう呟くと、真盛は手を離した。真盛の手が小刻みに震えている。自分の手を汚すのが怖くて、自分の元へこの依頼を流した事は承知の上だった。
「……すまない」
背を向けて真盛は呟いた。
「真盛様はお優しい人です。どうかそのまま、お優しい真盛様でいて下さい」
真盛は何も言わずに帰った。それから何度も、兄から手紙を渡される度に人を殺した。村一つ消したこともあるし、とある戦のいざこざの為に、敵の総大将を呪殺した事もあった。そうやって人を殺す度に、心は荒んでいった。
自分が十三歳になる年に、主人が病に倒れた。主人は真盛に面倒を看るよう言ったが、弱ったのを良いことに寄り付かなくなった。だから代わりに自分が慣れないなりに主人の世話をしているつもりだった。
「おい、犬、酒持って来い」
主人は自分が作った食べ物には一切手を付けなかった。仕方なく何度か村に降りて酒を買いに行くと、この見た目に驚いた村人に石を投げられた。知らない人に罵倒されても、何とも思わなかった。
そんな生活だから、主人が床についてから亡くなるのは割と早かった。
「真盛……」
うわ言の様に毎日そう言っていた。主人は自分に触られるのを嫌がった。愈々事切れる頃、主人は初めて自分の左腕を掴んだ。
「おい、犬よ、儂が憎いか?」
殆ど骨と皮だけになった手なのに、その細い指は自分の腕に強く食い込んだ。
「いいえ」
その答が意外だったのか、主人は鼻で笑った。
「まあ、式神が、自分を作った主人に反抗なんぞ出来んわな」
主人の言葉の意味が解らなかった。真盛の言葉を信じて、自分は人間なのだと思っていた。真盛の弟だと……
「お前は儂が山犬で作った人の皮を被った犬神よ」
主人の言葉に自分の心がざわめいた。
「犬の生き延びたいと言う未練と、腹に石があったお前の母の、子供がほしいという妄執で練り上げた怪物よ。
だからお前に、儂の血は一滴も混ざってはいない」
そう言われた時、何故自分が主人に息子として接して貰えなかったのかを理解した。
「さあ、儂からの最期の命令じゃ。この世の中を地獄に突き落とせ。そしてお前は、自らの罪に溺れて永遠に苦しみ続けろ」
主人の瞳に、憎しみが浮き出ていた。
「承知しました」
いつものようにそう応えた。血の繋がりはどうあれ、それで自分を息子だと認めてくれるならどんな命令にだって逆らわなかった。
「ああ……口惜しい。ここにいるのが真盛だったなら……真盛……儂の死に目に会いに来なかった事を後悔させてやる」
そう言って、苦しみと恨みに顔を歪めたまま事切れた。主人の手が外れたが、握り締められた痕がくっきりと残っていた。主人の最期の呪いが嬉しかった。主人が、真盛ではなく自分を跡取りとして認めてくれたのだとそう漠然と思った。
「父上……」
久しぶりにそう呼び掛けてみたが、もう何も言わない。怒鳴られもしない事が心底嬉しくて、寂しかった。
ふと、床に飾っていた主人の刀が動き出した。刀が屋敷を飛び出して南の方へ飛んでいくのを見送ると、思わずその場に伏せた。
「どうして……」
刀の行き先など直ぐに想像がついた。父は結局、真盛を跡取りと認めていたのだ。ずっと甲斐甲斐しく父の命令に従っていた自分ではなく、好き勝手に外で暮らしている真盛が当主になると思うと深い憎しみに襲われた。
真盛は久しぶりに屋敷へやって来た。持っていた刀を床に叩き付けると、父の死体と、その傍に座っている自分とを見比べる。
「死んでまで当て付けしやがって、死んで清々したぜ」
張り詰めた糸が切れた様に反論する気力も無かった。
「俺は継がないからな」
真盛の言葉に何を言い出したんだと顔を上げる。
「父君の遺言ですよ?」
「んなもん知るか。お前が継げよ」
嬉しさと、悲しみが綯い交ぜになった。
「父君のご意思を曲げる訳にはいきません」
「勘違いするな。これは命令だ」
