第15話

やはりかなりの実力者のようだ、ちなみにだが俺の現在のステータスは以下のようになっている ◇ユウキ 16歳(容姿年齢20歳くらい)

Lv.53 HP 103600 MP 122200 STR 60100 VIT 43000 INT 51200 RES61500 AGI 50900 《装備》魔剣グラム(攻撃力+70000)・竜鎧ドラグニルアーマー(全属性魔法無効、身体能力10倍、破壊不可)

◆スキル 【言語理解】【隠蔽】【偽装】【影分身】【スキル取得不可】【経験値増加】【ナビゲーター】【叡智の瞳】

【アイテムボックス】【スキル重複】【絆の架け橋】

◆オリジナルスキル

「真·無限の剣製」

◆レジェンドスキル

「英雄達の宴」

「龍化解放」「滅魔の雷」「魔導支配」

【女神からの祝福】「勇者への転職」

◆呪い

「不幸体質」「聖獣の逆鱗」

※上記の内容は一部のみ表示されています

「女神から一言:やっぱり私の加護を与えただけはありますね!これからも期待していますよ?」

8

(ふむ……流石は魔王軍の長だな……レベルも高いし何より強い……!今の俺じゃ到底敵わないだろうな……ならどうするべきか?簡単だ、相手が油断している内に全力の一撃を叩き込めば良いんだ!よし、そうと決まれば早速行動に移すとするか……!行くぞっ!)俺は心の中でそう決めると早速攻撃を始めた、魔剣グラムの力を解放してから繰り出す技は、

「一閃ッ!!」

その瞬間、凄まじい閃光と共に辺り一帯を吹き飛ばすのだった。

『──!? 何だ、今の力は!?』突然のことに驚きを隠せない様子のガゼルス、だがさすがと言うべきか咄嗟に回避した為致命傷には至らなかったようだ、

『貴様ァ!一体何をしたァァ!!』怒り狂った様子でこちらを睨んでいる、そんな様子を見て少し怯んでしまった俺だが気持ちを切り替えた後改めて構え直した、それを見たガゼルスはニヤリと笑みを浮かべるのだった、まるで獲物を狙うかのような視線を俺に向けてきたのだ、その直後目にも止まらぬ速さでこちらに近づいてきたかと思うと俺のことを思いきり蹴り飛ばしたのだ、そしてその威力によって後方へ大きく吹き飛んでしまうのだった、さらに追撃しようとこちらに向かってくるので何とか態勢を整えて再び向かい打つ準備をするが今度は正面から拳によるラッシュ攻撃を連続で食らってしまった、なんとか防ごうとするがあまりの威力に耐え切れず何発か食らってしまうことになった、だが幸いにも剣による斬撃は全て躱されてしまっていた為ダメージを負うことはなかった、その後も互いに譲らない攻防が続いたのだが、ある時ガゼルスがとんでもないことを言い始めたのだ、それはなんと俺の仲間の一人を人質に取り始めたのだ、『動くな!少しでも怪しい動きを見せた瞬間このガキを殺すぞ!』そう脅されてしまった以上俺は大人しく従う他なかった、しかし俺が動かないのを見てチャンスだと思ったのかそのまま攻めてきた、俺は必死に耐え続けた、だがそのせいで他のみんなが危険な目に遭ってしまったのだ、それは何故かというと先程俺の代わりに捕まってしまった奴がいただろう?そう、あのゼオンという青年だった、彼は人質として捕われた後何度も抵抗しようとしたのだがその都度ボコボコにされた挙げ句に最終的に気絶させられてしまった、その為奴は身動き一つ取れなくなってしまったのだ、しかも運の悪いことにその状態で魔法を使おうとしたもんだから余計に酷い目にあってしまったのだ、それから数分後、ようやく気が済んだらしいガゼルスがこちらへ戻ってきたところで俺も解放された、その後すぐに仲間の安否を確認すると全員が無事だったようだ、そのことに安堵していると、突如どこからか女性の声が聞こえてきたのだ、その声はどこか懐かしくもあり同時に畏怖の念を抱くものだった、すると次の瞬間眩い光とともに一人の女性が現れたのだった、すると先程まで余裕そうにしていたはずの魔族がいきなり慌て出したのだ、その理由は……彼女の正体にあった、実は彼女は俺達が魔王討伐の為に旅をしていた際に偶然助けた魔族の女性だったのだ、どうやら彼女も魔王を倒すために戦っていたようだが既にボロボロでいつ死んでもおかしくないような状況だったのだ、そんな彼女がなぜここにいるかというと、魔王城に辿り着く直前に何者かに襲われて意識を失い気がついた時にはここにいたというのだ、だから俺達に対して恨みを持っているどころか逆に助けてもらったことに対する感謝の言葉すら述べてくれた、それを聞いた俺は素直に嬉しいと思った、だが今はそんなことで浮かれている場合ではない、なぜなら目の前にいる脅威は未だ去っていないからだ、それどころかむしろさっきよりもパワーアップしたかのように思えた、その証拠に奴の周りにはドス黒いオーラのようなものを纏っていたのだ、だがそれと同時に彼女の周りにも同じようなものが現れていたのだ、そのことについて尋ねようとしたその時だった、突如地面が大きく揺れだしたのだ、その影響でバランスを崩しそうになったがどうにか持ちこたえることには成功した、しかしその隙を突かれてしまい奴に吹き飛ばされてしまった、そして壁に激突したせいでかなりダメージを受けてしまうことになる、あまりの痛みに思わず倒れ込んでしまうとすぐに立ち上がれなくなってしまった、そしてそれを見ていた魔族達はニヤニヤしながら俺の方に向かってきた、このままでは確実に殺される、そう思った俺は覚悟を決めるのだった……

