第7話

 唯がお風呂に入ってる間に私は昨日買った物を準備していた。明日香と夢乃は知らないと思うけれど、今日は唯の誕生日。唯と買い物に行った後に私はほかの店に行ってプレゼントを買った。


 唯が欲しいものは分からないけど、欲しそうなものを買った。


「音儚上がったよ〜」

「あっうん!」


 思ったよりも唯が早く上がってきて、私は急いでプレゼントを隠した。


「音儚そんなに焦ってどうしたの?」

「う、うんん!なんでもないよ」

「音儚横向いてそこ座って」


私は唯が指したソファーに座った。


「髪の毛乾かしてあげる」


 そう言って唯は私の髪の毛を乾かしてくれた。

私は恥ずかしくて話すことができなかった。


「はい、乾いたよ」

「音儚も唯の髪の毛乾かすよ」

「多分一瞬で終わるよ」

「それもいいの!」


 私は唯と位置を交換して、髪の毛を乾かした。


「終わったよ。やっぱり一瞬」

「ショートは楽だよ」

「あ、ちょっと待って」


立ち上がろうとする唯を止めた。


「目瞑って待ってて」


 私はさっき準備したプレゼントを持って唯の前に座った。


「目開けていいよ。誕生日おめでとう」

「わぁあ!ありがとう!」

「欲しいもの分からなかったから期待はしないで」

「うんん、音儚から貰うものはなんでも嬉しいよ。開けてもいい?」

「もちろん!」


 唯にはシューズケース、ボディーミスト、シューズのケア用品をプレゼントした。


「シューズケースちょうど欲しかったんだ!」

「唯がいつも使ってるシューズケースボロボロになったって言ってたから」

「覚えててくれたんだ。ありがとう」

「このボディーミストすごいいい匂いだね」

「その匂い大好きな匂いなんだ」

「うちも好き」


 気づけば時間は12時を回っていた。私達は布団に入り、枕元の電気だけをつけた。


「ねぇ唯」

「どうしたの?」

「体育祭の日に私に言った"好き"ってどういう意味の好き?」

「うーん。友達としての好きかな」

「友達として?」

「うん……」

「音儚も唯のこと好きだよ」

「ありがとう」


友達としての好きなんだ…

こっちは違う好きかもしれないのに…


 唯が隣で寝ているってことだけでドキドキしてなかなか眠れなかった。


 気分転換しようと私はベランダに出ようとした。ベットから出ようとした時、唯にパジャマを掴まれた。


「ねぇ、行かないで……」


 多分寝言。だけど、その姿はとても愛くるしかった。


「大丈夫。どこにも行かないよ」


私は唯の頭をそっと撫でて、頬にキスをした。


「愛してる、唯」


 寝ている唯はきっと私が唯が好きな事もキスをしたことも知らないだろう。


 唯に好きって言えたらどれだけ良かったんだろう。今まで誰にも恋をしていなかったのに。恋をするってこんなにも辛いんだ。


翌朝、唯に呼ばれて目が覚めた。


「音儚ー!起きて!」

「んん、まだ寝る」

「あと30分でご飯食べなきゃ行けないの!」

「じゃあキスしてー」


 私は冗談半分で唯にそう言った。どうせしてくれないと思ったけど。


「えっ!キス?!」

「じゃあハグ」

「分かったよ」


唯は私の体を起こして、唇にキスをした。


「早く着替えてきてね」


 唯は恥ずかしさを隠すように寝室を出た。私は照れて体中が熱くなった。


 私は慌てて荷物をまとめて、ギリギリ集合に間に合った。


 今日の朝ごはんはパンケーキ。唯が焼いてくれたパンケーキはすごく美味しかった。手作りのイチゴジャムとブルーベリージャムはパンケーキとすごい相性がよかった。


 それからキャンプ場付近のアスレチックに行って、私達の楽しかったキャンプは幕を閉じた。

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