第28話


1回目の相手はみぃちゃんだったのか…


ああ!どうしたらいいのでしょう?


私の勘違いでした、みぃちゃんを助けてくれた人に対して、とても失礼な事を想像してしまいました。


やはり想像だけでは世の中わかりません、実際この目と耳と口を使用して体験してみなければ、真実は見えないという事が良くわかりました。今回の件はそれが良い例ですね…


撤回!今朝言ったことすべて撤回!!


椎名くんはただの遊び人じゃなかったです!


ハイレベルな遊び人の人でしたッ!



「 ねこパンチみたいなポーズして、どうしたの? 」


「 はっ!…いぇ、ちょっと、気合いを… 」


「 はぁ? 」


「 は、ははは、気にしないでください 」


「 黒木? 」


「 え!? 」


「 時間、あと3分しかないけど 」


「 3分じゃ、食べきれない 」


「 じゃあ俺手伝う、これ!もらうわ! 」


「 ダメ!それ、わたしの好きな・・イチゴ・・ 」


「 はい! あ〜んして! 」


そういう意味でのお手伝いですか…ありがたいのですが…


「 マスクしてるから無理・・ 」


「 じゃあ、俺くっちゃおう! 」


あーッ!・・ 


「 ま、待ってください!外すから向こう向いててください! 」


「 またかよ・・ 」


「 さっきみたいに嘘ついたら、キャピンってしちゃいますよ! 」


「 わかったから 」


「 絶対見ないでくださいね… 」


「 OK 」


後ろからなら見えないもん、大丈夫!


わたしはマスクを外した


後ろから、椎名くんがつまんだイチゴが、わたしの口の中に飛び込んできた。


「 おいひぃ〜ッ! 」


とにかくイチゴが大好きなわたしは、イチゴさえあれば何もいらないのです。


「 じゃあさ、その玉子焼きくれよ! 」


玉子焼き、あんまり好きじゃないから


「 いいよ… 」


わたしは何も考えずに、フォークにさした玉子焼きを椎名くんにあげるため、そのまま振り向いてしまった。

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