8日目 「ペスト」⑧ 第Ⅴ部

 これで最後になる。


 それでは読んでいこう。

<1月初旬から、三週間連続でペストは後退していく。ただし、その中でも亡くなる人はいて、オトン判事が亡くなった。

 1月25日、いよいよ県当局がペストの進行が停止したと考えられると発表。ただし慎重を期して門は二週間閉鎖を続行し、予防措置は1か月続けるとした。


 コタールはリューに、ペストはどうなるか知りたがった。1月半ばに、ペストは止まるかもと答えると不機嫌になる。

 県の布告があった二日後、コタールはタルーの前に姿を現すが、役人に声をかけられて逃げてしまう。


 その翌々日。タルーがペストに倒れてしまう。

 二日間のペストとのたたかいののち、タルーは亡くなってしまう。リューは彼を看病して見送ったあと、電報で自分の妻も亡くなっていたことを知らされる。


 2月にオランの市門が開かれ、ランベールは恋人に会える。

 筆者でもあったリューは、最後にコタールが騒動を起こして捕まったこと、グランがまた自伝を書き始めたこと、タルーと一緒に往診に行った老人が彼の話をしたことなどを記して終わる。>

(391〜453ページ)


 さて、最後の部はちょっとなんとも言えない。こんなに最後にバタバタ死んでいくとはちょっと思っていなかった。

 俺が思うのは、これだけリューの周りで死んでいくのに、元の生活に戻ろうとするオランの人たちの対比というか。それもすごい。

 そもそも筆者≠作者ではなくて、筆者もリューだったというところにポイントがあると思う。


 これってフィクションだけどね、つまりよ、ペストで周りがたくさん死んで、元の生活に戻ることで忘れ去るのって残酷じゃねえかって。リューは思ったんじゃないか?

 もちろん医者だからたくさん見送ってきただろうけど、これまで書いた人はペストだからしょーがないとは言わなかった。ペストのある生活に慣れても、やっぱりこういう時だからって道を選んだ人だったと思う。そういう人の話は誰かが書いておいてやらないと、忘れちゃうじゃない。


 俺とは意見も考え方も全然違う人たちだけど、こんな自然に動けないと思うし、リューさんが書いてくれなきゃ、残らなかったわけよ。でもこれってなんだろうな。



 さて、今日は雨の中、博物館へ。


 「ペスト」は読み終わったが、なかなかすごかった。ちょっと明日、まとめを出しておきたい。

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