真盛の冷たい言葉が、胸を貫いた。結局、父から飼い主が真盛に代わっただけで、自分は彼らにとって都合の良い犬であるのだと再確認させられる。
「どうせここを出たって、その髪と瞳の色じゃあ行くとこ無いだろ。この屋敷もお前の好きにしていい」
本当に、そう思ってくれてのことだったのかもしれない。けれども今はどうしても、自分の外での生活を壊したくなくて、嫌なことを全部自分に押し付けている様に思った。
恐る恐る刀を手に取ると、真盛に頭を下げた。
「承知いたしました」
もし真盛が、橘家も嫁も捨ててここを継ぐと言ったなら、それはそれで腹が立つのだろう。頭の良い真盛のことだから、そこまで考えてのことだろう。だから、真盛が何を言った所で、今の自分には悪いようにしか受け止められない。本当はとても優しい兄なのに、疑ってしまう自分が情けなかった。
それから暫くして、真盛は何人か女を連れてくる様になった。彼女たちの自分を見る怪訝な目が嫌だった。
最初の女は金に困った両親に売られ、幼い頃から色々な所を転々としたらしい。お金の為に人から物を盗み、酷い目に遭って来たのだろう。彼女の顔に刻まれた深い縦皺と、細く長い手が彼女の人生を物語っていた。
真盛が女を置いていくと、彼女を里へ下りる道へ案内した。
最初こそ食べられるのではないか? 罠ではないかと訝しんでいた彼女も、満開に咲いた藤蔓の輪を目にして不思議そうにに周りを見ていた。
「花は虫の為に毎年欠かさず花を咲かせる」
女が思わず一房、鈴なりの藤の枝を手折った。
「手折られても文句を言わない。それは何れその花が、自らの生に限りがあり、虫だけでなく誰かの心の糧になると知っているからだ」
女は目を伏せたまま、じっと話を聞いていた。
「この藤の木は、お前に花を奪われたと思っていない。お前に与えたと思っている」
女は思わず顔を上げたが、碧い瞳に直ぐ目を反らした。
「お前は今まで沢山他人の物を奪って来たのだな。その報いを受けたということは、これからどうすればいいか解るだろう?」
「知らないわよそんなの! 私には何もない! 誰も何も与えてくれなかった!」
「本当に?」
女が明らかに動揺していた。
「藤の木でさえ、お前に花を与えるのに、太陽でさえ、明るくて温かい日差しを与えてくれるのに、水でさえ、あらゆる者の喉を潤す為に与えてくれるのに、お前はそれら全てを今まで、奪って来たと言うのか?」
女から二の次が出て来なかった。
「人間とはおかしな事を考えるのだな。誰一人としてこの世で一人では生きていけないのに」
「どうすればいいのよ……」
女がやっと、言葉を絞り出した。
「山の麓に木の実が成っている木がある。その実を好きなだけ与えてもらいなさい。それを自分の空腹を満たす為に全て食べてしまっても構わないけれど、ほんの少しだけ、他の誰かに与えてあげなさい。にっこりと笑ってどうぞと差し出せば受け取ってくれるだろう」
女はそれを聞いて、山を降りていった。言われた通り、木の実が沢山成っている木が一本だけある。美味しく熟れた果実を口にすると、甘酸っぱい味が口の中に広がった。
「美味しい……」
ふと、鳥たちがやってきて木の上の方に成った果実を喋んだ。女は追い払おうと立ち上がったが、萎れてしまった藤の花と、さっきの言葉を思い出して再び座り込んだ。この木も、誰とも差別することなくみんなに与えているのだと思った。女は五つだけ実をもいで里へ出た。これを売ってお金に……と思っていたが、里で遊んでいた子供たちが物珍しげにやって来たので一つづつやってしまった。最後に残った一つを食べようとした時、木陰で倒れている人を見つけた。喉が渇いているのだと言う……何処かに水辺は……と思ったが、水を汲む桶も無い。仕方なく手に持っていた果実をやってしまった。それがきっかけで、その時助けた男と結婚することになった。身寄りのない女との結婚を反対する者もいたが、果実をやった子供たちが、「あの人はいい人だ」と触れ込んでくれた。それからは、誰かから頂いたものは必ず分け合うようにした
