南3局
南場に突入。このままヒーちゃんのリードで進むかと思いきや、まさかの獅ニキによるダマのハネ直が入る。
これで点棒は一気に獅ニキに。加えて親番も得たため、一気に流れが獅ニキへ傾くかと思われた。
その時。
「すいません、ウンコです」
ヒーちゃんが場を止めた。
「何だ何だ今更トイレで流れを変えようって言うのかよ」
「いえ、そういうわけでなく……隣のカバが大量にウンコし始めて……」
よくよく耳を澄ますと、かすかに質量が床に落ちる音が聞こえてくる。
流石に脱糞音を聞きながら麻雀が打てるほどスカった趣味は無いため、一旦音声をミュートして、処理が終るのを待つことにした。
飲み過ぎて泥酔やゲロの可能性も上等の友人戦通話卓であるため、この場合は仕方ない。温かく見逃してやらなければ、いずれ自分に跳ね返ってくる可能性もあるからだ。
数分後、麻雀が再開された。だが、ウンコのせいですっかり流れが変わってしまったようで、全く手が付かず。未だに高みの見物をするしかなかった。
「それじゃあ、場を止めておいてすいませんが……リーチ!!」
対照的にヒーちゃんは調子を取り戻したようだった。
力強く6巡目の先制リーチ。点数状況的に俺ら三人も潰しておきたいリーチだったが、ヒーちゃんはこれをなんと一発ツモ!
しかも赤5萬。流石に出来過ぎたツモで一気に点棒を得るヒーちゃんに俺ら三人からは非難轟々だ。
「カバは血の汗をかくんですよ。つまり、これが血のツモですね。皆さんもこうやって自分のツモを赤ドラにすると良いですよ?」
いよいよ煽りも最高潮に達したところでオーラスへと突入だ。
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