第10話 アルミラージ

 目の前をピョンピョンと跳ねている角を生やしたウサギ型の魔物がいる。


「初めて見る魔物だな。アルミラージか?」


 ゲームならスライムよりちょっと強い程度の魔物だな。


 これくらいなら倒せそうだ。


 俺は早速【弱体化】のデバフかける。


 防御力と攻撃力を下げたら攻撃だ。


 杖でぽこぽこ殴っていると...。


「ギシャァ!!!」


 と気象を荒くしてこちらに襲いかかってきた!


 角で肩を貫かれた時に酷い痛みを感じる。


「いてぇ!!!」


 少し血が出ている。


 攻撃力を弱体化させたとはいえ流石にスライムよりは強いようだ。


「まだ序盤だ。こんな奴に負けてられるかよ!」


 俺は力を込めて何度もアルミラージを殴る!


 ボコスカ殴りながら奴の動きを読んで攻撃を躱す。


 それを繰り返しているとようやく奴が倒れ込んだ。


「はぁ...はぁ...どうだ!」


 息切れをしながら俺が奴に止めを刺そうとすると、何故か先に16の経験値が俺に入りいつもは出てこない筈のウィンドウが出てきた。


『アルミラージをテイムしますか?』


「...? テイムできるのか?」


 そう思いながらも俺は「テイムする」と答える。


『テイム成功確率50%』


 と出てきた。


「確率かよ!」


 そうツッコミながらも成功を祈る。


 しばらくすると『テイム成功』の文字が出てきてアルミラージの怪我が治った。


「キュピ!」


 そう良いなら俺の方に近づいてくるアルミラージ。


「おっ、動物を飼った事はないけどなんか良いな」


 もふもふの毛皮を触ると少し気持ちいいが、今はそんな事をしている場合ではない。


 俺がテイムしたアルミラージにアル子と名付けるのでした。

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