女に逃げられたと知った真盛は直ぐに次の女を連れてきた。今度は明らかに顔色が悪く、手足の細い女だった。道で倒れていたのを拾って来たのだと真盛は言った。自分の体を顧みず、病に伏した母の面倒を長年一人で看て来たのだろう。その母が亡くなり、自らも病に侵され、生きる気力を失っていた。彼女もまた、醜いものを見る視線を送った。
だからまた、里へ下りる道を案内した。
「夜は眠る為にあるのだよ」
女は道端に咲いた露草を眺めながら耳を傾けていた。
「昼は外に出て田畑を耕せば、食べ物が育つ。その食べ物を好き嫌いなく、食べすぎず、ゆっくりとよく噛んで食べていれば病気になど罹らないよ」
露草を数本束にして取ると、そっと女に差し出した。
「これを毎日、少量食べなさい。お浸しにしてもいいし、少し炒めても、汁物に入れてもいい。それで元気になったらこの露草を与えてくれた大地に感謝して、喜んで田畑を耕しなさい」
女は不思議そうに差し出された露草を取った。女は覚束ない足取りで山を下りた。誰も居ない荒屋で数日、言われた通りに露草を食べ、夜は寝て、昼は外に出た。そのうちいつの間にか病は癒えていた。
ある日、柴刈りに山へ入り、道に迷って荒屋にやって来た男と一緒に里へ下りた。女は嬉しそうに毎日畑仕事を手伝った。女はどんな日でも畑仕事を欠かしたことは無かったらしい。
三人目は左足のない娘だった。産まれながらに不自由な体で、親は可哀想だと甘やかして育てたらしい。その親が流行病で次々倒れると、面倒を看る者が居なくなり、途方にくれている所を拾って来たらしい。この女も、白髮碧眼の姿を見て顔を顰めた。
「なんだい、この不細工な生き物は! こいつに食わそうって魂胆なんだろ!」
流石に、真盛もそれを聞いて思い直したのか、何処かに捨ててくると言った。どうせ捨てるのならここに捨てて行けと言うと、真盛は心配そうな顔をしつつ、女を置いていった。そしてまた、里へ下りる道へ案内した。女は右手で杖をつき、器用に山を下りた。
「ちょっと! 待ちなさいよ!」
振り返ると、少し離れた先に女が蹲っている。どうやら疲れてしまったらしい。
「こっちは足一本しか無いのよ? もう少しゆっくり行きなさいよ!」
女は一通り悪態をつくと、疲れたのか大きな溜息を吐いた。そっと近付くと傍に膝をついた。
「それは気づかなかった。教えてくれてありがとう」
女が驚いた様に顔を上げ、直ぐに顔を背けた。
「なんだいそれは? 本当に気の利かない馬鹿だねぇ!」
怒鳴るが、女は居心地が悪かったらしい。
「ありがとうなんて、言われたことなんかないわよ……」
「お前は自分の言葉が災いして一人になってしまったことに気付いただろう?」
そう言われ、女はしかめっ面になった。
「なんだい? 説教する気かい?」
「いいや、よく気が付く良い女だと思う」
意外な言葉に口をあんぐりと開けたまま、閉まらなかった。
「お前は産まれながらに他人よりも足が一本無い分、沢山苦労したのだろう。だから、他人をよく見ていて、よく気がつくのだ。これからはその目で、気づいたことを丁寧に人に教えてやるといい」
散々罵倒したのに、言い返されない事が不思議だった。今まで会った人間は皆、嫌な顔をして悪口を返してきた。その瞬間は相手にしてもらえて嬉しいが、それきり人は寄り付かなくなった。
「あんたは馬鹿にされて腹が立たないのかい? 脳味噌腐ってるんじゃないかい?」
「別にお前が初めてではないからな」
呆れた様に呟いた。女ははっとして口を継ぐんだ。罵倒されなれているのだ。あまりにも幼い頃から、沢山の人に罵詈雑言を受けて来たのだろう。
女は村と村とを繋ぐ道の脇に座り込んだ。道行く人々を眺めながら、自分が今まで他人に浴びせてきた言葉を思い出す。
