第53話 古びた炭鉱②
奥に進めば進むほどどんどん暗くなって行く。
「まずいな。足元しか見えないくらい暗くなってきた」
「そうだね。気をつけて進もう」
どうやらここからが本番のようだ。
俺は用意していた木の棒を壁に突き刺して簡易的な松明を何個も作って行く。
これで帰り道には迷わない。
帰る時は明るい方向に向かって歩いていけば良いだけだ。
そうして進んでいくと、時々鉄鉱石の原石や鋼の塊などは落ちていたので採取していく。
「こう言うのは金になるからちゃんと集めろよ」
「「は〜い」」
2人共言う事をちゃんと聞いてくれるので楽だ。
もしも俺がまともな職業で佐藤や石川と旅をしていたらこんな風に進める事はなかっただろうと思う。
あいつらが自尊心の塊みたいな奴らだからな。
自分が気に食わないと思ったら俺なんかすぐに置いて行くと思う。
その点優樹はどんな事があっても俺を置いて行ったりしないと言う安心感がある。
まああれだ。
こう言うのはめっちゃ恥ずかしいが俺は優樹の事を心の底から信頼している。
その優樹がシュナや優男を信頼していると言っているので俺も信頼できている節がある。
そうでなければ仕事の関係以外で俺はこの世界の連中を好きになれそうにない。
【弱体術師】と言うレッテルだけで全てを決めつけようとするような奴らの考えなど分かりたくもないがな。
道中暗闇に潜むモンスターが数匹確認できたがそれらも倒しながら進む。
【バブルキッズ】に【一つ目オヤジ】...後は【トライホーン】か。
まあまあな魔物のラインナップに1匹くらいテイム判定が来ないかと期待しているのだが、やはりテイムできなかった。
(なんだよ...。本当に俺はモンスターをテイム出来るのか?)
そう思い始めた矢先にホワイトルビーの原石を発見したのだが...。
「あった! あれがホワイトルビー!」
シュナが大きな声を出した瞬間だった!
ドドドドド!!! と言う足音と共に大きな【トロル】が現れるのでした。
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