第31話


挨拶すら出来なかった人と

夢のような時間を過ごしてしまいました。

あっという間の出来事だったけど

不思議にお喋りできたような気がします。


お弁当は食べ損ねてしまったけれど


楽しい時間を過ごせました。



【 一度きりの人生、勉強なんていつでもできるけど、高校生活は今しかできない、今しかできないこをやらなきゃって、そう思わない? 】


椎名くんはそれをやっています。


本当の目的はわからないけれど


彼はやりたいことを…


今まで、勉強ばかりしていた自分はいったい、なんだったのでしょう。


椎名くんの席をチラ見すると、彼はもういなくなっていた。


おかしいな・・放課後って言ってたはずなのに・・


「 さてと、帰ろっかな! 」


高沢さんが教室を出ようとした時だった。


『 じゃあ美優ちゃん、これで終わりね 』


『 時間短縮って何ッ!?ヤダヤダ、もう少し一緒したい! 』


『 次に約束している子が待っているから 』

 

『 だれ!? まい!?、それともカノン!? ねぇ、誰よッ! 』


「 ブッ! え!? なんだ? 」


「 廊下で何か言いあってる・・・あの声は・・ 」


「「 椎名くん!? 」」

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