ふと、目の前を荷物を積んだ牛が通り掛かった。牛を引いている初老はこっちを見向きもせずに歩いていく。女は荷物を繋いでいる紐が緩んでいる事に気付いた。
「ちょっと! 紐が緩んでいるじゃない! そのままじゃあ、直に荷物が全部落ちてしまうよ!」
そう叫んで、またやってしまったと思った。牛の後ろからついてきていた若い男が驚き、先頭を歩いていた初老に声をかけて牛を止めた。初老にも声が聞こえていたらしく、慌てて荷物を確認すると、確かに紐が緩んで今にも外れそうになっていた。
「この馬鹿息子が! だからあれだけ何度も念を押しただろう! これはお客様への大事な商品なんだぞ!」
どうやら親子らしい。初老は息子を怒鳴りつけると、道の端に座り込んでいた女に視線を向けた。
「いやはや、本当にありがとうございます。よく気の利くお嬢さんだ。どうだね? うちの息子はどうも出来が悪くて浮いた話の一つも無いんだが……これも何かの縁だ。あんたのその気の利く所を買わせて頂けないだろうか?」
行く宛の無かった女にとっては、渡りに舟だった。その上親子は義足や義手を作る仕事もしていた。女は新しい足を手に入れ、商売に一役かったらしい。他人から感謝される喜びを知った彼女が、悪口を言わなくなるのにそれ程時間はかからなかった。
そういった事が何度か続いた。
「五人だぞ?」
ある日真盛に問い質され、首を傾げた。急に言われたので何のことだか全く解らなかった。
「俺が態々お前の為にと買ってきた女! そいつら全員山の北側の村でそれぞれ別の男と結婚してるじゃないか! 別にな、気に入らないとか相性が悪いとかはあっても、五人とも全員ってことは無いだろ?」
真盛の言葉が、犬の分際で選り好みするなと言われた様な気がした。
「自らの意志でここを去って行った者たちが、何処で誰と幸せになろうと私には関係ありません」
真盛が怪訝そうな顔をした。
「お前な、こんな屋敷でずっと一人きりでいるつもりか? いい加減身を固めろよ」
からかわれているのだと思った。
「俺だっていつまでもお前の様子見に来られないだろ? 子供産まれたらもっとここには来れなくなるし、俺が死んだら、お前一人でどうするつもりだよ?」
嫌味だと思った。本当に心の底から自分の行く末を案じて言ってくれているなどとは微塵も思わなかった。真盛が女を連れてくるのも、嫌がらせだと思っていた。
「主人が居なくなりましたら、私はただの犬に戻るだけです」
真盛が憐れむ様な、悲しげな顔で見つめた。
「勝手にしろ!」
罪滅ぼしのつもりだったのかもしれない。はたまた普通の兄弟の様に対等に付き合いたかったのかもしれない。けれどもそんな風に真盛の気持ちを受け止めてやれない自分が嫌だった。
そんな折に飢饉が起こった。何日も雨が降らない。山の何処にどんな木の実があって、どの草は食べれて、どの草の根に薬効があるのかを教えて回った。それを、鬼の戯言だと一笑し、少ない食べ物を取り合ってあちこちで争いが起こった。皆で分ければその日は凌げる量なのに、自分の明日の為に、明後日食いつなぐ為にとお互いに殺し合って自滅した村が幾つもあった。
里の人も、鬼と恐れていた自分の事を信じるはずがないと思っていた。だから本当のことを言っても、疑心暗鬼に囚われて全滅するのではないかと思っていた。それで、父の遺言通り、世の中を地獄へ突き落とすという願いは叶えられると思っていた。けれどもその時、真盛が連れてきた女たちが、自分は鬼ではなく優しい守り神なのだと里の人たちに話したらしい。だから、誰もその飢饉で亡くなることは無かった。期待を裏切られた悲しみと、安堵とが綯い交ぜになっていた。
「思ったよりちゃんとしていて驚いた」
真盛の言葉尻が引っかかるが、今に始まったことではない。
「ちゃんとしているのは私の話を信じて少ない食べ物でも争わずに分け合い、お互いに支え合って励まし合い、生き延びた里の人たちです。ちゃんと自分たちで考えて工夫し、賢明な判断をしたと思います」
