いつもの仲間内でのネット麻雀に、いよいよ野生のカバを持ち込んでしまった人の物語。
現代ものの麻雀コメディです。
負けた悔しさのあまり本物のカバすら持ち込むという、その行為の異常さありえなさについ笑わされてしまう……のですけれど。
なんと他の三人もそれを普通に受け止めていたりして、そのあたりが余計におかしいお話。
しかもそのカバが存外に強いのがまた。やはり野生は侮れない……。
特に好きなのはやっぱり終盤の展開、まさかのリベンジマッチによって示される『本物の麻雀』。
お話そのものは完全にコメディなのですけれど、でもそこで示される暴力のありよう自体はある種の真理であったりもして、その辺が本当に大好きです。
ただの飛び道具にも思われたカバが、しっかり物語の主題を担ってくれるこの感動。
とはいえ、基本的にはやっぱりコメディ、気楽に肩の力を抜いて読めるお話です。
コミカルな中に不思議な盛り上がりを感じさせてくれる物語でした。