第6話 春雷

雷の音が一つ落ちて

君の横顔が流れる


頬を撫でる絹の囁き


ゆらゆら漂う桜のロンド

緑がせわしなく動いて


雨音一つ立てずに

地面を濡らす君の横顔


万華鏡、天地が鳴動する


掻き消える雑踏の音の後には

誰が残るのだろうか?


ゆらゆら漂う桜のロンド

さざめく白鷺の群れ、俯く顔


川面に浮かぶ葉の船に

弾け飛んだ君の音色が心奪う


稲光の影絵の合間に

緑の君の羽音が消えゆく


残るは地に落ちた恋

泣き濡れた黒い大地


私一人

行く先を失くしたつま先

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言葉の渦 流星未来 @ryusei_mirai

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