自分が、里の人たちを侮っていた事が心底恥ずかしかった。どうせ信じないだろうと……どうせ勝手に自滅していくだろうと思っていた。
「お前のそういう所が憎めないんだよなぁ……自分の手柄にしてしまえば良いのに……川の水だって、枯れない様に山には雨を降らせていただろう」
「人間が勝手に争って死んでいく分には何とも思いませんが、花や木が枯れてしまったり、山の動物たちが餓死するのは見捨てておけません」
「前言撤回。お前やっぱり最低だな」
真盛がいたずらっぽく笑っていた。
「それより、真盛様はこうなることが解っていて、あの女たちを買ってきたのですか?」
真盛が驚いた様な顔をして、少し口籠った。
「飢饉までは解らなかったが、お前の心の支えになればと思って連れて来た。まあ、どれもお前のお眼鏡に叶わなかった様だけど……」
真盛はそう言って屋敷を出て行った。何だか嬉しそうに、足取り軽く帰って行く。それが一体どういった意味なのか解らなかった。
他の土地でも、飢饉があったらしい。何処で何を聞きつけたのか、女を人身御供として差し出してきた。自分たちが助かりたいが為に若い娘を差し出した村人の浅はかさに心底腹が立った。
娘は病に侵されていた。長く邸から出たことが無いらしい。日に当たったことのない白い肌が不健康そうだった。この娘も漏れなく、里へ逃してやるつもりだった。けれども目を覚ました彼女が自分を見た時、不思議な眼差しを贈った。
「……綺麗」
まるで宝石を見つけた幼子の様に、無邪気な表情だった。彼女は嬉しそうに笑って、頬に手を伸ばした。彼女の優しい眼差しが不意に、母の眼差しを思い出させた。
「まるで晴れた空を映したみたい」
そう言われて、現実に引き戻された。頬を包んでいた彼女の手をそっと返すと、彼女の白かった頬が赤く火照っていた。その意味が解らなかった。
彼女は真っ直ぐに自分を見つめてくれた。鬼とも化け物とも呼ばなかった。白い髪は空に浮かぶ雲の様だと言った。
「祐」
と、人としての名前もくれた。ありがとうと、素敵な言葉を沢山くれた。それが嬉しくて、今までの自分が救われた気分だった。この子に会えて良かったと、生きていて良かったと心の底から思った。彼女の笑顔を抱き締めたまま、腕の中に閉じ込めておきたかった。
だから彼女が勝手に屋敷を出て行った時、両足を切り落としておくんだったと後悔した。
その時に、自分が壊れている事に気付いた。このままでは彼女を殺してしまう。だから逃げたというのであれば逃してやらなければならないと思った。けれども彼女を探していた。もう一度彼女の笑顔が見たくて、声が聞きたくて、山の中で血を吐き、蹲る彼女をそっと抱き上げた。
「もう少しだけ……」
彼女の瞳に、蛍の光が鈍く光っていた。彼女は生きる事を諦めていたのだ。生きてほしい。もう少しだけ、この体温を感じていたかった。だから彼女の体を抱き上げた時、不安と愛しさで一杯だった。屋敷へ連れ帰って彼女の血を拭うのに、服を開きかけた手を優しく握り返された。
「醜いでしょう……?」
今まで、自分に何度も浴びせられた言葉を彼女が口にした。
「骨と皮ばかりになって、皮膚の色も変わってしまって……」
彼女はきっと、自分によく似ているのだと思った。
「綺麗ですよ」
彼女の胸元を開いてそう呟いた。彼女がくれた言葉をそのまま返すような思いだった。
「長い間、病と戦ったこの体が醜いはずがないでしょう。貴女はそのままで充分美しい」
彼女の腕から力が抜けるのが解った。気を失った彼女の体は、確かに病に蝕まれ、余命幾ばくもなくなっていた。
どうすれば、彼女は生きる事を望んでくれるだろうかと考えた。
体を治して、寿命を伸ばしてあげよう。それから彼女の好きな花を沢山……
そこまで考えて、悪い予感が過ぎった。
