第290話 極上のディナー②

「次は魚料理、シバタータのハーブクリームソテーになります」


 そう言いながらハーブのクリームで緑色に変色している魚のソテーが送られてきた。


(いや...見た目が良いのか悪いのはわからないんだが...)


 良い感じにハーブとソテーを配置しているのは分かるんだが、緑色のクリームがちょっとな...。


 でも食べてみると悪くはない味だった。


 悪くないだけでめっちゃ美味いかと言われたら微妙だがな...。


「緑のクリームって...」


 ラカラも若干引いているぞ?


「続きましてソルベ、トルカッハのソルベにございます」


 口直し用のデザートが配備される。


「これは...まあ」


 今までの料理に比べるとだいぶまともな料理だと思えるデザートが配置された。


 ちょっとしたシャーベットって感じだ。


「これはまだ美味そうだな!」


 ラカラも喜んでいるし俺の感性は間違っていないだろう。


 スプーンで掬い上げてそれを口に運ぶとさっぱりとした味わいが広がった。


(りんごと桃の中間みたいな味だな。若干桃の風味が強いが)


 これは予想通りまあまあ美味かった。


 ソルベを食べ終えるとついにコース料理のメインである肉料理に入る。


「それでは本日のメインディッシュ! 草食龍の霜降りステーキです!」


 そう言われながら食べたことのある肉料理が出てきた!


「こ...これは...」


 いや、草食龍のステーキが美味しいのは知っているんだが、問題は...。


 チラッとケロナの方を見てみると案の定不服そうな表情を浮かべていた。


 いや、このコース料理が始まってからケロナだけはずっと不服そうな顔をしているがこのメインディッシュを見て明らかに表情が崩れているのが分かる。


「おっ! 草食龍のステーキじゃん! ケロナが前作ってくれたけどめっちゃ美味かったんだよな!」


 そう叫ぶラカラにウェイターの何人かが驚いていた。


「あの年で草食龍の肉を食べたことあるとは...」


 まあ、草食だからな。


 肉食龍に比べて大分弱いがそれでもそれなりの危険を侵さなければ手に入らない代物ではあるから当然の反応だろう。


 とりあえず食べてから結論を出そう。


 真っ先にラカラが肉に飛びつくの見た後で俺たちもそれに手をつけるのでした。

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