第171話 エトランゼ国境間際の森
〜エトランゼ国境間際の森〜
森の中で【勇者】佐藤とラカラの皮を被ったエトランゼの姫アルシェは手を繋いで進んでいた。
「佐藤様、もう少しで国境間際ですね」
「ああ! これでアルシェちゃんは晴れて自由の身だ! 気を見て騎士団長の奴が元の姿に戻してくれるらしいから安心して逃亡ができるぜ」
「はいっ! 私も佐藤様との旅が楽しみです! ラカラさんには悪いですけど貧乏な生活から豪華な生活を得る事ができるので+でしょうしね!」
「ああ! ちげぇねぇ! だから俺たちは2人で旅をしような!」
そんな中アルシェの方からこんな事を言い出した。
「佐藤様...。ありがとうございます」
「あっ?」
「私を父上から遠ざけてくれら事を感謝します」
「ああっ、その事か。問題ないさ。これからがは俺が君を守ってやるから安心しな。【勇者】であるこの俺がな!」
剣を掲げて自分の意志を語る【勇者】に頬を染める姫様。
[佐藤様...」
「アルシェちゃん...」
2人が優しく抱き合い今まさに口のふれ合いを行おうと言う時だった。
「お熱い所申し訳ないが少し邪魔をさせて貰うぞ」
突然の声が2人の熱いシーンを台無しにする。
「誰だ!?」
アルシェを自分の後ろに隠して剣を構える佐藤。
しかし佐藤は木の裏から騎士団長が現れた時に警戒心を解いた。
「なんだお前か。しかし何でこんなとこで待っていたんだ? そんなシナリオ想定にはなかったぞ?」
「シナリオ? そんな物はもう必要ない。なぜならここで貴様とアルシェ様には死んで頂くのだからな」
「何っ!?」
その言葉に身構える佐藤。
「貴様...! まさか【勇者】である俺と事を構えようと言うのか?」
「【勇者】ねぇ...。悪いが私からすればまだ【弱体術師】の方が【勇者】としての素質を持っていると思うぞ?」
その言葉にキレる【勇者】佐藤。
「何っ!? 俺が高坂如きに劣っているとでもいうのか!?」
「戦闘力では君の方が上回っているのかも知れないが、【勇者】様とは違い彼には仲間達の人望と何か分からないが少々の恐ろしさがあるからね。早めに摘めて良かったと思っている。それに比べて君はただ戦闘力が高いだけだ。いつでも私がとどめをさせるからね」
余裕の笑みを浮かべる騎士団長に怒りの声をあげる佐藤。
「貴様!! 【勇者】である俺を愚弄したな! 絶対に許さん!」
剣を構えて騎士団長グレイスに向かっていく佐藤。
それを見て笑うグレイス。
2人の戦いが今始まる!
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