ーー体が治ったら、きっとここを出て行くだろうーー
それが、正解だと思った。今まで邸で人々に傅かれて生きてきたであろう彼女が、村人から石を投げつけられる生活を望むだろうか? そんな事、考えなくても明白だった。だからこの恋は諦めようと思った。彼女の為に。彼女を慕うと言うのであればそれこそ身を引くべきだと……彼女が幸せになる道を自分が閉ざしてしまうのが何とも心苦しかった。
「私を愛して下さい」
彼女にそう言われた時、嬉しさと言いしれない不安に襲われた。彼女は他に男を知らないから、手頃にいた自分を慕ってくれているのだ。体も心も弱っているから、少し優しく世話をしてやっただけで好意を抱いたというだけだろう。恋など一種の熱病と同じで、冷めてしまえば何ということはない。自分の他にもっといい男など外に出れば幾らでもいる。その事に今の彼女は気付いていないだけで、何れ気付いてここを出ていくだろう。そうと解っていて、彼女の戯言に付き合う訳にはいかなかった。
彼女に酷い言葉を浴びせた。嫌ってほしかった。つまらない男だったと幻滅して出て行ってほしかった。ここを出て他の男と添い遂げて、幸せになってほしかった。だから、ここに居座る理由を彼女から取り上げようと思った。
ーー彼女の心の支えになっていた狛を殺すと、彼女は狛の蘇りを望んだ。何か報酬をと提案した。
その、夜を映した様な瞳がいいな。長い黒髪でもいい。君がそれを差し出してくれるなら……否、もう充分すぎるほど自分は彼女から沢山の宝物を貰った。ありがとうも、名前も、傍にいてほしいとも……本当に言ってほしかった人からは貰えなかった、自分の欲しかった言葉を彼女がくれたから、もういいかと思った。
それなのに、彼女は自分の期待を裏切った。
「私の命を……」
許せなかった。生きていてほしいのに、自分の命を安易に差し出す彼女が憎かった。自分への恋心を差し出すというのなら、幾らでも願いを叶えてやるつもりだった。ここを出て幸せになりたいと願うのであれば叶えてやるつもりだった。それなのに、彼女は自らの死を願った。
彼女が舌を噛み切った時、自分の思い通りにならなくて腹が立った。
「許さない……」
憎悪に身を任せ、彼女の死体に魂を縛り付けた。自分の式神にしたからこれでもう死ねない。彼女の病を自分の体に移して治し終わると、胸や体のあちこちに痛みがあった。頭が重い……彼女はずっとこの痛みに耐えてきたのだと思った。
「何? これ……」
目を覚ました彼女は、自分の体が治っている事に驚いていた。体が健康に戻れば、まともな思考に戻ると信じていた。病さえ治れば、彼女は自らの幸せを願うと思っていた。
「元に戻して下さい」
……意味が解らなかった。喜んでくれると思っていた。感謝してくれると、また笑ってくれると思っていたのに、彼女は涙を流して懇願した。
「貴方が美しいと言ってくれた体を、何故貴方が作り変えるのですか?」
自分が彼女に贈った言葉で、彼女自身に誇りを持たせてしまっていた。彼女は病に蝕まれた体も、苦しんだ自らの人生も、全て受け入れ、満足していたのだ。
「黙れ」
彼女の声などもう聞きたくなかった。どうして彼女が、自分の期待した言葉を言ってくれないのかといじらしさを覚えた。再び出て行く様に言っても出て行かない。食事にも一切手を付けなかった。怒りから、彼女の体を切り刻んでいた。
部屋中に牡丹の花弁が散乱する。彼女の柔らかい肌に刀を突き入れる度に、残念さと、脱力感を味わった。それでも、彼女の眼差しが、侮蔑に染まる事が無かった。
「何故、怒らない?」
不意に問い質した。これだけ酷い事をしているのに、どうして真っ直ぐに以前と変わらずに見つめるのか不思議だった。
「可哀想」
彼女の蚊の鳴くような声が微かにした。