一方その頃ミライは一人で奮闘していたのだが、徐々に追い詰められていた、というのも相手の動きが想像以上に早かったため攻撃が全く当たらなかったのだ、それに加えて武器による攻撃までしてくるものだから苦戦を強いられていたのだった、するとそこへレイルが駆けつけると一気に形勢逆転するのだった、そして最後はフィリアの魔法によって倒された魔族達を拘束し終えた後で俺達は急いでユウキの元へと向かうのだった……

こうして魔王軍幹部のガゼルスを倒した俺達はひとまず休むことにした……はずだったのだがユウキがまだ帰ってきていないのだ、そこで全員で捜索を開始した、その結果……地下へと続く道を見つけた俺達はその奥へと向かっていったのだ……

9

(くそっ……!一体どうすりゃいいんだ……?)俺は現在進行形でピンチを迎えていた、それは仲間達と逸れてしまった上に閉じ込められているのだ、こうなった経緯について話していくとこうなる↓

======数分前に遡る======

======回想開始======

(あれからしばらく歩き続けていると奥の方から何やら話し声が聞こえてきたんだ、気になった俺は声がする方へ向かってみたんだ、そしたらそこに居たのは謎の集団だったんだ、よく見てみると奴らの手には俺の仲間達が捕まっていたんだ、それを見て慌てて止めさせようとしたんだが奴らの方が先に行動に移ってしまっていて何も出来なかったんだ、そこからは一方的な展開になってしまったよ、なんせ相手はレベル60越えの連中なんだもの、それにこちらはたった5人しかいないのだからとてもじゃないが太刀打ち出来ないと判断した、なのでここは一旦引くことにして転移石を使用してギルド本部へと帰還したというわけだ、まあ結果的に逃げ切ることが出来たわけだけど今後どうしたものか……

────── よし、とりあえず報告だけ済ませて後は待つことにしようかな ─── 受付嬢さんの元へやって来た、まずは無事に帰って来れたことと何があったのかについて報告したところ詳しい事情を聞くべく会議室へ向かうこととなった、その際その場にいた者達にも事情を説明した上でついて来てもらった、何故なら彼らは今回の作戦において最も活躍してくれた人達なのだ、つまり彼らに説明しないということは今後の方針に関わってくると言っても過言ではないのだ、その為ここでしっかり話しておかないと後々厄介なことになると考えた結果このような判断を下したというわけである、そういうわけで俺達はまず今回の件についての顛末やその他諸々について詳しく説明することから始めるのだった……)

「……というわけで我々は帰還しました、それで早速本題に入りますが今ある問題について話し合っておきたいと思います、その問題というのは我々が置かれている現状のことで……」そう言ってユウキがある方向を指差した、するとそこには椅子に縛り付けられたまま眠っているユウキの姿が確認出来た。

