第54話 トロル
大きな棍棒を持った巨大なモンスター。
それがトロル。
「こんな所にトロルなんているのかよ!」
いや、こんな場所だからこそか?
この世界に来てからこのクラスのモンスターとは戦った事がないのでどう戦えば良いのか分からないが、できる事をするしかないだろう。
「【
俺は各種デバフをトロルに入れる。
「【
そして優樹が俺達全員に防御力UPと速度UPのバフをかける。
「よしっ! 行け! シュナ!」
「分かりました!」
シュナが地を足蹴りにしトロルの真上に飛ぶ。
「グモっ!?」
「隙だらけです! 【キャットスタンプ】!!!」
そのまま踵落としをくらわすと、そこに肉球型のクレーターが現れた!
(おいおい、どんな威力してんだよあの踵落としは...)
遠くから見てもその破壊力に呆れてしまう俺。
しかし流石はトロル。
各種デバフを受けながらシュナの攻撃を食らって平然と立っている。
「流石トロル。タフだな」
しかし、ちゃんと猛毒も入っているので倒れるのは時間の問題だろう。
シュナが強力な攻撃スキルを使い一気に体外から削りながら毒が奴の生命力を奪う。
更にデバフが切れそうになるとすぐさまかけ直すので無限猛毒地獄の完成だ。
いつもなら俺が1人なのでここまで酷いことにならないが、仲間がいると俺は遠距離から敵にデバフをかけているだけで良くなるのだ。
(うわっ、すっごい姑息なプレイだぁ〜...)
自分でもそう思ってしまう程に酷いプレイスタイルだと思う。
でもまあなんだ...。
【弱体術師】ってそう言う職業だと思うから諦めるしかないよな。
ちなみに弱体化させたトロルは全くシュナの動きについていけていない。
そりゃそうだよな。
ただでさえ素早いシュナが速度UPのバフを受けて動いているのだから...。
ちなみに俺も彼女の動いを目で追うのがやっとの状況だ。
素早さが俺の2倍以上あると思うのでこう見えるのも納得ではある。
しばらく攻防が続いたが、やはりこの勝負は俺たち軍配が上がる。
ズズン...と倒れるトロルを見て喜びに満ち溢れるシュナ。
「やった! こんなに大きなモンスターを私が倒したんだ!」
『EXP2000を取得しました』
「経験値2000か。かなり美味しいな」
1匹で2000経験値貰えるのは初めてなので、一応こいつは強敵だったのでしょう。
シュナが強すぎて無双した感は否めないが、俺は彼女の頭を撫でながら「良くやった」と褒めるのでした。
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