第9週 作戦会議①
「美咲さんの涼介くんに対する恋のお手伝いをする」
そんな重大な役目を引き受けてから、丸一日が経過した。まだ正直そんなに実感もないし、なにしろ何をすればいいかも明確ではない。そんなことを考えていると、美咲さんから一通のラインが届いた。美咲さんとはこの手伝いを了承した日にラインを交換したのだった。
「明日、ちょっと話せないかな?私も時間作るから!」
明日は午前中授業があったが、午後からは予定は何もなかったので、
「午後からならいつでも空いています」
と送った。すると、すぐにラインは返ってきて
「じゃあ、1時くらいに前回のファミレスに集合ね!」
と書かれてあった。今日はどんな話になるんだろう……。そんなことを思いながら約束の時間を待った。
1時になり、ファミレスに行くともう美咲さんは来ていた。
「こっち〜こっち〜!」
向こうもぼくに気づいて呼んでくれた。美咲さんがいるテーブル席に座り、注文を済ませると、早速本題に入った。
「今日、いっちーを呼んだのはほかでもないわ!これからの涼介との恋の手伝いに関することについて話そうと思ったからよ!」
「引き受けたのはぼくですけど、具体的に何をやればいいのかわからなくて……、どう美咲さんを手伝えばいいですかね?」
「私のことは美咲でいいよ!もう私たちはパートナーなんだから!」
「そうですかね……」
「敬語もやめようよ!話しずらいし!」
「努力するよ……」
「で、本題だけど、いっちーには涼介と私とそしていっちーくんも合わせたイベントの主催をしてほしいの!」
「イベントの主催……?」
「そう!きたる夏休みに向けてなにかイベントを開催してほしいの!私も協力するから!」
イベントの主催。まるで陽キャグループの中心人物がやるようなかなり行動力、計画力を要するこの課題はぼくをさらに不安にさせたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます