第8話 自信喪失

そんなある日、葵たちはまたマークから要請があり助けに向かった。

するとそこは、また美幸の夢の中だった。


「一樹くん、どういうこと?」


「わからない」


「また、悪魂に取りつかれるなんて」


――そういえば諒太とのことどうなったのか聞いてなかった。聞かなくてももう大丈夫だと思って

  たんだけど……。


「これまた、3体って……」


「葵、そっちの1体頼んだ」


「わかった」


「リッキー、とりあえず考えてもしょうがない悪魂を倒すのが先だね」


「そうだよ。葵、がんばろう」


「はいよ!」


葵はさっそく緑の悪魂に近づいた。


――なんで緑なんだろう。


「葵、あぶないっ!!」


葵はよけた。


「葵、どうしたの危ないよ」


「ごめん、考えごとしちゃって。行くよー」


葵は悪魂に近づいて宝石を探した。

なかなか見つかりません。


「リッキー、宝石がない」


「そんなわけないよ。よく探して」


葵は悪魂に近づき宝石をさがした。

すると奥深くに小さい宝石が光るのをみつけた。


「あった。あそこだ」


葵は今度こそ悪魂に近づき小さな宝石に向かって拳銃でうった。

小さいのでなかなかあたりません。

葵はもう少し近づいて狙うことにしました。


「葵、近づくの?」


「うん、もう少し近づく」


「気をつけて。ぼくも援護するから」


葵は少し近づき小さい宝石を狙って拳銃でうった。

ようやく、あたった。

そして悪魂1体は倒せた。

残りの2体のうち1体は一樹が戦っているから葵は、残りの1体に向かっていった。

葵は宝石を探した。

すぐにみつかった。

葵は宝石を狙ってうった。

悪魂によけられた。


――やっぱりもう少し近づかないとよけられちゃうな。


葵はまた少し近づいた。

近づいた途端に悪魂の手が伸び上から下へと振りおろされ葵はそれにあたってしまった。


「きゃあーっ!!」


「葵!!」


リッキーがすぐに近寄ってきた。


「大丈夫か、葵」


「うっっ!!」


それをみていた一樹もきた。


「葵!大丈夫か!」


「いいから、悪魂をやっつけて」


「わかったよ」


葵は痛みを我慢して、一樹に先に悪魂を倒すことをすすめた。

そして、それを聞いていたリッキーはマークに提案した。


「マーク、葵の手当をしてくれ。ぼくは一樹の援護するから」


「わかった」


リッキーはそういうと、一樹といってしまった。

マークは葵の手当をはじめた。


葵は腕に傷をおっていた。

その傷にマークは手をかざしはじめた。

葵は傷口付近がなにか暖かくなっているような感じがした。

すると、みるみるうちに傷がふさがり葵は治っていた。


「すご~い、マーク」


「まあね、これがぼくの得意分野ヒーリングだよ」


「ありがとう。行こうマーク、ふたりのところへ」


葵は完全復活して戦いの場へいった。


「葵、もう大丈夫か?」


「リッキー、大丈夫だよ」


「一樹、心配かけちゃったね」


「本当に、大丈夫なんだな」


「ほら、元気元気」


葵はくるくるまわって見せた。


「じゃあ、おれが悪魂を引きつけるから葵が宝石を狙ってくれ」


「よ~し、さっきのお返しだよ」


葵は悪魂が一樹に気をとられている間に、宝石に拳銃で撃ちこんだ。


「1発だー!よし、倒した」


「よし!」


3体の悪魂を倒してみんなで喜んでいた。


「でも、珍しいな葵がやられるなんて」


リッキーがいった。


「ごめん、なんで美幸さんの悪魂の色が緑なんだろうって思ってたら悪魂の手に気づかなくて

あたってた。でも、夢でも怪我すると痛いんだね」


「あたりまえだよ。でもマークがいてよかった。マークだからあんなにすぐに回復できたん

だよ」


「ほんと、すごいよマーク。ところでリッキーの得意分野ってなに?」


「ぼくは、攻撃力だよ」


マークが話にはいってきた。


「リッキーは誰よりも攻撃力がすごいんだ。いざというときはリッキーがいないと勝てないんだよ。まあ、リッキーの力が必要になることはないほうがいいんだけどね」


「リッキーの力が必要になったときは悪魂がかなり強くなっているってこと?」


「そういうことだよ」


葵はまだまだリッキーたち妖精のことを何も知らないと思い、もっともっと知っていきたいと思いました。


「一樹、ところで美幸ちゃんだけど、もう一度直接あって話たいんだけど、あした学校終わったあと

会えるか聞いてくれる?」


「わかった」


次の日、マークから連絡があり学校の帰りにこの間のカフェで美幸ちゃんと会うことになった。

葵がカフェに行くと美幸ちゃんは来ていた。


「美幸ちゃん、ごめんね呼び出しちゃって」


「いえ、この間のお礼もいいたかったのでわたしも会いたかったです」


「それでね、今日よんだのは諒太とはどうなったのかな~って思って」


「はい、あのあと告白して振られました。というか異性として見ていなくて突然言われても困ると言われました。わたし、可愛くないしぽっちゃりだし異性としてみられないんだろうなって思ったら、もうどうしていいのかわからなくなってました。でも、今日は少しスッキリしています」


――やっぱり、美幸ちゃん自分のこと可愛くないと思ってるんだ。

  

「美幸ちゃん、自分にもっと自信をもって。可愛いし、ぽっちゃりなんてしてないよ。諒太はこれから美幸ちゃんのこと異性として意識し始めるってことでしょ。まだ、振られたわけじゃないよ。これからだよ」


「そう思っていいのかな~」


『そのころ一樹は諒太のところにいた。葵と美幸の話をリッキーからマークに伝え、マークから一樹

に伝わり一樹は諒太に今の気持ちを聞いてみた。諒太は今までは妹のような存在だったけど美幸が

告白して異性として見ていると聞いたら、意識しはじめちゃって自分の気持ちに気づいたらしい』


「葵、一樹から伝言だ。諒太くん美幸ちゃんが好きみたいだよ。いや、好きだって」


「まじか」


美幸は話がかみ合わない葵の突然の話に驚いている。


「まじかって?」


「あっ、ごめん独り言……」


「美幸ちゃん、ちょっとここで待っててくれる?あたしちょっと外で電話してくる」


「はい」


葵は外にでた。

そこに諒太が走ってやってきた。


「葵!」


「諒太!美幸ちゃんなら中で待ってるよ」


「ありがとう」


諒太は中にはいっていった。

きっとふたりはお付き合いすることになるだろう。

一樹も少し遅れてやってきた。


「どうなった?」


「もう、大丈夫でしょう」


「結局なんだったんだ」


「美幸ちゃんは周りからみれば可愛くて細くみえるんだけど、自分に自信がもてなくて好きな

人に振られたことによって、より一層自信がもてなくなっちゃったんだと思う」


「そんなこともあるんだな」


「まあ、ひとそれぞれいろんな悩み抱えてるんだよね」


「でも、これで大丈夫そうだね」


「ようやく解決したな」


「よかった、よかった」

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