雰囲気としてはこんな感じ 何もない時

 デザートガンナーオンライン、略してDGOのゲームにログインしたAさん。綺麗に磨き上げられた金属の人型のボディを確認し、所属しているギルドへと向かう。雲に覆われており、人工恒星ラグナログの光が届かず、外は薄暗い。そうでなくとも、コンクリートに似た素材で出来た塔が所狭しと建てられているため、元から光が届きづらい環境なのだが。ゲームメニューで天気予報を見ながら、おんぼろ看板を発見。地下に入る階段へ。


「おお。Aさん。やっほー」


 ドアを開くと、バーに近い空間。演奏する場があったり、簡単なミニゲームが出来る場があったりと、何でもありな部分もある不思議な場だ。ネクタイをして、ゴーグルをかけている自動人形が陽気に手を振っている。ギルドに所属する男性プレイヤーだ。


「ちょうどクエスト更新されたから見てってよ」


 陽気なプレイヤーが手で示す。ボードに紙が貼られている風の液晶画面。依頼任務の情報があるところだ。Aさんは軽くお礼を言って、クエスト内容を見る。顔のパーツが目と口だけなので表情は分かりづらいが、リアルだと微妙そうな表情をすることだろう。それぐらい全部の報酬が大したことなかったのだ。


「Aさん。こんちゃ。なんかおもろいのある?」


 自動人形としては130cmと小さい、金髪の少年を思わせる容姿をしたプレイヤーが話しかけてくる。


「いやない。今日は鍛錬モードで遊ぶか?」


「賛成」


 プレイヤーはクエストを受けたり、身内で戦闘を行ったり、様々なことをやる。運営主催の大会イベントなどがなければ、のんびりと自分のペースで遊ぶ人が大半である。


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