第10週 作戦会議②
「で、さっそくだけどどんなイベントがいいと思う?」
そう美咲さんは言ってきた。「イベント」。
正直、よくわからないのが本音だ。合コンを開くのもイベントだろうし、みんなで遊びに行くのも一種のイベントだと思う。
「じゃあ、美咲はどんなことがしたいとかあるの?」
「そうだなあ……、やっぱりみんなでワイワイできるイベントがいいな!」
「まあそうですよね……、イベントって基本的にワイワイするものだし…」
「いっちー!また敬語に戻ってるよ!」
「ごめん……」
そう言ってさっききたオムライスを口に運んだ。なかなか敬語は抜けないものだな。
「私は一応考えてるんだけど!言ってもいいかな?」
「うん、いいよ。」
「私はね!たこ焼きパーティーとかがいいと思うの!ご飯も食べられるしいっぱいお話もできるし、盛り上がると思うの!」
「たしかにたこ焼きパーティーもいいと思うけど、夏休みだからこそ!みたいなことしてみたくない?」
「うーん、たしかにそれはそうだなあ……」
そう美咲は言った後、少し考え込んだ。ぼくも少し考えてみたけど、なかなか上手く思いつかない。また思案に耽っていると、ふとあることを思いついた。それは意外と単純なことだったかもしれない。そう思いついた時には思った。
「旅行なんて、どうかな?」
そう提案してみると、美咲さんは笑顔になって、
「それいいじゃん!決まりだよ!」
即決だった。そこそこ時間をかけて考えていたが、決まる時はすぐだった。美咲は乗り気になり、
「旅行で決まりだとして、次はどこに行くかを考えないとね!」
「たしかにそうだね。」
「じゃあ、次に会う時までに行くところの候補、ちょっと考えてもらってもいいかな?」
「うん、わかった。考えておくよ。」
こうして今日の話し合いは終わった。旅行先の提案……。今まで近場にしか旅行に行ったことのない自分にとって少しばかり重役だった。ただ、手伝うといった以上、やり切るしかない。ぼくは腹を括った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます