第9話 脱出

「よしっ!」


 薬草と魔力回復薬を買えるだけ買ってメニューに入れる。


 どうやら俺たち異世界人はメニューと言う特殊な魔法を使えるらしい。


 まあ、ゲームでよく見るようなアイテム袋の代わりだな。


 何もない場所に物を収納できると言う便利な能力だ。


「これで多少の無理は出来るぞ!」


 そう思いながら財布の中身を見る。


 もう1万ラピス程しかない。


 新しい場所に着いたらまずは仕事探しだな...。


 ふと優樹の事が頭に浮かぶ。


(大丈夫...。優樹ならきっと上手くやる)


 俺は幼馴染の心配をしながらも自分は生き残る為に、そして稼ぐ手段を得る為にさっさとこの場所から逃げなくては!


 そう決めた俺はスライムを倒しながら次の村へと進む。


 ぼったくられたとはいえ杖を手に入れた事で攻撃力が少しは上がった。


 敵を【弱体化】させてから殴ればそれなりのダメージが入るので戦えなくはないのだが、その度にMPを使う為正直言って持久戦に弱いと言う弱点がある。


 なので連戦してレベルを上げると言う事がしづらいのだ。


(こりゃあ早めに火力のある物理系のやつとパーティを組んだ方がいいな)


 そもそも後衛職であろう【弱体術師】だけで戦っているのがおかしいのだ。


 1人で戦えないこんな職業をメインとしたいゲーマーはいないだろう。


 俺だって当然ごめんだ。


 どうせデバフ使いになるのなら【黒魔道士】とかの弱体化と攻撃魔法を両立した職業の方が良いに決まっている。


 そう思いながら歩いていると少し遠くにきたのか見慣れない魔物が出現するのでした。

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