それを見た者達は思わず絶句してしまう、しかしすぐに正気を取り戻した者が口を開いた、「おいお前!早くこのロープを解いてくれ!さもないと大変なことになるだろう!」「お?もしかしてこのお方は我らが敬愛すべき主様ではありませんか!どうして縛られているのですか!?」などと言っている、それに対してミライが答えた「お前らこそ何をやっているんだ?そもそもどうやってここまで辿り着いた?」「えっ?」「まさかとは思うがお前達だけでここまで来たとでも言うんじゃないだろうな?」ミライの質問に対し男達は何も答えない、その様子を見て何かを察したのか溜息をつくと今度は別の男が喋りだした「あ〜、えっとですね、我々は一応レベル90を超えておりますしスキルレベルも最大値に達しておりますからある程度なら戦えると思うのですがどうでしょうか?」その言葉を聞くとミライはすぐに答えを出した「ダメだな」それを聞いた男は驚いた表情を見せた、なぜならこれまで自分が言ったことは全て実現可能であり必ず達成出来ると思っていたからだ、だがそれが不可能と分かるや否や酷く落ち込んだ様子だった、しかしそれも無理もないことだろう、何せ今まで誰にも頼らずに生きてきたのだ、そんな彼が誰かに助けを求めるという選択肢が浮かぶはずがないのだ、しかしそれでもどうにかしてこの状況を打開しなければと考える男、そして何かを思いついたらしく顔を上げると突然叫び始めた、それは自身の仲間に対しての謝罪だった、それを聞いていた周りの仲間達は驚いていた、もちろんミライ達も驚いているようだった、それから暫くの間謝っている様子を眺めているとようやく満足したのかこちらに向き直ってきた、そして真剣な表情でこちらを見つめながらこう言った、

「……どうか我々のお願いを聞いてくれませんか?」その言葉にミライ達は困惑した、というのも彼らのような者を助けるメリットが無い為助けようにも手出しが出来ないのだ、そのため断ろうとしたのだがそれよりも早く相手が話し始めた、それは先程とは違いどこか申し訳なさそうな声色で話しかけてきた、

「……分かりました、無理強いするのは良くないですよね、ですがせめてこちらの要望だけは聞いてもらえませんか?そうすれば貴方達にも何かしら利益が生まれるかもしれません、……もし聞くだけでも良いのであればぜひお聞きください」その言葉に対して皆は頭を悩ませた、正直話を聞く価値はないように思えたが何故か断ることは出来なかった、だが話を聞いてから判断しても遅くないだろうと思い渋々承諾することにしたようだ、それを聞いた彼は嬉しそうな表情を浮かべた後、再び話し始めた……

「ありがとうございます、では改めて私達の要望なのですが、これからしばらくの間一緒に生活して欲しいのです、具体的に言えば我々がこの魔王城で暮らし始めて1週間程経ってからです、その間あなた方にお世話になることについては既に了承を得ているのでご安心下さい」その話を聞いた瞬間全員が耳を疑った、なぜなら今の話によるとこの男は自分達と一緒に暮らすことを希望しているのだということが分かったからだ、だがなぜそのようなことを言うのかが理解出来なかった、だからそのことを尋ねてみると意外な答えが返ってきたのだった……

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(うーむ……これはマズいぞ……このままいけば確実に死んでしまうな、しかもそれだけじゃない、俺の大切な仲間たちを危険な目に遭わせてしまうことになってしまうだろう……でもどうすることもできないんだよなぁ……だってもう打つ手がないんだもの!いや待てよ……?確かあの魔族の男を倒した時に手に入れたアレがあったはず……!よし、一か八か試してみるか!そうと決まれば話は早い、早速使ってみようじゃないか……)そう思い立つと同時に魔法を唱えた、「ステータスオープン」すると予想通りステータス画面が現れたのだ、そしてその項目の中に気になる部分があったのでそこを押すとアイテム欄が表示され中から一つの指輪を見つけたのだった、それを手にすると装備する、すると次の瞬間先程まであった痛みが嘘のように消えてしまった、更に体の調子までも良くなっている気がする……

