第289話 極上のディナー

 〜夜〜


 夜になると俺たちは食堂に集められた。


「クリスティーナ王国より選ばれた一流のシェフ達が腕によりをかけて勇者様御一行をおもてなしいたしましょう!」


 リュートの解説と共に俺たちの前にコース料理が運ばれてくる。


「まずはオードブルのレイカルアの酢物です」


 コック帽を被った男が俺たちの前に野菜の様な葉っぱを出してきた。


「...葉っぱじゃん!」


 とツッコミを入れるラカラは怒りながら葉っぱにかぶりつく。


「酸っぱ!」


 と言いながら舌を出しているな。


 俺も食べてみたが少し酸っぱい気がした。


 悪くないんだがイマイチと言った所だろう。


 俺と優樹、そしてシュガーはなんだかんだ言いながら食べている。


 シュナとアルシェと意外な事にケロナは綺麗に食べている。


 シュナとアルシェは分かるのだが、ケロナのテーブルマナーが綺麗なのにはびっくりした。


「次はコロハガニのハサミ添えスープでございます!」


 今度はカニの片方のハサミだけ添えてあるスープが出てきた。


 淡白な透明のスープを俺たちは静かに啜るが....。


「うへっ! 味薄っ!!」


 ラカラだけは妙に反応しているようだった。


 やっぱりこの中で1番子供なのは彼女だろう。


(見た目はケロナとシュガーが同率で幼女なんだがな...)


 ゆっくりとスープを楽しんだ後は魚料理に入っていくのでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る