第285話 +値の謎②
俺はシュガーと+値について話し合う。
「と言うことはお前は最初から武器に+値が乗っていくのを知っていたわけだが、それはこの世界に来た時からか?」
「ああ、勿論だ! と言うか勇者全員が覚える共有スキルなんじゃないか?」
「共有スキル何だったら俺がここまで驚く訳がないだろう!」
「...怒らないで!」
「別に怒ってねぇよ! と言うかいちいち突然メスになるな! 口論し辛くなるだろ!」
そんなこんなで口論は続いていき、最終的に奴と俺の育成システムに相違点が見られる事が分かった。
「つまり俺は武器や魔物を強化していくシステムで、シュガーは自身をバンバン強化していくシステムってことか?」
「多分そうだと思います」
「ふむ...」
そう考えるとなんとなくそうなんだと思ってしまうがなんだか腑に落ちない。
「なあシュガー」
「はい?」
「魔法の+値ってどうやって上がるんだ?」
俺の問いに彼女は答えた。
「魔法を使っていれば勝手に成長しますよ」
「...本当にそれで合ってるんだな?」
「はい、ただ攻撃魔法や攻撃技は敵に当てないと成長しませんが」
「敵か...」
チラッと俺はシュガーを見つめる。
「な...なんだよ」
俺はシュガーを敵だと認識しながら思いっきりデバフを使いまくった!
「【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】【速度弱体化・超大】」
「何をする!?」
どんどん鈍足になっていく奴にお構いなく何度も1番安全なデバフをかけ続けていると...。
メニュー画面が開きこう映し出された!
『【速度弱体化・超大】の練度が上昇しました!【速度弱体化・超大+2】へと成長します!』
「...おおっ」
思わず俺は目を見開いた。
デバフ魔法の+値が上がった場合、威力と確率が上がるようだ。
その分燃費が悪くなるようだがデバフ使いにとってMP消費はそこまで関係ないだろう。
結局の所【弱体術師】と言う職業は相手を【弱体化】させれるかどうかにかかっているからだ。
俺の持っているデバフを全部かけられて動けるような生命体は殆ど存在しないだろう。
とりあえず俺はシュガーを敵だと認識しながら何度も害のないデバフを使い続けるのでした。
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