(どうやらこの効果は永続的に続くようだな、さてと……そろそろみんなと合流したいのだが果たして無事に会えるのだろうか……心配だなぁ……それにしてもどうしてこんなことになったのだろう、いくら考えても原因が分からん、もしかしたら呪いの類いだろうか……いやいやそんなわけないよな、仮にそうだとしたらこんな場所にいるはずがないし、第一俺みたいな普通のやつがかかったらすぐに死んじゃいますよ、それに他の人達と比べて特におかしな点なんてないし……うん、きっとそうだ、そうに違いない!だから気にしなくて良いんだよ多分、うんうんそういうことにしておこう!)そんなことを考えてから気持ちを切り替えると立ち上がって歩き出そうとしたのだが、なぜか体が上手く動かなかった……

(あれっ?おかしいな……さっきまであんなに動けていたはずなのに急に動かなくなってしまったぞ……?どうしてなのかさっぱり分からないがとにかくこのままではまずいということだけははっきりと分かったから早く移動しないとだな、というわけで今度こそ本当に出発しますかね……!おっとっと、危ないなぁ……危うく転んでしまうところだったよ……やっぱりまだ完全には回復しきっていないみたいだな、もう少し休憩してから出発した方が良いかもしれんな……まあ焦る必要は無いか……とりあえず今は体を休めよう)そうしてゆっくりと目を閉じていった、するとすぐに眠りについてしまったようでそれから目が覚めることはなかった……

その頃ルーチェ達はと言うと……

======魔王城内・大広間======

そこはまるで闘技場のような場所になっていた、その真ん中にはユウキが立っていた、そんな彼女を囲むようにして大量の魔族達の姿があった、その中には幹部であるガゼルスの姿もあった、何故こんなことになっているのかというとそれは少し前に遡ることとなる……

(はぁ〜、疲れたぁ……流石に今回は本気で死ぬかと思ったよ、だってあれだけの数を相手にしたんだものそりゃ疲れちゃうでしょ……とはいえなんとかなったみたいで安心したわ、これでひとまずひと段落ね……あとはあいつらが戻って来るのを気長に待っていようかしら……ん?何かしらこれ……)そう思ったルーチェだったが近くに何かが落ちていることに気がついた、拾い上げてみるとそれは綺麗な赤い石のようなものであった、不思議に思い眺めていると不意に声が聞こえた、一体誰なのかと周りを見渡しているといきなり目の前に人影が現れたのだ、そしてその姿を確認すると彼女は驚きの表情を見せた、なんとそこに居たのはかつての仲間の一人だったのだから、(どうしてこいつがここにいるのかしら……もしかしてあの時倒したと思った魔族はまだ生きていたとでもいうの?いやでもそれだと少し矛盾が生じてしまうわね、私が倒したのは間違いなく本物のはずだもの、ということは考えられる可能性はただ一つしかないわね……)そこでとある答えに行き着いたところで彼女の方から声をかけてきた、「久しぶりね、ルーチェ、こうして顔を合わせるのは初めてよね?」そう言われた彼女が返事をするより先に再び口を開く、「ふふっ、驚くのも無理はないでしょうね、なにせあなたよりも強くなってしまったのだから、それに私だけじゃないわよ?ほら見てごらんなさい」そう言われて辺りを見回すと先程とはまた違った人物が視界に入ってきたのだ、その人物というのはもちろんガダルスのことなのだが、その姿は大きく変貌を遂げていた、全身傷だらけになっており片腕を失っている状態ではあったもののかろうじて生きているという感じであった、その様子を見た彼女はとても驚いた表情をしている様子であった、そして次に彼が言った言葉によってさらに驚かされる事となる「さあて、次はお前だぜ……?」その一言を聞くと即座に武器を構えた、それを見た相手も構えるがその表情にはまだ余裕が見られるようであった、それもそのはずである何故なら今の彼女にはかつてないほどの魔力と体力が漲っていたからだ、それに加えて新たに習得した技もあるのだから負けるはずがないと考えたのだ、だが実際にはそうはいかなかったのである、理由は単純明快だ、相手が弱すぎた為あっという間に終わってしまったというだけである、そしてそれが戦いの終わりの合図となった、

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