「貴方が私に辛く当たるのは、そうしなければならない理由があるからでしょう? 貴方は何度も私を傷付ける言葉を発したけれど、その度に貴方の方が傷付いていたのでしょう? その刀を振り上げる度に、自分の心を殺して来たのでしょう?」
彼女はきっと、気付いていたのだ。本当に憎ければ、彼女が命を断った時、放っておけば済む事だった。それなのに式神として蘇らせ、病を治したのは自分なりの慈愛の形だったのだと、邸へ帰れと何度も言ったのも、幸せになって欲しいという願いからだったのだと、ちゃんと彼女は気付いていたのだ。それでも彼女は、幸せな未来よりも、自分を選んでくれていたのだ。どんなに傷付けられたとしても……
「ごめんなさい」
彼女の声が、心地よかった。
「私のせいで……私が自分の命を人質にとって、貴方の優しさにすがりつこうとしたのがいけなかったのよね? 私が貴方を変えてしまったのね。貴方の愛がほしかったばかりに、私が、貴方を壊してしまったのね」
自分がまだ、彼女に愛されていた事に気付いた。
「許して……」
「許さない」
彼女の言葉を遮った。許せるはずがなかった。彼女を散々いたぶった自分を、彼女が許したとしても自分が許せなかった。自分の気持ちに気付いていながら、幸せな未来を選ばなかった彼女が許せなかった。今からでも間に合う。たった一言でいい。「嫌い」だと、「お前なんか最初から愛してなどいなかった」と言ってくれればそれで済んだ。それでもう、彼女を傷付ける理由は無くなる。それなのに、彼女を許してやる機会をくれなかった。
もし、自分の姿がもう少しだけ人に近かったなら、彼女の笑顔を失わずに済んだのだろうか? この髪と瞳の色が彼女と同じだったなら、こんなに彼女を苦しめずに済んだのでは無いだろうか? 彼女に優しい言葉をかけて、優しく抱き締める事も出来たのでは無いだろうかと思うと、自らの姿が恨めしかった。
彼女が気を失っている間に邸へ帰すと、誰もいなくなった部屋の隅に腰掛けた。夜風が御簾を優しく揺らし、臥所のそこここに散らばった花弁を舞い上げた。
「……」
深い溜息が闇に溶けていくと、徐ろに刀を振り翳した。僅かな月光を含んでいる刃を自分の腹に押し込むと、頭から抜ける様な痛みが走った。
「こんな……生き方しか出来ないなんて……」
こんな体いらない。彼女を傷付けることしか出来ない自分の体が憎い。彼女を傷付ける言葉しか吐けない自分の口が恨めしい。彼女の隣で、彼女と同じ時間を過ごすことの出来ない自分が悔しかった。
何度か自分の体に刀を突き刺したが、神経がいかれて痛みを感じなくなると刀を置いた。赤い血が止めどなく流れていく。
朦朧とする意識の中で、彼女が自分の知らない男と添い遂げるのを想像した。あの心優しい彼女の子供なら、男の子でも女の子でもきっと良い子に育つだろう。そんな幸せな情景を思い描いた。それが現実になることを祈っていた。彼女の幸せを心の底から祈っていた。それだけは嘘では無かった。
「百合姫が死んだ」
真盛の言葉に落胆した。まるで花の様な人だった。花を咲かせた様に笑ったかと思うと、あっという間に散ってしまった。それなのに、自分は後を追うことさえも許されないのが呪わしかった。
真盛が出て行くと、自分の肩を抱いた。
「父上……何故……何故、こんな……」
ふと、御簾の向こうに何かの気配を感じた。ゆっくりと振り向くと、黒い犬が行儀よく座っている。
「鉄……」
犬の姿が大きな黒い犬神に変わると、思わずにこりと笑った。
「救ってくれる?」
「いいや、お前は少し寝ていろ」
鉄の額の目が開くと、金色の大きな瞳に自分の姿が映った。
「俺にはお前の呪詛を解いてやることが出来ん」
残念そうに目を伏せた。
「そう……」
静かに頬を涙が伝った。脳裏に彼女の泣き顔が焼き付いている。もう彼女の笑顔も、優しい声も思い出せなかった。
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