第170話 脱出ルート
「ラカラの言った通りまずはちょっと先にある武器庫で皆の防具を取り戻そう。その後は俺の【幻影翼】でそのまま脱出すれば良い」
そう言いながら俺たちは地下牢から脱出した。
そして見つからない用に1人ずつラカラが感電状態にし、俺がそこに束縛と麻痺を重ねがけして完全に動けなくしてから進む。
しばらく進むと防具のある部屋にたどり着いたのでそのまま部屋で着替えて城壁へと向かう。
「【幻影翼】→【擬似幻影龍】!」
俺はそう唱えて【擬似幻影龍】を召喚する!
「さあ! 逃げるぞ!」
俺の言葉と共に全員が乗り込み、そのまま空中から脱出したのだった。
しばらくして城の方を見たが追ってくる様子はない。
「逃げ切れたのか?」
「...兄ちゃん。実は私佐藤に【ロックオン】の標準を合わせているんだ」
「どうして佐藤に?」
「多分なんだけど騎士団長の奴は早めに姫様を始末するつもりだよ。できれば今日中にでもね」
「なぜだ? 奴は時間をかけて王を殺害するつもりじゃなかったのか?」
「王様をどうやって殺すつもりなのかは知らないけど、あいつは私に『さてと、私はアルシェ様を殺害しに向かうとしようか。』とか言ってたから多分【勇者】の元に向かっていると思う」
「...なるほど、先に姫様の方を殺害しておくつもりか。準備がいい事で。だが姫様の方には佐藤がいるんじゃないのか? 癪だが佐藤はなかなか強いぞ?」
「【勇者】ってドラゴンゾンビは倒せてたけどリィカには手も足も出なかったよね?」
「まあな、でもそれは俺たちだって同じだろ?」
「確かに。でも一回追っかけっこしただけでも【勇者】の対人戦能力は低めだって事は分かったよ。仮に【勇者】のレベルが10くらい上でも騎士団長ならひっくり返せる」
意外と賢い考え方をしているラカラに俺は驚いていた。
「ラカラ、お前そんなキャラだったか?」
「...えっ? あれなんでだろうか? 私にも分からない」
彼女もそれが自分のキャラではないことを勘付いているようだった。
「でも今は【勇者】に追いつく事を考えよう。あっちだよ」
そう言いながらラカラが指差す方向に俺は【擬似幻影龍】を飛ばすのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます