第5話 うたかたの道へ

夢の泡沫はじけ飛んで

世界が揺らぎ始めたから


歪な影は歌う

天井しか見えない世界

天井しかありえない世界


床のタイルはモノクローム

花のように口を開けて

踊る私たちを地下へと誘う


歪な幻視蝶

揺らいで消えて

広がり続ける海よ

波がぶつかり飛沫が飛べば


夢の泡沫はじけ飛んで

世界が揺らぎ始めたから


ああ、夢いっぱいに

波に飛び込んだ


青い海に飲まれて行く

私の世界だけは影がいないよ


焦らぬようにゆっくり水をかいて

顔を出せば怖くはない


穏やかな水をまとって

泡沫の道へ 涼やかに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る