第9話 黄の妖精

そんなある日、葵はまた要請を受け手助けをすることになった。


「葵、マークから要請がきた。でも今回は黄の悪魂だよ」


「なんで、黄なの?」


「悪魂が多いらしい。黄の妖精ラミーからの要請を受けてマークたちがいったらしいけれど、葵にも要請がきたんだ」


「じゃあ、急ごう」


葵はいそいで眠りについた。すぐにリッキーを見つけた。


「リッキー、悪魂はどこ?」


「あそこだよ」


「えっ、何? 何体いるの?数が多くない?」


「とりあえず、いってくる」


「今までとは違って数が多いし大小あるから気を付けて」


「わかった」


葵は黄の悪魂に近づいた。

さっそく、葵は足から拳銃をとり黄色の塊に近づいて宝石を狙ってうった。

黄色の塊は素早くよけた。


――えっ? 素早い?


葵はもう一度うった。

また、よけられた。


――まじ? 今までとは違って動きが早い?


「葵!おれが引きつけるからすきを狙ってうって」


一樹が声をかけてきた。


「わかった」


一樹は短剣2本で黄の悪魂に近づき戦い始めた。

わたしはすきを狙って、1体の悪魂の宝石を狙って拳銃でうちこんだ。

ようやく、あたった。

だが、宝石にあたったが1発では宝石が壊れないようだ。


「一樹大丈夫?」


「まだまだいけるよ」


「助けていただきありがとうございます。わたしも弓でサポートします」


女の子が弓をもっていた。


「だれ? まあ、いっか。よろしく」


葵はとりあえず、弓でもなんでも今はみんなで戦わないと倒せないと思った。

一樹が悪魂を引きつけ葵が拳銃で宝石を狙ってうっていた。

葵が拳銃で引きつけ女の子が後ろから弓でうっていた。

弓は遠くから狙って確実にあたっていた。

凄い的中率だ。

全部で10体くらいいただろうか。

1体づつ確実に悪魂を倒していった。そして、ようやく協力してすべて倒すことができた。

葵も一樹も疲れ果てていた。

でも、みんなで倒したことに喜んでいた。


「そういえば、あなたは?」


「あ、わたしは北条万里香(ほうじょうまりか)中学2年生です」


「中学生だったんだあー、弓の扱い上手だね」


「小学生の時から弓道をやっているので扱いはなれています」


「そうなんだあー。だから上手なんだね。あ、ごめん。わたしは、月島葵、高校2年生」


「葵、高校2年生だったんだー」


一樹が割り込んできた。


「そうだよ。一樹も自己紹介して」


「あ、おれは成宮一樹、高校1年生」


「1年生だったんだね」


葵がにやりと笑いながら話に割り込んだ。


「なんだよー」


「別に」


リッキーとマーク、そしてラミーがボトルを集めていた。

ボトルを集め終わり近づいてきた。


「みんなよくがんばったね。ありがとう。こんなにたくさんの悪魂を倒せるなんてすごいよ。3人で協力したから倒せたんだよ」


「ほんとそうだよね」


「ところで、黄の悪魂は何のストレス?」


「浪費癖のある人とかかな」


リッキーがそういうと万里香が話始めた。


「さっきのはわたしの弟です。ゲームで課金してやめられなくなったようです」


「あんなにたくさんの悪魂になったみたいなんです」


「帰ったら弟と話してみます」


リッキーがさらに話してきた。


「でも、今回は悪魂が10体でも中に取り込まれている人は1人だったからいいけど、これが何人

もの人が取り込まれてしまうと厄介だ」


葵たちが聞いてリッキーが答えている。


「そんなこともあるの?」


「夢だから、なんでもありだよ。結局、夢の中でその人がどんどん作っていっちゃうんだ。だから、

人が増えてく」


「わあー。なんだそれ」


「その時は、みんなで戦うしかない」


「そうだね」


「でも、ストレス社会っていうけどこんなにも、いろいろなストレスをかかえてる人がいるんだね」


「まだまだ、助けなくっちゃね。それでぼくたちは生きていける。そしてきみたちも普通に生活ができるんだ」


「どういうこと?」


「まあ、きょうは疲れたでしょ。みんな帰ろう」


「今日は助けていただいてありがとうございました」


万里香はお礼をいった。


「いいよ。また、なにかあったらみんなで協力しようね」


「はい。よろしくお願いします」


「じゃあ、また」


みんな、現実世界に戻っていった。


「リッキー、まだほかにも妖精いるの?」


「いるよ。とりあえず、ぼくが知っている妖精はあと2人」


「会えるかなあ~」


「会えるよ、きっと。なんか最近悪魂の数が半端なく多い気がする。嫌な予感もする。気を引き

締めないとだめだよ」


「わかったけど、なんか怖い……」


「大丈夫、みんながいる。そしてぼくもいる」


――そういえばリッキー、わたしが戦っているとき何してるんだろう。援護するっていってるけど

何をしているんだろう。さっき戦いのときリッキーたち妖精の体が光っていたような気がしたけど……。

まあ、今日は疲れたから寝……る……zzz。


「おやすみ、葵」

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